シェフ/三ツ星トラック始めました RE-2621

作品紹介

公開年月  2014/05/09
ジャンル  ドラマ/コメディ
原作  なし
監督  ジョン・ファヴロー
脚本  ジョン・ファヴロー
製作  ジョン・ファヴロー、セルゲイ・ベスパロフ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ロサンゼルスの一流レストランの総料理長を務めるカール・キャスパーは、人気料理評論家の来店に革新的なメニューで挑むも惨敗して怒りを爆発させる。
その一部始終がSNSで拡散してしまい、店をクビになったばかりか、働き口すら失ってしまったカール。
そこでカールは故郷のマイアミに戻り、前妻や息子、旧友らの助力でキューバ料理の移動販売を始める事に。
改装したオンボロのフードトラックに乗り、カールはパーシー、マーティンらと三人で移動販売しながらロサンゼルスを目指して大陸横断するのだった。

登場人物&出演者

カール・キャスパー(演:ジョン・ファヴロー)
主人公。ガロワーズの一流レストラン総料理長。頭の中は料理しかなく頑固な職人気質。
ジョン・ファヴローは近年の出演作に『スパイダーマン:ホームカミング』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などがあります。
新メニューの挑戦をオーナーのリーバに止められ、いつものメニューが酷評されて憤怒した。
ツイッターの返信をきっかけに一躍時の人になるが、シェフとして誰からも声がかからない。
イネズの薦めでフードトラックを始めると評判になり、息子や元妻との絆を取り戻してく。
最後はカリフォルニアに戻るとミシェルからパートナーを申し込まれ、店をオープンした。

イネズ(演:ソフィア・ベルガラ)
カールの元妻。カールとは離婚して現在は友人。テレビ関係の仕事で豪邸に住んでいる。
ソフィア・ベルガラは代表作に『マチェーテ・キルズ』、『ワイルドカード』があります。
息子のカールを育てているが、カールとは仲が悪くないので定期的に遊びへ行かせる。
カールがガロワーズを辞めて心配し、以前から彼に薦めていたフードトラックを提案した。
誰よりもカールの事を理解して心配していたが、自分のやりたい事を見つけた彼を応援する。
最後はカリフォルニアに戻ってきたカールを手伝い、そのおかげで再婚する事になった。

パーシー(演:エムジェイ・アンソニー)
カールとイネズの息子。経済力のあるイネズと暮らすが、カールとの時間が一番楽しい。
エムジェイ・アンソニーは代表作に『恋するベーカリー』、『ダイバージェントNEO』などがあります。
忙しい日々を送っているカールの無頓着さに振り回されるが、それでも父親を大切に思う。
カールが仕事をクビになってしまい、約束していた旅行をキャンセルされて傷心する。
再起を図ってフードトラックの仕事をするカールに付き添い、楽しい旅の想い出を作った。
最後は店をオープンさせたカールとイネズが再婚し、それを心の底から喜んでいた。

マーティン(演:ジョン・レグイザモ)
カールの助手で友人。ガロワーズではカールをボスと呼ぶ。カールにとって最も信頼される。
ジョン・レグイザモは近年の出演作に『エージェント・ウルトラ』、『アイヒマンの後継者/ミルグラム博士の恐るべき告発』などがあります。
評論家のミシェルに酷評されたカールにツイッターで大変な事になっていると口にした。
カールが店を辞めてから二番手のシェフに昇進するも、彼のフードトラックに興味を持った。
連絡を受けてその足でカールの元に駆けつけ、フードトラックでも助手として活躍する。
最後はカリフォルニアに戻ってからカールが店を開き、二番手として手伝う事になる。

モリー(演:スカーレット・ヨハンソン)
カールの元恋人で友人。ガロワーズで受付を担当。バーでもバーテンダーとしても働く。
スカーレット・ヨハンソンは近年の出演作に『ゴースト・イン・ザ・シェル』、『SING/シング』などがあります。
カールとは友人であるがまだ思いが残っていて、彼が苦しんでいる事に心を痛めていた。
仕事を見つけようと必死だったカールに休暇を薦め、彼が忘れていた初心を取り戻させた。

