作品紹介
公開年月 | 2018/10/24 |
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ジャンル | ヒューマンドラマ/伝記 |
原作 | なし |
監督 | ブライアン・シンガー |
脚本 | アンソニー・マクカーテン |
製作 | グレアム・キング、ジム・ビーチ、ほか |
製作国 | イギリス、アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
複雑な生い立ちや容姿へのコンプレックスを抱えた孤独な若者フレディ・マーキュリーは、ブライアン・メイ、ロジャー・テイラーたちと出会いバンド“クイーン”を結成する。
個性的なメンバーが集まった“クイーン”で音楽的な才能が開花し、常識に囚われない革新的な名曲を次々と生み出していく。
ついに型破りな楽曲『ボヘミアン・ラプソディ』が完成し、6分という異例な長さにラジオでかけられないレコード会社の猛反発を受けるフレディたちであった。
登場人物&出演者
・フレディ・マーキュリー(演:ラミ・マレック)
主人公。「クイーン」のボーカル。ゾロアスター教徒でペルシャ系の移民としてロンドンへ。
ラミ・マレックは代表作に『ナイトミュージアム』シリーズ、『オールド・ボーイ/2013年版』などがあります。
「クイーン」を結成して類い希なる才能で引っ張っていき、瞬く間にスターへとのし上がる。
バンド仲間に家族が出来て疎外感を覚え、そこにつけ込んだポールの言葉に惑わされる。
メアリーの言葉で目を覚まし、同時にエイズで命が短いと知り、許しを請いバンドが復活。
最後はライヴエイドで「クイーン」として復活し、圧倒的なパフォーマンスを成功させた。
・メアリー・オースティン(演:ルーシー・ボイントン)
ヒロイン。BIBAというブティックの店員で、フレディがひと目惚れして声をかけて出会う。
ルーシー・ボイントンは代表作に『シング・ストリート/未来へのうた』、『アポストル/復讐の掟』などがあります。
「クイーン」を結成したフレディが店を訪れると、二人の仲は急速に近づいて恋人関係に。
類い希なる才能と仲間に支えられてフレディは世界的に知られ、同時に婚約を承諾する。
ライブツアーで忙しいフレディとの電話で彼の性質を理解し、婚約を解消して別れを告げる。
最後は迷走するフレディを目覚めさせ、ライヴエイドで夫とジムとステージ横で見守った。
・ブライアン・メイ(演:グウィリム・リー)
「クイーン」のギタリスト。大学院で宇宙工学を専攻。「スマイル」のギタリストでもある。
グウィリム・リーは代表作に『ツーリスト』、『ヘンリー四世』などがあります。
ボーカルがバンドを脱退していたところで、ファンだったフレディが現れて出会う事になる。
フレディが持つ音楽的センスと歌声に惚れ込み、彼の楽曲を認めながら修正を行っていた。
フレディがソロ活動をして仲違いするが、バンドを復活する為の条件を彼に伝えて許した。
最後はライヴエイド直前にフレディの病気を知り、悲しみながらも全力で演奏を成功させた。
・ロジャー・テイラー(演:ベン・ハーディ)
「クイーン」のドラマー。大学では歯科医師を目指していた。「スマイル」のドラマー。
ベン・ハーディは代表作に『X-MEN:アポカリプス』、『オンリー・ザ・ブレイブ』がある。
「スマイル」のボーカルが抜けると、候補を名乗りあげたフレディの歌声に圧倒された。
バンドの中では比較的短気で、フレディのワガママに対して衝突する役目を担った。
フレディの暴走で疎遠となったが、目を覚ました彼をぶっきらぼうながら許して再開する。
最後はフレディの病気の告白を聞いて落ち込むが、全力で演奏をして復活を見せつけた。
・ジョン・ディーコン(演:ジョゼフ・マゼロ)
「クイーン」のベーシスト。「クイーン」のオーディションでベースとして採用された。
ジョゼフ・マゼロは代表作に『ジュラシック・パーク』、『ソーシャル・ネットワーク』などがあります。
ベースの腕前もさる事ながら、何よりバンドを安定させる人柄を買われてバランスを保つ。
フレディとロジャーが衝突すると、彼らを止める役目を担い、バンドを存続させた重要人物。
三人の中で最もフレディを慕っていて、彼が暴走して離れた時は誰よりもガッカリした。
最後はフレディの告白を聞いて涙をするも、彼とバンドの為に全力で演奏して成功させた。
・ジョン・リード(演:エイダン・ギレン)
EMIのA&Rで新人をスカウトする。アルバムを自主制作していた「クイーン」を見つける。
エイダン・ギレンは近年の出演作に『メイズ・ランナー:最期の迷宮』、『キング・アーサー/2016年版』などがあります。
あくまで「クイーン」側に立って彼らの要望を通して、より良い環境を与える事に務めた。
新たなアルバムである「オペラ座の夜」に不満を持つレイ・フォスターと真逆の意見を持つ。
EMIを出た「クイーン」の管理をする重要なポストを務め、彼らの成功を支えてきた人物。
最後は孤独になるフレディにつけ込んだポール・プレンターの策略でクビにされてしまう。
・ジム・ビーチ(演:トム・ホランダー)
EMIの顧問弁護士。名前が堅すぎる理由でフレディに「マイアミ・ビーチ」に改名される。
