ATM VD-309

作品紹介

公開年月  2012/10/20
ジャンル  サスペンス
原作  なし
監督  デヴィッド・ブルックス
脚本  クリス・スパーリング
製作  ピーター・サフラン、ポール・ブルックス
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

投資会社に勤務するデヴィッドと同僚のエミリーにコーリーの三人は、クリスマスパーティの帰り道に現金を引き出す為にATMに立ち寄る。
しかし、そのATMにはある仕掛けがされており、デヴィッドたちは閉じ込められてしまう。
真冬の極寒の夜、閉じ込められたATMから脱出するべく、デヴィッドたちは犯人が仕掛けるゲームに挑むのだった。

登場人物&出演者

デヴィッド(演:ブライアン・ジェラティ)
主人公。投資会社に勤める。クリスマスになっても仕事をしているが客を逃してしまう。
ブライアン・ジェラティは代表作に『フライト』、『ハート・ロッカー』などがあります。
同僚のコーリーに誘われて会社のクリスマスパーティに行き、エミリーを家に送る事に。
コーリーに振り回されATMに入るが、不気味なフードコートの男に睨まれて外に出られず。
勝手に行動して瀕死のコーリーを助け、諦めずにエミリーと火災報知器を作動させる。
最後はフードコートの男を殺そうとするも失敗し、逆に犯人として扱われて逮捕された。

エミリー(演:アリス・イヴ)
ヒロイン。デヴィッドの同僚。クリスマスの日に退職してNPO関係の仕事に転職という。
アリス・イヴは近年の出演作に『Mr.&Mrs.フォックス』、『レプリカズ』などがあります。
クリスマスパーティでは独りでいると、デヴィッドが声をかけて家へ送ってもらう事に。
コーリーのせいでATMに寄って車で待機するが、独りでいるのがイヤで合流するも出られず。
フードコートの男に怯えながらも、デヴィッドに付いてきた事は後悔していないと話す。
最後は肩車で火災報知器を作動させるが、デヴィッドが滑ったせいで頭を打って死亡した。

コーリー(演:ジョシュ・ペック)
デヴィッドの同僚。クリスマスでも真剣に働くデヴィッドと違ってパーティで頭がいっぱい。
ジョシュ・ペックは代表作に『さよなら、僕らの夏』、『Dearダニー/君へのうた』がある。
話しの中心になるも薄っぺらで退屈ながらデヴィッドをなぜか振り回すだけの強さを持つ。
エミリーといい感じになったデヴィッドたちの間に入り、余計な事をしてATMから出られず。
状況に耐えられず逃げ出そうとするが、フードコートの男に腹をドライバーで刺される。
最後は瀕死状態でATMにデヴィッドたちに運ばれるが、結局は大量出血でそのまま死亡した。

フードコートの男(演:マイク・オブライエン)
ATMの前に立っている男。フードコートを目深に被っているせいで顔は確認できない。
マイク・オブライエンは本作が長編映画デビュー作となります。
様子を見ていたデヴィッドたちの前で、通りかかって声をかけた男をあっさり殺害した。
近くを通った警備員が異変に気付いてやって来るが、背後から襲って頭をかち割り殺害する。
逃げ出そうとしたコーリーをドライバーで刺し、ATMに水を入れて残りの二人を追い詰める。
最後は出てきたデヴィッドに警備員の服を燃えさせ、彼が逮捕されたのを見て現場を去った。

感想

個人的な評価

本作は同じ舞台で物語が展開する「ソリッドシチュエーションスリラー」の作品となります。
この作品は『ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞で『[リミット]』が脚本賞を受賞した脚本家のクリス・スパーリングが脚本を務めています。
やはり、脚本が『[リミット]』と同じ脚本家という事で同じ場所で物語が展開し、登場人物も片手で数えられるぐらいの状況を描いた内容となっています。
ATMの外に立っている不気味なフードコートの男は何も語らず、主人公たちに自分の恐ろしさを行動で見せつけるのは良かった。
何も語らない殺人鬼ほど恐ろしいモノはないが、本作の場合はあまりにも無口すぎて殺人の動機がまったく分かりません。
エンドロールで計画的に一人を殺人者にしているけど、それだけだと伝わってきません。
同じく無口な殺人鬼にマイケル・マイヤーズやジェイソン・ボーヒーズがいるけど、彼らの場合はしっかりした動機があります。
しかし、本作の殺人鬼については動機が説明されず、計画的に一人を殺人者にしている意味も説明されていません。
単なる快楽殺人者であっても、そこら辺はなぜ自分の手で主人公たちを殺さないのか最低限の説明があってもいいと思います。
殺人鬼はあまり特徴はインパクトがなく、主人公に関しても見た目がいいワケじゃないし、成績優秀じゃなさそうなのにヒロインが惹かれる要因も薄い。
ヒロインについてもアリス・イヴが美人というだけで取り柄がなく、なぜ冴えない主人公に好意を持っていたのか謎すぎた。
ですが、そんなパッとした二人に対して物語をしっかりと回してくれる口達者で調子者のクズ同僚は素晴らしい存在です。
彼がいなければ本作は進まなかったし、冴えない主人公と置物状態のヒロインだけでは物語を切り拓く事ができなかったです。
確かにクズ同僚は分かりやすいぐらいにクズであるけど、もう少し彼のキャラクター性を活かすべきだったと思います。
せっかく三人しかしゃべっていないので、もっと彼のクズ加減を主張させて、主人公の正義感やヒロインの守られる存在を際立たせるべきだった。
ここら辺が非常に弱かったせいで今一つのインパクトとなり、殺人鬼なんて誰でもいい感じで『[リミット]』と比べてしまうと駄作になってしまった。