キング・アーサー/2017年版 VD-120

作品紹介

公開年月  2017/05/12
ジャンル  歴史劇/アクション
原作  『アーサー王伝説』(モチーフ)
監督  ガイ・リッチー
脚本  ジョビー・ハロルド、ガイ・リッチー、ほか
製作  アキヴァ・ゴールズマン、トーリー・タネル、ほか
製作国  イギリス、アメリカ、オーストラリア
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

幼い時に両親を殺された少年アーサーは、自分が王家の血を受け継ぐ者とも知らず、過酷なスラム街での生活で逞しく生き抜いてきた。
優しくタフな男へ成長したアーサーは、聖剣“エクスカリバー”を引き抜いた事をきっかけに自らの出自を知る。
そして、亡き父ユーサー王の敵を討ち、王の座を奪還するべく、叔父である暴君ヴォーティガンに立ち向かう決意を固めるアーサーだった。

登場人物&出演者

アーサー/キング・アーサー(演:チャーリー・ハナム)
主人公。幼い頃に父王の弟ヴォーティガンの反乱に遭い、娼婦に拾われて売春宿で育った。
チャーリー・ハナムは代表作に『トゥモロー・ワールド』、『パシフィック・リム』がある。
売春宿では暴れる男たちに制裁を加え、王に守られたヴァイキングに手を出して追われる。
なんとか逃げ出すも聖剣を抜く場所へ連れて行かれ、そこで自らの素性を知る事となる。
父の敵であるヴォーティガンとの対決に勝利し、かくしてイングランドの王となった。

メイジ(演:アストリッド・ベルジュ=フリスベ)
魔術師マーリンによって派遣された。聖剣を抜いたアーサーを導くべくキャメロットの地へ。
アストリッド・ベルジュ=フリスベは代表作に『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』、『バルセロナ、天使のセックス』などがあります。
過去にユーサー王の忠実な部下だったベディヴィアに協力を申し込み、アーサーを助ける。
当初はアーサーから小バカにされるが、動物を操る魔術によって一時だけ彼を黙らせる。
王となる覚悟を持てなかったアーサーを奮い立たせ、結果的に聖剣の力を解放させた。
最後は巨大な蛇を召喚してヴォーティガンのキャメロット城を襲撃させる活躍をみせた。

ベディヴィア(演:ジャイモン・フンスー)
ユーサー王の仕えていた臣下の一人。魔術師モルドレッドの反乱に王とともに戦った。
ジャイモン・フンスーは近年の出演作に『AIR/エアー』、『ターザン:REBORN』がある。
アーサーが聖剣を引き抜いた事で運命が動き出し、メイジの要請で協力をする。
遠く離れた洞窟でヴォーティガンに対する反乱軍のリーダーとしてアーサーを出迎える。
アーサーがヴォーティガンを倒すべく立ち上がると、全力で彼のサポートをする。
最後はアーサーたちと反乱軍とともに勝利をし、彼をイングランドの王にする事ができた。

グースファット・ビル(演:エイダン・ギレン)
ユーサー王に仕えていた臣下の一人。ヴォーティガンがモルドレッドの教え子だと指摘した。
エイダン・ギレンは代表作に『シャンハイ・ナイト』、『メイズ・ランナー2:砂漠の迷宮』などがあります。
ヴォーティガンが王になってからは追われる身で、捕まる度に難なく脱獄をしている。
ベディヴィアの反乱軍のメンバーとなり、個人的な恨みのあったマーシアを矢で射殺した。
最後はアーサーたちと反乱軍とともに勝利し、彼を王に叙任する大役を仰せつかった。

ルビオ(演:フレディ・フォックス)
ベディヴィアが組織した反乱軍のメンバー。アーサーが処刑される寸前で救助した一人。
フレディ・フォックスは代表作に『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』、『ヴィクター・フランケンシュタイン』などがあります。
アーサーをアジトへ連れて行く際には馬を引っ張っていたが、彼に小バカにされていた。
ヴォーティガンの暗殺計画が失敗し、逃げ出すも追っ手を足止めしようと残った。
結局はヴォーティガンに捕まって拷問を受けると、ついにアジトの場所を話してしまう。

ウェット・スティック/トリスタン(演:キングズリー・ベン=アディル)
売春宿でアーサーとともに育った友人。ヴァイキングと揉めた事でアーサーを逃がした。
キングズリー・ベン=アディルは代表作に『City Stacker』、『ワールド・ウォーZ』がある。
ベディヴィアの反乱軍に加わって、アーサーとバック・ラックとともに作戦を先導した。
最後はアーサーたちと反乱軍とともに勝利し、円卓の騎士の一人としてサーの称号をもらう。

