ハーモニー・オブ・ザ・デッド RE-2481

作品紹介

公開年月  2015/07/31
ジャンル  ドラマ
原作  なし
監督  ミゲル・アンヘル・ビバス
脚本  アルベルト・マリーニ、ミゲル・アンヘル・ビバス
製作  ボルハ・ペナ、エマ・ルストレス、ほか
製作国  スペイン、ハンガリー
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

驚異の感染力を持つウイルスによって、人類はゾンビへと変貌し、地球は絶滅寸前の危機に追い込まれていた。
9年後、雪に閉ざされた町“ハーモニー”には人類最後の生き残りジャックと小さな娘ルー、アルコールで身を崩したパトリックがひっそりと暮らしていた。
そんなある日、絶滅したはずのヤツらが姿を現し、ハーモニーの町は再び恐怖に呑み込まれようとするのだった。

登場人物&出演者

ジャック(演:ジェフリー・ドノヴァン)
ハーモニーの町でルーとともに住んでいる。過保護で隣人のパトリックに敵意を持つ。
マシュー・フォックスは代表作に『チェンジリング』、『ボーダーライン』などがあります。
ルーに近寄ろうとするパトリックに対して、危なすぎる目つきで完全に拒む。
実はパトリックがエマを失い、ルーの育児を放棄した事に腹を立てて代わりに育てていた。
過保護すぎる親バカで、そのせいで束縛される娘は限界に達してギクシャクしていく。
最後はルーが餌食にならないように殺そうとするが、寸前で思い留まって脱出する。

パトリック(演:マシュー・フォックス)
ハーモニーの町で犬のドッグと暮らし、毎日無線に語りかけで誰かの応答を待っている。
マシュー・フォックスは代表作に『バンテージ・ポイント』、『スピード・レーサー』などがあります。
ハーモニーでは三人しかいないが、ジャックは9年前の出来事で一切口を利かない。
妻のエマを失い、自暴自棄になってルーの育児を放棄し、それ以来ジャックから拒まれる。
しかし、進化したゾンビに襲われて、それがきっかけで再びルーと会話ができるようになる。
最後は父親らしく、娘を助ける為にバケモノたちを引きつける囮となって道連れにする。

ルー(演:クィン・マッコルガン)
9年前、バスの護送中にゾンビの襲撃に遭い、母親のエマを失い、ジャックが育てる事に。
クィン・マッコルガンは代表作に『フライト・ゲーム』、『クーパー家の晩餐会』などがあります。
赤ん坊の時に母親のエマを失い、パトリックは育児放棄で代わりにジャックが育てている。
ただ、あまりにもジャックが過保護すぎて嫌気が差し、隣人のパトリックの犬と友達になる。
進化したゾンビに襲われた事で、それまでジャックが避けていたパトリックと会話をする。
最終的に無線から重要な情報を耳にして、ジャックと町で出会った女性と脱出した。

(演:クララ・ラゴ)
ハーモニーの町でジャックとパトリックが出会う別のグループで行動していた女性。
クララ・ラゴは代表作に『ザ・エンド』、『エンド・オブ・トンネル』などがあります。
別のグループで行動していたが、進化したゾンビに襲われてハーモニーの町にやって来た。
実は妊婦であるが、進化したゾンビと戦い、最終的にジャックたちと生存者がいる町へ行く。

エマ(演:ヴァレリア・ヴェロー)
パトリックの妻でルーの母親。アルコール依存症のパトリックに振り回されていた。
ヴァレリア・ヴェローは短編映画やテレビドラマシリーズで活躍し、本作が長編映画デビュー作となっています。
実はジャックとも仲が良かったが、それを知ったパトリックは呆れていた。
パトリックが目を離した隙にゾンビの餌食となって、そのせいで亡くなってしまう。

感想

個人的な評価

本作はゾンビ映画であるが、基本的に人間ドラマが中心となっています。
ゾンビ映画はパンデミックが発生するところから始まり、そこからサバイバルを描いていく。
これがゾンビ映画のセオリーだが、本作はそこから外れたゾンビ映画となっています。
まず、舞台がゾンビがいなくなった世界で、場所は雪が積もる寒いところという異色な設定。
生存者であるジャックとルーは一緒に暮らし、隣にはパトリックと犬が住んでいる。
ジャックとパトリックの間には確執があり、9年に渡って一切口を利いていないという。
すでに出来上がった世界であるが、なぜそのようになったのか徐々に解明されていく。
そこで分かる真実は、ジャックの娘だと思ったルーはパトリックの娘という事。
パトリックは不注意で妻のエマを死なせてしまい、それによって自暴自棄になってしまう。
結果として幼いルーの育児を放棄し、それを見かねた友人のジャックが代わりに育てる。
アルコール依存症のパトリックをルーに近寄せず、その形相はゾンビ以上に怖い。
ルーの前では良き父親を演じているが、一歩間違えれば、かなり危険なヤツに見える。
一方のパトリックは娘と引き離された事で、自分自身を見直してアルコール依存症から脱却。
今では酒をまだ飲むが、自分を見失うほどじゃなく、積極的に外へ出て狩りなどをする。
ジャックとパトリックは協力してルーを育てればいいと思うが、そうはいかない。
パトリックは過去の失敗を悔いており、娘をちゃんと育てたジャックに頭が上がらない。
一方のジャックは本当の父親じゃない劣等感で、必死すぎる形相で過保護になっている。
この二人が力を合わせれば強いが、最終的には元の鞘に戻ってしまうのです。
個人的にはジャックがパトリックに対する異様な敵意が納得できなかった。
多分、エマに対する想いがあったのだろうけど、それにしても悪意しか感じられない。
ジェフリー・ドノヴァンの演技が良かった事もあるが、あの表情はゾンビ以上に怖いです。
ゾンビについてですが、冒頭では王道のゾンビが登場するが、それ以降は出てきません。
その代わりとして、9年に渡って環境に適応し、進化した別の生き物になっている。
どう見てもゾンビではないので、本作をゾンビ映画として考えると弱い気がする。
それでもちゃんとしたドラマがあって、そこにゾンビ要素を入れているので悪くない作品。