作品紹介
公開年月 | 2014/12/05 |
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ジャンル | サスペンス/アクション |
原作 | なし |
監督 | ポール・シュナイダー |
脚本 | ポール・シュナイダー |
製作 | スコット・クレイトン、ゲイリー・A・ハ-シュ、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
CIAのベテラン捜査官エヴァン・レイクは、現役続行に意欲を見せていたが、上司から引退を勧告されてしまう。
そんな時、22年前にレイクを監禁と拷問をした憎きテロリスト、モハメド・バニールが生存している事を突き止める。
その矢先にレイクは末期的な認知症を診断され、記憶と健康の不安を抱えながらも、宿敵バニールへの復讐を果たすべく、レイクはケニアに向かうのだった。
登場人物&出演者
・エヴァン・レイク(演:ニコラス・ケイジ)
主人公。バニールに捕まって拷問を受けて以来、現場復帰できずに不完全燃焼となっている。
ニコラス・ケイジは近年の出演作に『スノーデン』、『コンテンダー』などがあります。
追い打ちをかけるように前頭側頭型認知症(FTD)という病気で余命3年となっていた。
上司に何度も現場復帰を懇願するも叶わず、病気の事も知られて引退に追い込まれる。
それでも憎きバニールに復讐しようとミルトンの力を借りて居場所を探り当てるのです。
職を失い、記憶も失われつつあって、命までも失おうとしている男が最後にやる復讐。
本作のニコラス・ケイジは演技力を発揮するが、どうにもスッキリしない物語であった。
・ミルトン・シュツル(演:アントン・イェルチェン)
レイクの協力者で友人。過去に任務で失敗してCIAに見放されるがレイクに助けられた。
アントン・イェルチェンは近年の出演作に『スター・トレック/BEYOND』、『グリーンルーム』などがあります。
レイクのおかげでCIAとして働ける事に恩を持ち、職を失う覚悟で協力している。
同時に身寄りのいないレイクを家族のように思い、彼の病気に対して心配もしている。
段々と症状が悪化していくレイクに治療を勧める一方で彼の意志に従う微妙な立場。
アントン・イェルチェンは脇役ながらも、しっかりとニコラス・ケイジをサポートした。
・モハメド・バニール(演:アレクサンダー・カリム)
悪役。過去にレイクを拷問した犯罪者。遺伝性の病気によって死にかけている。
アレクサンダー・カリムは代表作に『マスター・プラン』、『ゼロ・ダーク・サーティー』などがあります。
病気の治療として隔月2万ドルを支払うほど追い詰められた状況で臨床試験薬が必要。
支払いのトラブルで薬が届かず苦しんでいて、開発者のコーネル医師を自分の元に呼ぶ。
冒頭でレイクに拷問を加えるシーンではチンピラ風の悪党も、22年後は杖なしでは歩けないほどの情けない姿にになっていました。
そのせいで悪役としての説得力に欠け、今一つ物語が盛り上がらなかった。
・ミシェル・ズバレイン(演:イレーヌ・ジャコブ)
元ジャーナリストでプラハを中心に活動していたエージェント。レイクとは親しい間柄。
イレーヌ・ジャコブはフランス出身で、代表作に『ふたりのベロニカ』があります。
身寄りのないレイクにとって心を許した過去の女性。今でも互いに気持ちは変わらない。
感想
個人的な評価
監督は脚本家として活躍するポール・シュナイダー。
当初はニコラス・ウィンディング・レフンが監督、ポール・シュナイダーが脚本、主演にハリソン・フォードという予定でした。
ニコラス・ウィンディング・レフンは別の作品で監督をする為に降板し、製作総指揮として作品に参加。
ポール・シュナイダーは脚本の他に監督を兼任し、ハリソン・フォードは降板しています。
主演となったのはニコラス・ケイジだが、近年の作品は残念なモノばかりです。
ニコラス・ケイジはアカデミー主演男優賞で受賞とノミネートした実力派だったが、近年では作品に恵まれず評価が今一つ。
そんな本作では現役バリバリのCIA捜査官ではなく、引退に追い込まれた老いぼれを演じる事になります。
しかも、悪性のアルツハイマーであり、記憶と命が残り少ないという後のないキャラクター。
ここでニコラス・ケイジの演技力が発揮されるが、如何せん、物語自体が微妙なのです。
復讐劇であるが、当の主人公はボケる寸前で体が言う事を利かなくなるような状態。
それでも病気を乗り越えて宿敵を倒す構図はいいけど、その敵も病気で死にかけている。
こうなれば、二人は当然のように対峙するが、片方は脳の病気、もう片方は血液の病気でどっちも満足に立つ事すらできない。
本来なら二人が対峙すれば殺し合いが起きている不思議じゃないが、どちらも病気なので座って話すだけ。
一度目の対面では主人公が何もせずに帰るが、友人が撃たれてようやく宿敵を殺すのです。
こんなスッキリしない復讐劇はないというほど、宿敵を殺しても何も伝わってこない。
やはり、近年のニコラス・ケイジは実力があっても作品に恵まれていないという作品の一例を見ているかのようでした。
主人公をサポートした友人の若いCIA捜査官を演じたアントン・イェルチェンは悪くない。
ただ、ボケる寸前の主人公にそこまで協力する理由があまりにも弱く説得力に欠けた。
本作はハリソン・フォードが演じても微妙な作品になったに違いないだろう。