トニー(演:ボビー・カナヴェイル)
カールの助手。ガロワーズではカールに次ぐシェフ。料理の半分ぐらい作っている。
ボビー・カナヴェイルは近年の出演作に『パパ vs 新しいパパ』、『アントマン』がある。
カールがリーバと言い争って店を辞めた時、その代わりの総料理長として取り仕切った。
その後、ガロワーズでは正式に総料理長に就任して、リーバの思う通りに店を安定させる。

リーバ(演:ダスティン・ホフマン)
レストランのオーナー。料理人としての経験を持ち、カールの新メニューより定番を選択。
ダスティン・ホフマンは近年の出演作に『疑惑のチャンピオン』、『ボーイ・ソプラノ/ただひとつの声』などがあります。
あくまで客優先にしていて、カールの持っていた才能を蔑ろにして従わせる言動をする。
ミシェルの酷評でカールとの立場の違いを明確にした事で、総料理長をトニーに指名した。

マーヴィン(演:ロバート・ダウニー・Jr)
イネズの最初の夫。建築機材レンタルの会社を経営。会社内は靴カバーが必須である。
ロバート・ダウニー・Jrは近年の出演作に『スパイダーマン:ホームカミング』、『ジャッジ/裁かれる判事』などがあります。
フードトラックを始めるべく、イネズから紹介を受けたカールにトラックをあげた。
受付嬢と関係を持っていて妊娠していたが、すでにパイプカットしているのでウソだと判明。

ラムジー・ミッシェル(演:オリヴァー・プラット)
料理評論家。ブログは1千万ドルで売れるほどの人気者。ガロワーズの料理を酷評した。
オリヴァー・プラットは近年の出演作に『ジンジャーの朝/さよなら、わたしが愛した世界』、『ライジング・ドラゴン』などがあります。
実際は料理の酷評もあったが、その本質は才能を潰しているカールへの個人的な意見だった。
ツイッターでカールの挑発に乗って、店を訪れるも前回と同じ料理に苦笑いを浮かべた。
最後は戻ってきたカールにパートナーを申し込み、彼の才能を発揮させる店をオープンした。

感想

個人的な評価

本作の主演を務めるジョン・ファヴローは俳優としてだけじゃなく、映画監督としても知られています。
映画監督としての代表作には『ザスーラ』、『カウボーイ & エイリアン』、『アイアンマン』三部作などがあります。
個人的にはベン・アフレックが主演した『デアデビル』での相棒役が記憶に残っています。
そんな本作ではまったくイメージにないシェフを演じているが、相当練習したのだろうと思わせる冒頭の料理シーンが印象的です。
一流の料理人という演出が非常に上手く機能していて、ジョン・ファヴローの職人気質な演技も説得力を持たせています。
やはり、料理人は客に媚びるのではなく、あくまで自分がおいしいと思った料理を提供するのが本質だと言わせる作品でした。
序盤ではそんな職人気質な料理人と、ビジネスとして捉えているオーナーとの考えの違いをきちんと引き出している。
雇う側と雇われる側では考え方にズレが生じた瞬間から、もうそこに出されるのは生きた料理ではない事が分かる。
そこから一流の料理人がファーストフードをやる流れについてだが、個人的にはかなりムリのある展開でした。
シェフを始めた場所で食べたキューバサンドに感動して、そこからフードトラックを始めるのはあまりにも安易すぎる流れでした。
あれだけプライドの高い主人公がファーストフードを簡単に受け入れ、それをフードトラックで売る過程があっさりしすぎている気がした。
序盤であれだけ自分の料理にプライドを持つ頑固者が、誰でも作れそうなファーストフードに手を出す流れはちょっとばかり納得しづらかったです。
本作は基本的に挫折という挫折はなく、なんだかトントン拍子に物事が展開するので、観ている側として簡単な商売に思える。
しかし、個人的にこのような商売の経験があるのだが、現実はあのようなトントン拍子にはいかず、もっと地味な作業があります。
それを省いて華やかな部分しかみせていないので、個人的にはファンタジーに思えました。
やはり、もう少し現実的な部分が必要であり、ギャンブルとも言えるフードトラックがイージーすぎる展開には納得できなかった。
不器用な父親と愛情を求める息子とのやり取りも、なんだか中途半端に感じてしまい、もっと深みを出しても良かったと思う。
軽い感じのコメディドラマとして悪くないが、全体的に表面的な捉え方で、経験者からすれば現実離れした展開には素直に楽しめなかったです。