トム・ホランダーは近年の出演作に『バード・ボックス』、『ブレス/しあわせの呼吸』などがあります。
レイ・フォスターと意見が対立してEMIを去ると、顧問弁護士として「クイーン」を支える。
ポール・プレンターの策略でジョン・リードがクビになり、代わりにマネージャーを兼任。
その後は「クイーン」の製作会社を管理する重役となり、メンバーの仲直りを仲介した。
最後はライヴエイドの参加を強引にねじ込んで、本番では無断で音響を最大まで上げていた。
・ポール・プレンター(演:アレン・リーチ)
EMIで「クイーン」の担当マネージャーに抜擢される。あくまで「クイーン」主導で従った。
アレン・リーチは代表作に『グランドピアノ/狙われた黒鍵』、『ザ・ボディガード』がある。
フレディが「ボヘミアン・ラプソディ」を完成させると、それに感動して思わずキスをした。
そこからフレディをバイセクシャルとしての道を歩ませると、彼を利用して人生を謳歌する。
邪魔になったジョン・リードを策略でクビにして、メアリーやバンド仲間から遠ざける。
最後はメアリーの言葉に目が覚めたフレディにクビにされ、彼の本性を暴露して金儲けした。
・レイ・フォスター(演:マイク・マイヤーズ)
大手レコード会社「EMI」の重役。過去にジミー・ヘンドリックスなどと仕事をしている。
マイク・マイヤーズは近年の出演作に『アニー・イン・ザ・ターミナル』、『シュレック/フォーエバー』などがあります。
あくまで売れる楽曲を欲していて、挑戦的な「クイーン」の新たなアルバムに不満を漏らす。
その中で「ボヘミアン・ラプソディ」が6分という長尺にケチをつけ、メンバーと対立する。
結果的に自分の意見を一切譲らない為、同じく頑なな「クイーン」はEMIを去る事になる。
最後は「ライヴエイド」での中継をラジオで聴き、その成功を無表情で聴いていた。
・ジム・ハットン(演:アーロン・マカスカー)
乱痴気パーティしたフレディの自宅で後片付けとして雇われていたところで出会う。
アーロン・マカスカーは代表作に『ファイナル・スコア』、『ロックアップ』があります。
フレディがからかってお尻を触ると、厳格な表情で注意するも逆に彼の心を掴んでいた。
バンド仲間が家族を持っていて一人だけ独身で孤独な現状を打ち明けられて共感していた。
ポール・プレンターにより迷走していたフレディが目を覚まし、本当の友達として再会する。
最後はフレディの家族に紹介され、ライヴエイドに同行し、バンド仲間からも認められた。
感想
個人的な評価
本作は伝説的なイギリスのロックバンド“クイーン”の実話を基にした作品となります。
監督にはブライアン・シンガーがクレジットされているが、実は撮影終了の直前に解雇されてしまい、デクスター・フレッチャーが後を引き継いだ。
更にフレディ・マーキュリーとしてキャスティングされたサシャ・バロン・コーエンも考え方の相違で降板している。
このように本作は色々とゴタゴタしていたが、この裏側での出来事は批評家たちの心証を害して多くが悪評のレッテルを貼っていました。
しかし、いざ上映すると世界中で大ヒットしていて、特に日本ではアメリカに次ぐヒットとして「クイーン」のブームが訪れました。
洋楽については70年代~90年代のヒット曲は知っていて、当然のようにクイーンは知っていたが、個人的にそこまでハマる感じではなかったです。
なので、本作が大ヒットしている事にあまり興味はなかったので、ようやく重い腰を上げて今回鑑賞に至りました。
率直に言って、本作が大ヒットする意味は理解できたし、何より「クイーン」というバンドの性格がよく分かった。
類い希なる才能を持つフレディ・マーキュリーが引っ張っているが、それはブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、ジョン・ディーコンの三人がいたからこそだと分かった。
四人が揃ってこその「クイーン」であり、フレディ・マーキュリーが亡くなった今でも代わりのボーカルを起用しない意味が分かりました。
彼らはそれぞれ才能を持っていて個性もバラバラであるが、一つのバンドである「クイーン」にいて初めて最高のパフォーマンスを出し切れるのです。
ブライアン・メイとロジャー・テイラーは未だに音楽活動をしているが、中でもフレディを慕っていたジョンは・ディーコンはそのショックから引退をしているほどです。
それぐらいフレディ・マーキュリーという人間の存在は「クイーン」だけじゃなく、バンド仲間に大きなモノだったと分かります。
そして、そんなフレディ・マーキュリーとかつて恋人から生涯の友人となったメアリーの存在も非常に大きかったです。
道に迷って破滅に向かっていたフレディ・マーキュリーを救ったメアリーを描いたのも素晴らしいし、ようやく彼が落ち着くジム・ハットンの存在も良かった。
「クイーン」の音楽性について個人的な趣向の違いもあるけど、人間ドラマとしてしっかりと描かれている点でも本作は間違えなく傑作だと言えます。
悪評を連ねた批評家たちは一般的な視点で作品を評価していない事が露呈し、大ヒットした事で弁明する彼らの滑稽な姿は業界との癒着を示していた意味で本作は大きな役割を見せました。