作品紹介
公開年月 | 2019/10/13 |
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ジャンル | アクション/ホラー |
原作 | なし |
監督 | エドワード・ドライク |
脚本 | エドワード・ドライク、パイパー・マーズ |
製作 | コーリー・ラージ |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
ヴァンパイア一族の権力をめぐる死闘が繰り広げられた闇の世界「アンダーワールド」は数世紀に渡って行われていた。
悲しき宿命を背負った姉妹チャンスとラックは、両親が一族の長であるオーガスト暗殺に失敗した事で妹がヴァンパイア一族に殺されてしまう。
姉のチャンスは復讐と5千年の歴史を背負った争いに終止符を打つべく、ヴァンパイア一族の戦いへ身を投じるのだった。
登場人物&出演者
・チャンス・シンクレア(演:エイブリー・コンラッド)
主人公。17歳の女性高校生。将来はファッション関係を目指す。学校ではやんちゃな性格。
エイブリー・コンラッドは代表作に『Heart of Dance』、『12 Rounds 3: Lockdown』などがあります。
クラスメートの鼻をへし折るが、なぜか停学一日だけという特別措置を受けるも反省せず。
両親が自由を得る為に祖父へ生贄として引き渡されるが、その事実を聞かされずにいた。
自分がヴァンパイアだと知っても信じられず、シェフが一族に認められるゲームで殺される。
最後は別の世界にいた妹から説明を受け、シンクレア家を受け継ぐ為に生き返った。
・ラック・シンクレア(演:アリス・アントワネット・コーナー)
チャンスの妹。思春期のチャンスと違ってワガママを言わず、子供らしく何も知らない。
アリス・アントワネット・コーナーは本作が長編映画デビューとなります。
両親が一年に一度の食事会に出かけると、フレディの店で護衛役と終わるまで待っていた。
そこに叔母たちがやって来ると、どうやら必死に抵抗するも捕まって食事会の材料になった。
別の世界で成長した姿でチャンスと再会し、そこでシンクレア家のルールを説明していた。
最後は家長のオーガストや他の子供たちが死ぬと、後を継ぐチャンスを生き返らせた。
・シドニー(演:ジョナサン・リプニッキ)
フレディの店で働くシェフ。寡黙で4年間、毎日同じく移動式コーヒースタンドに通う。
ジョナサン・リプニッキは代表作に『スチュアート・リトル』シリーズ、『ハイジャック・ゲーム』などがあります。
その正体は様々な毒に精通し、フレディの指定で悪人を殺す為に料理へ混ぜて実行している。
ジューンに毒殺の腕を見込まれ、フレディを人質にシェフとして迎えられて料理を作る。
オーガストの仕掛けたゲームに耐え、ジューンの体に仕込んだ毒が回って全員を毒殺した。
最後は捕らわれたコーヒースタンドの店員が生き別れた姉だと話し、一緒に暮らす事になる。
・アデレイド(演:ミーガン・ペータ・ヒル)
移動式のコーヒースタンドで友人と働いている。過去に家族を失って心の傷を持っている。
ミーガン・ペータ・ヒルは代表作に『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』、『ケージ・ダイブ』などがあります。
4年間も同じ時間で同じ注文をするシドニーに声をかけるが、特に返事がなく不気味に思う。
オーガストのシドニーを一族に迎え入れるゲームの為に捕まって、別の場所に監禁される。
第3のゲームに進んだシドニーの前に出され、状況がまったく分からずになぜか助かった。
最後は火事で弟が死んだが遺体は見つからず、それこそがシドニーだと分かって安堵した。
・フレディ・オークス(演:ロックリン・マンロー)
レストランを経営している。ホームレス同然だったシドニーを拾ってシェフに仕立てている。
ロックリン・マンローは近年の出演作に『ディープ・インパクト2016』、『DEMON/デーモン』などがあります。
シドニーが類稀なる毒の知識を持っていると知って、悪人を毒殺させて懸賞金を手にする。
クーデターを起こしたいジューンから何度も依頼されるが、その度に拒否していた。
結局は暴力によってシドニーを連れ出されるが、オーガストの手先に捕まって屋敷に来た。
最後はシドニーを一族に迎え入れるゲームに駆り出され、本性を現して彼に殺された。
・ジューン・シンクレア(演:アネット・レイリー)
