エヴェレスト/神々の山嶺 RE-2469

作品紹介

公開年月  2016/03/12
ジャンル  アドベンチャー/ドラマ
原作  夢枕獏 『神々の山嶺』
監督  平山秀幸
脚本  加藤正人
製作  井上伸一郎、平野隆、ほか
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

山岳カメラマンの深町誠はエヴェレスト遠征隊が二人の犠牲者を出して中止になり、写真集の予定も白紙になって途方に暮れる。
失意の中で深町はカトマンドゥで伝説の登山家マロリーのカメラを見つけ、更にその持ち主が天才クライマーの羽生丈二だと知る。
そこで羽生について取材しているうちに、恋人だった岸涼子、その兄の文太郎について知る。
そして、深町は羽生が成し遂げようとするエヴェレストの単独登攀を突き止め、取材の為に帯同するのだった。

登場人物&出演者

深町誠(演:岡田准一)
主人公。クライマー兼カメラマン。エベレスト遠征で滑落する仲間をずっとカメラで写す。
岡田准一は近年の出演作に『関ヶ原』、『追憶』などがあります。
ネパールでジョージ・マロリーのカメラを見つけるも持ち主の羽生とシェルパに戻す。
その後、日本に帰って元ザイルパートナーだった井上から羽生の過去を聞かされる。
取材の為にエベレストの登攀を試みる羽生と帯同するという無謀な行動に出る。
しかし、気合いと根性で付いていくも、結局は足手まといとなってしまう。
なぜか行方不明になった羽生を見つけ出そうとエベレストを単独で登山する。

羽生丈二(演:阿部寛)
クライマー。岩壁登攀の天才だが単独行動や弟子を失った事により現在は失踪している。
阿部寛は近年の出演作に『空海/KUKA』、『海辺のリア』などがあります。
元青風山岳会。ネパールでは“毒蛇(ピサル・サルパ)”と名乗っている。
一匹狼な山屋で腕は一流だが、人間として最低と表されるが、単に正直な人間である。
細かい描写がまったくないので、本作では山に取り憑かれた狂人にしか見えない。
最後は本作を象徴するような凍ったギャグみたいな姿で深町に語りかける。

岸涼子(演:尾野真千子)
ヒロイン。文太郎の妹。羽生とは恋人関係だったが失踪した彼を待ち続けている。
尾野真千子は近年の出演作に『いつまた、君と何日君再来』、『ミュージアム』などがあります。
羽生が生きていると知ってネパールまで会いに行くが、山に取り憑かれた彼に遠慮する。
エベレストの登攀で行方不明となった羽生を追って深町とともに再びやって来る。

宮川(演:ピエール瀧)
アウトドア雑誌の副編集長。深町からネパールで羽生の取材を頼み込まれる。
ピエール瀧は近年の出演作に『海賊とよばれた男』、『怒り』などがあります。
羽生の写真を撮らなかった深町にガッカリするも見捨てない様子。

井上(演:甲本雅裕)
トップクラスの元クライマー。自己中心的な羽生と決別して引退し会社員をする。
甲本雅裕は近年の出演作に『3月のライオン』、『一週間フレンズ。』などがあります。
深町の取材で羽生の人となりを語るが、人間として最低だが天才的な腕を認めている。

岸文太郎(演:風間俊介)
青風山岳会の若手。羽生に憧れて入会し、見込まれてザイルパートナーとなる。
風間俊介は近年の出演作に『後妻業の女』、『少女椿』などがあります。
岩壁登攀中に手を滑らせ、宙吊りになって羽生が助けようとするもヒモを自分で切る。

長谷歩(演:佐々木蔵之介)
羽生と同じく天才クライマーとして知られる。有名スポンサーで付く羽生のライバル。
佐々木蔵之介は近年の出演作に『花戦さ』、『美しい星』などがあります。
説明があったのか分からないが、なぜか車椅子で登場して羽生について語る。

感想

個人的な評価

夢枕獏の小説『神々の山嶺』を実写映画化した作品。
原作は非常に人気が高く、第11回平静10年度柴田錬三郎賞を受賞している。
2000年から2003年にかけて、谷口ジローにより漫画化もされている。
当然のように実写化されるだけの題材であり、豪華キャストによって実現しています。
本作が公開される半年前には同じエベレストを題材にした『エベレスト3D』が公開される。
残念ながら原作は読んだ事どころか、本作を観るまでまったく知らなかったです。
その前に『エベレスト3D』を鑑賞したが、商業登山がメインだから感動は一切ない。
それで本作には多少の期待を寄せたが、前述の作品よりもヒドイ内容でした。
まさになんちゃって登山家という感じで、「エベレスト」と言いたかっただけに見える。
タイトルに「エヴェレスト」って微妙なニュアンスでつけているのに添え物程度です。
一応、本作における中心人物と言える羽生丈二はプロの登山家なのに、やっている事が山に取り憑かれただけの狂った男にしか見えない。
阿部寛が演じているからごまかしているが、普通に考えたら出来の悪いギャグキャラです。
『エベレスト3D』は大概でしたが、本作は素人が酸素ボンベなしで簡単に登山できる。
エベレストってそんな簡単に登れる山じゃないのは、登山しない人間にも分かります。
それなのに、本作はエベレストに敬意がまったく感じられない内容でした。
『エベレスト3D』は金をかけている分、マシに見えてしまうほど本作はショボイです。
何より本作は全体的に演出が上手くないし、ムダな描写やテンポの悪さはが目立つ邦画のダメなところを惜しみなく出してます。
どうやら実際にエベレストでロケを敢行しているが、その大変さをドキュメンタリーにした方がまだマシかもしれません。
それぐらい本作は完全にエベレストをバカしている残念すぎる作品でした。