バック・ラック(演:ニール・マスケル)
売春宿でアーサーとともに育った友人。アーサーたちと一緒に売春宿を暴力から守った。
ニール・マスケルは代表作に『ゾンビハーレム』、『キル・リスト』などがあります。
アーサーの作戦に重要な人物となって、塔を形成する石を運ぶ船を沈める役を担った。
ヴォーティガンの暗殺計画が失敗し、逃げ出すも兵士に刺されて一人だけ残った。
なんとか隠れ家にたどり着いて合流するが、ヴォーティガンに見つかって殺される。

ユーサー・ペンドラゴン(演:エリック・バナ)
イングランド王。アーサーの父親。魔術師モルドレッドの反乱を食い止めるべく奮闘する。
エリック・バナは近年の出演作に『ローズの秘密の頁』、『現地(にいない)特派員』などがあります。
自ら聖剣エクスカリバーを手にモルドレッドが討ちに行って見事に成功させて国を救う。
しかし、権力欲を持っていたヴォーティガンの反乱に遭い、息子を逃がして倒れてしまう。

マーシア(演:ピーター・フェルディナンド)
ユーサー王の時代からヴォーティガンの忠実な臣下として長きに渡って仕えてきた。
ピーター・フェルディナンドは代表作に『ゴースト・イン・ザ・シェル』、『ハイ・ライズ』などがあります。
ヴォーティガンが力をつけていく様を見ているが、それは完全なる恐怖という形で従う。
アーサーがヴォーティガンの暗殺計画に失敗し、私怨のあったビルによって矢で殺された。

ヴォーティガン(演:ジュード・ロウ)
ユーサー王の弟。実権を握るべく兄に反乱を企てて殺害し、権力を手にして暴政を敷く。
ジュード・ロウは近年の出演作に『ベストセラー/編集者パーキンズに捧ぐ』、『SPY/スパイ』などがあります。
過去に権力を手に入れる為、セイレーンに愛する妻エルザを生贄にして悪魔の力を手にする。
しかし、その支配が万全じゃないと知り、危険分子であるアーサーを探し出し処刑を企む。
なんとかアーサーを追いつめようとするが、逆に彼の存在を国民に示す事となった。
最後はアーサーとの対決に敗れてしまい、彼を作った皮肉の礼を言われて無言で死した。

感想

個人的な評価

本作は世界で有名な『アーサー王伝説』をモチーフにした作品となっています。
これまで“アーサー王”を題材にした作品は多く、実写映画だけに限らずテレビドラマや舞台にもなっています。
それだけに限らず、日本ではファンタジー作品にも登場していて、ゲームにもその名を聞く事ができるほど有名な人物である。
実写映画では古くは1949年公開の『アーサー王宮廷のヤンキーのコネチカット・ヤンキー』から、『トランスフォーマー/最後の騎士王』でも使われています。
このように“アーサー王”は様々な分野で使われている題材ですが、本作では本格的なアクション映画として製作されています。
どうやら本作は6部作としてシリーズ化を前提に製作され、本作はその第一歩となります。
本作のタイトルをみると、どうしても2004年に公開されたアントワーン・フークア監督の『キング・アーサー』を思い出してしまう。
こちらは本作と比べて低予算でありながらも、豪華なキャストと分かりやすいストーリーが持ち味の作品でした。
一方で本作は6部作の1作目という事で、これまであった“アーサー王伝説”についての伏線をバラ撒いた内容となっています。
まずはアーサー王の出生を描き、そこから彼が王に上り詰めるまでの王道的なストーリーを展開させています。
これでシリーズの顔を見せて、主人公であるキング・アーサーの存在を示すような構成にしているようです。
ハッキリ言って、6部作を意識したせいで本作は非常に分かりにくく、ラストで感じるはずのスッキリ感がまったくありません。
なんだかモヤモヤした終わり方であり、これで6部作と考えると先はあまり明るくないように感じました。
なぜなら、第一に主人公であるアーサーに魅力はなく、王としての資質を見せる前に物語が勝手に進んでしまっている。
そこに多くの登場人物を出したせいで余計にアーサーの存在感が薄くなり、最後のすっきり感を得られなかったと思います。
ヴォーティガンを演じたジュード・ロウが珍しく悪役に徹していたが、こちらもちょっとばかりキャラクターにパワーがなかったように思えます。
本作を総括してみると、全体的にキャラクターが弱く、ストーリーを進める為に彼らがいるだけのような印象を持ちました。
これが主人公にも当てはまるので、シリーズを引っ張る求心力というのは感じられない。
長いシリーズで言えば、『パイレーツ・オブ・カリビアン』がありますが、こちらは主人公のジャック・スパロウは強烈な存在感を示している。
そんな強烈なキャラクターと本作の主人公を比べた時、自ずと答えが出てしまうのです。
1作目完結として本作をみるならば悪くないですが、これから6部作としてスタートさせるなら雲行きが怪しいと思います。
あれだけの製作費を投じているならば、3作目まではなんとかなるだろうが、6作目までは無事にたどり着けると思えないです。
もう少し主人公のキャラクターにパワーを与えるべきだし、登場人物をもっと絞った視点にするべきだと感じた作品でした。