シンクレア家の一人でヴァンパイア。オーガストに不信感を持ち、クーデターを計画する。
アネット・レイリーは代表作に『I’ll Be Home for Christmas』、『Picture Perfect Mysteries: Newlywed and Dead』などがあります。
ラックが生まれた時、自由が欲しいとオーガストに頼んだら夫の舌を切り取られてしまう。
5000年の間に一族が堕落してしまい、なんとか過去の栄光を取り戻そうとシドニーを雇った。
オーガストを毒殺しようとするが、すでにバレていて逆に彼の料理を食べさせられる。
最後はラックを食わされたと知って逆上するが、あっさりとオーガストに命を取られた。
・エイプリル・シンクレア(演:フィービー・ミュウ)
シンクレア家の一人でヴァンパイア。東洋系ながらオーガストに一族として迎え入れている。
フィービー・ミュウは代表作に『The Past Never Dies』などがあります。
オーガストのお気に入りらしく、食事会の祭はすぐ隣の席に座って特別扱いを受けていた。
ジューンの裏切りをオーガストから聞かされ、彼女の娘を食った事を知らずに不信感を抱く。
シェフのシドニーを拘束し、オーガストがゲームをしたいと言われて連れ出してきた。
最後は自分だけが助かったと分かり、落ちぶれたオーガストをナイフで刺して簡単に殺した。
・オーガスト・シンクレア(演:ティモシー・V・マーフィ)
シンクレア家の家長。5000年前にホーン王から心臓を奪い、取引してヴァンパイアとなった。
ティモシー・V・マーフィは代表作に『イット・カムズ』、『トラジディ・ガールズ』などがあります。
これまで何度も名前を変えてきたが、現代ではセンスのない月を用いた名前で一家を揃える。
ヴァンパイアらしい事をほとんどせず、一族が普通の人間のように暮らす事を許している。
ジューンがクーデターを企んでいると知り、その裏切りを宣言して夫とともに食ってしまう。
最後はシドニーが仕掛けた毒が作用し、味方となったエイプリルに刺されて呆気なく死んだ。
感想
個人的な評価
本作はケイト・ベッキンセイル主演の『アンダーワールド』シリーズとは関係ないです。
ヴァンパイアが出て主人公が女性という事で、強引につけられた邦題となります。
鑑賞する前から『アンダーワールド』みたいなアクションはなくても、多少の戦闘シーンがあると思っていました。
しかし、そんな微かな予想すら裏切ってしまう本作にアクションというモノはありません。
物語は単なる一族の権力闘争でほとんどがつまらない会話劇が中心となっています。
クーデターを起こしたい方は毒殺という手法を使うが、なぜかバレていて返り討ちに遭う。
一応、日光、銀、毒スプラウトの3つで殺せるらしいけど、あまりにも説得力のない設定です。
昼間はなんか普通に出歩いているし、銀はそもそも狼人間の弱点だし、毒スプラウトなら人間でも死ぬと思うんですがね。
ここら辺で独自性を出したかったのでしょうが、その前に作っている側はヴァンパイアというモノを分かっているのか疑問です。
設定では5000年生きているようだが、とてもそうは思えないほど頭が悪く、大きな屋敷でも世界を支配するほどのレベルじゃないです。
とにかく、設定は設定の域を出る事ができず、物語のほとんどは屋内だけで済ませているのは低予算だからでしょう。
家長がだらしないから一族が堕落したとクーデターを起こすが、失敗して逆に食われる展開も何がしたかったのか分かりません。
主人公となる家長の孫もあっさりと普通の人間に殺されるが、不思議な世界に行って、みんなが死んだ後に生き返るという意味がよく分からない結末になります。
説明不足という以前の問題で、監督は思いつきで色々と詰め込んだ結果、自分でも何を作っているのか分かっていないだろうと思う。
あと、登場人物たちの名前がチャンスやラック、家長とその子供たちは月とまるでセンスを感じないところも寒かったです。
こういう場合だと、芸術という言い訳をしてごまかすパターンが多いけど、本作はまさにそんな印象がありました。
邦題詐欺、ジャケット詐欺を覚悟して、途中から「何を観ているんだ?」と疑問を持ってしまうほど意味が分かりませんでした。
YouTubeに予告編すら投稿されていない状況を見ると、本作を鑑賞している人間は果たして何人いるのか気になります。
とりあえず、本作はネタにもならず、褒めるポイントが何一つない見事なゴミ映画でした。