ロンドンゾンビ紀行 RE-2565

作品紹介

公開年月  2012/08/23
ジャンル  ホラー/コメディ
原作  なし
監督  マティアス・ハーネー
脚本  ジェームズ・モラン
製作  ジェームズ・ハリス、マーク・レーン、ほか
製作国  イギリス
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ロンドンに暮らすお気楽な兄弟テリーとアンディは、大好きな祖父が入居する老人ホームが閉鎖されるというニュースを聞いて慌ててしまう。
祖父とその友人を救いたい一心で、仲間とともに銀行強盗を企むが、いつの間にか街はゾンビに溢れかえっていた。
兄弟は祖父の安否を気遣うが、その頃老人ホームではおじいちゃん、おばあちゃんが迫り来るゾンビたちを相手に奮闘するのだった。

登場人物&出演者

テリー(演:ラムルス・ハーディカー)
弟のテリーとともに老人ホームへの弁当宅配をする。銀行強盗の計画を立てた張本人。
ラムルス・ハーディカーは代表作に『ロード・オブ・クエスト/ドラゴンとユニコーンの剣』、『ファンタスティック・ピーターパン』などがあります。
両親は犯罪者で警察との撃ち合いの末に亡くなり、アンディとともに祖父に育てられる。
祖父の老人ホームが取り壊されるという事で銀行強盗をして止めようとする。
頼りない部分があってミッキーに計画を乗っ取られるが、アンディたちとともに挽回する。
最後は祖父を助けるべく老人ホームに乗り込み、武装して見事に助け出して街を脱出した。

アンディ(演:ハリー・トレッダウェイ)
テリーの弟。テリーと老人ホームへの弁当宅配をする。銀行強盗用の車を購入した。
ハリー・トレッダウェイは代表作に『コントロール』、『フィッシュ・タンク』があります。
いつも兄のテリーを頼っていて、これまでトラブルを起こしても助けてもらっていた。
兄の銀行強盗の計画に賛同し、メンバー集めに銃を仕入れられるミッキーを引き入れた。
その結果、ミッキーが危うく計画を乗っ取るが、彼がゾンビ化したおかげで取り戻す。
最後はミッキーの倉庫から武器を拝借し、祖父を助け出して街を脱出した。

ケイティ(演:ミシェル・ライアン)
アンディとテリーのいとこ。銀行強盗は三人でやるはずがデイヴィの参加に不満を漏らす。
ミシェル・ライアンは代表作に『フローズン・タイム』、『アンドロン』などがあります。
錠前破りの腕前を買われて今回の銀行強盗に参加するが他のメンバーに不満を漏らす。
穏便に銀行強盗を済まそうとしたが、ミッキーのおかげで状況が悪化して更に文句を言う。
錠前破りの腕前だけじゃなく、車のエンジン直結、射撃の上手さなど万能ないとこ。
最後は武装して次々とやって来るゾンビをなぎ倒すハンターと覚醒した。

レイ(演:アラン・フォード)
アンディとテリーの祖父。15歳で軍に入隊してナチと戦っている。何かと短気な性格。
アラン・フォードは代表作に『スナッチ』、『エクスペンダブルズ・ミッション』がある。
いつも文句ばかりを垂れているが、いざという時は一番頼れる人物だとすぐに分かる。
老人ホームがゾンビに囲まれると知って封鎖し、生き残った仲間たちと籠城する。
しかし、ドアが破られるところで打って出て戦うべきだと最後まで諦めない。
最後は助けに来た孫たちによって武装し、思う存分ゾンビたちをなぎ倒して街を脱出した。

エマ(演:ジョージア・キング)
銀行の窓口でクライヴと揉めていた客。テリーたちの銀行強盗で人質となってしまう。
ジョージア・キングは代表作に『ワン・デイ/23年のラブストーリー』、『マッド・ドライヴ』などがあります。
街がゾンビで崩壊している時、テリーたちの銀行強盗よりも妹を心配していた。
妹が心配でテリーたちとともに家へ向かったが、すでに彼女はゾンビと化して悲しむ。
その後はテリーたちと行動し、彼らの祖父がいる老人ホームまで付いて行く。
老人ホームから脱出する為に二階建てバスでゾンビたちの気を引く役目を担った。

