恋する惑星 RE-2351

作品紹介

公開年月  1994/07/14
ジャンル  ラブロマンス/ドラマ
原作  なし
監督  ウォン・カーウァイ
脚本  ウォン・カーウァイ
製作  ジェフ・ラウ
製作国  香港
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

失恋したばかりの刑事223号は雑踏の中で金髪とサングラスをした女性とすれ違う。
その女性は逃亡中の麻薬ディーラーで、重慶マンションの一室で麻薬の密輸を準備していた。
一方でとある飲食店の常連である刑事663号に手紙を渡す新入りのフェイ。
実はその前にフェイは手紙をこっそりと読み、中に入っていたカギを使って部屋に入って内緒で模様替えをしていた。
刑事663号はフェイと鉢合わせし、彼女をデートに誘うも来ない代わりに、店の主人から1年後の航空券が手渡されるのだった。

登場人物&出演者

刑事223号(演:金城武)
前半の主人公。恋人にフラれるが、どうしても認められず、彼女との思い出に浸っていた。
金城武は近年の出演作に『太平輪』シリーズ、『レッドクリフ』シリーズがあります。
彼女の好きなパイン缶を30缶を一晩で食らい尽くして、ようやく納得する。
それでも現実逃避をしたくて片っ端から知り合いに電話をして飲みに行こうと誘う。
だが、断れて一人で飲んでいるところに謎の金髪女がやって来て恋に落ちる。
本作では若かりし頃の金城武が観られるだけじゃなく、彼の語学力も堪能できます。

謎の金髪女(演:ブリジット・リン)
前半のヒロイン。ドラッグ・ディーラー。人を使ってドラッグを運ぶも逃げられて失敗する。
ブリジット・リンは代表作に『ポリスストーリー/香港国際警察』、『レッドダスト』などがあります。
組織から追われるようになって、逃げだそうとしていた時にモウとバーで出会う。
疲れ切ってホテルのベッドでサングラスをしたまま寝るという離れ業をやってくれます。

警官663号(演:トニー・レオン)
後半の主人公。スチュワーデスの彼女にフラれる。立ち直ろうとモノにやたら話しかける。
トニー・レオンは近年の出演作に『サイレント・ウォー』、『大魔術師“X”のダブル・トリック』などがあります。
毎日のように飲食店でサラダを買い、次にフライを買い、店の主人に言われるままに買う。
そこで新入りの店員であるフェイと顔見知りとなり、恋人から別れの手紙を預けていた。
とにかく、家では何かに話しかけないとやっていけないような印象が強かった。
そのセリフもなかなか気が利いていて、こんな言葉をスラスラ出せる人間になりたいと思わせるような内容。

フェイ(演:フェイ・ウォン)
後半のヒロイン。いとこに頼まれて飲食店で働く。お金を貯めて旅行するのが夢である。
フェイ・ウォンは歌手として多くのヒット曲を持ち、女優として本作が二作目となります。
毎晩のようにやって来る警官663号に淡い恋を抱くも、素直に気持ちを出せない。
警官の元恋人が部屋のカギと手紙を店に置き、それを手にして無断で部屋に入る。
明らかにストーカー的な行為だが、フェイのキャラクターはそう感じさせない。

感想

個人的な評価

本作はウォン・カーウァイが監督と脚本を務める作品。
それまで無名だったが、クエンティン・タランティーノが本作を絶賛した事で世界的に知られるようになる。
とにかく、本作では気の利いたセリフが随所に散りばめられています。
無関係の人が聞けば鳥肌が立つかも知れないが、二人の世界では輝くような言葉になる。
本作では男女の恋による違いを描いていて、その対比も面白いと言える。
前半と後半に別れるが、共通して男は前の恋をずっと引きずっている。
なんとか前進しようと酒を飲んだり、モノに話しかけたりと実に分かりやすい。
一方の女性は振った側だから気楽かもしれないが、すぐに次の恋に移る事ができる。
恋をした時には相手を自分の方に向かせる女性のしたたかさも描写している。
前半では警官223号を演じる金城武の若々しさ、語学力の凄さを改めて認識する。
ただ、あまりにも情けなく恋を引きずっているところはなんだか残念な感じ。
後半でのトニー・レオンはやっぱりイケメンだが、ブリーフ一丁でモノに語りかける姿はさすがにちょっと残念である。
しかし、この二人は恋を引きずっているが、彼らの口から出るセリフがかなりいい。
クサイセリフであるが、二人が当たり前のように言っているがまたいいです。
個人的には前半よりも後半が好きで、特に漂っている雰囲気が良い。
後半では特にフェイ・ウォンのキャラクターが愛らしいのが大きいだろう。
普通に考えて単なるストーカーであるが、キャラクターによって気にならなくなっている。
普通に鑑賞するとストーリーは微妙に感じるも、味わって鑑賞するとウォン・カーウァイ監督の世界が理解でるだろう。