ペギー(演:オナー・ブラックマン)
レイと同じ老人ホームに住んでいる。何かと文句を言うレイに付き添っている。
オナー・ブラックマンは代表作に『007/ゴールドフィンガー』、『ブリジット・ジョーンズの日記』などがあります。
老人ホームがゾンビに囲まれた時、落ち込んだレイをずっと励ましていた。
テリーたちが武器を持ち込むと、それを手慣れた感じで扱ってゾンビを倒していく。
最後はボートの運転をして、無事に帰ってきたレイに熱いキスをした。

デイヴィ(演:ジャック・ドーラン)
テリーの計画した銀行強盗に参加。盗みのプロだがマヌケで不注意で捕まっている。
ジャック・ドーランは代表作に『Cemetery juction』、『It’s a Lot』などがあります。
今回の銀行強盗で予め情報を収集していて、万全な変装まで用意していた。
ゾンビによって街が崩壊し、アジトに逃げて一安心したところで人質のエマを口説く。
アジトにゾンビが雪崩れ込んだ時に人質の持ったショットガンが暴発して運悪く命中し絶命。

ミッキー(演:アシュレイ・トーマス)
テリーの計画した銀行強盗に参加。イラク戦争で頭を負傷して骨に金属板を埋め込んでいる。
アシュレイ・トーマスは代表作に『消されたスキャンダル』などがあります。
最初からイカレていて、銀行強盗に参加するもケイティから不安要素として指摘される。
元軍人という事で銃の入手をしており、倉庫には信じられないほどの銃器がある。
結局噛まれてしまい、ゾンビ化するも金属板で頭を撃ち抜かれず手榴弾で吹き飛ばされる。

クライヴ(演:トニー・ガードナー)
フェニックス銀行の銀行員。窓口でエマと揉めていた。テリーたちの人質となってしまう。
トニー・ガードナーは代表作に『Restoration』、『Mad Sad & Bad』などがあります。
顔と名前を覚えるのが得意で、デイヴィとミッキーを覚えたとして脅迫する。
ゾンビ化したミッキーが手榴弾で吹き飛ばされ、その時にショットガンを拾った。
全員を脅して警察に行こうとしたが、後ろからゾンビに襲われ食い殺される。

感想

個人的な評価

イギリス製のゾンビ映画と言えば、偉大なる『ショーン・オブ・ザ・デッド』があります。
現代でシリアスなゾンビ映画に『ドーン・オブ・ザ・デッド』、コミカルなゾンビ映画に『ショーン・オブ・ザ・デッド』と言われるほどの人気作。
それに続けるという感じで、本作は同じくイギリス製のゾンビ映画でコミカルな内容の作品となっています。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』ではイギリス特有のパブが中心となるが、本作は日本にもある老人ホームが一つの舞台となる。
そうなれば、必然的に若者だけじゃなく、老人たちがゾンビ相手に奮闘していくのです。
本作は『ショーン・オブ・ザ・デッド』よりもイギリスらしさを全面的に出している。
例えば、イギリスと言えば、フーリガンも登場しているが、彼らはゾンビになっても違うチーム同士で争っている。
更にイギリス名物である二階建てバスも登場し、それを移動に使うのもイギリスらしい。
もちろん、パブも出ると思えば、さすがにセリフだけで実際には出てこなかった。
本作は二つのパートに分かれ、一つはテリーたち銀行強盗と、彼の祖父レイの老人ホーム。
それぞれが濃いキャラクターで支えられているが、どっちかと言えば、老人ホームのパートがかなり面白いと言えるだろう。
その中でレイは素晴らしいキャラクターで、おじいちゃんなのにかなり強いのです。
若者は当然のように強いと思ったら、テリーとアンディは銃の扱いに慣れていないという。
タダ、その代わりにいとこであるケイティが相当タフで、途中から覚醒してゾンビをバンバンと倒していくのです。
銀行強盗のパートではケイティ、老人ホームのパートではレイが物語を引っ張っている。
全体的にコミカルなゾンビ映画という事で、緊張感よりも軽さがいい意味で物語を面白くしているのは間違えない。
何より老人たちが籠城して相談している場面では、緊張感があるはずなのに、しゃべっているだけでコミカルで楽しいです。
ただ、もう少し他のキャラクターを掘り下げて欲しかったし、もっと老人ホームのパートで物語を広げた方がもっと面白くできたはず。
何よりレイというコミカルな老人たちの中にいて、真剣に向き合っているギャップが際立っていただけに少しもったいなかった。
『ショーン・オブ・ザ・デッド』と比べてパワー負けしているが、ゾンビ映画としては楽しめる作品だと言えます。