デビルズ・ソナタ RE-3237

作品紹介

公開年月  2020/01/03
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  アンドリュー・デズモンド
脚本  アンドリュー・デズモンド、アーサー・モーリン
製作  セルゲイ・セリヤーノフ
製作国  フランス
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

将来を期待される若き天才女性ヴァイオリニストであるローズは、幼い頃に生き別れた父親の訃報が届いた。
ローズの父親はかつて一世を風靡しながらも突然姿を消した著名な作曲家マーロウだと判明し、彼女は遺産を整理する為にフランスの田舎町の古い屋敷を訪れる。
そこに死ぬ間際に父親が作曲した「ヴァイオリンソナタ作品54」と題した奇妙な楽譜が残され、ローズは真相を知ろうと探るのだった。

登場人物&出演者

ローズ(演:フレイヤ・ティングリー)
主人公。ヴァイオリニスト。生後14ヶ月で父親から捨てられ、育てた母親はすでに故人。
フレイヤ・ティングリーは代表作に『リベンジ・ガン』、『ジャージー・ボーイズ』がある。
天才的なヴァイオリンの腕前だが、自意識過剰で長年のマネージャーをあっさり解雇する。
父親が残した屋敷で楽譜を見つけると、チャールズに報告して一緒に解明していく。
子供たちを虐待して悲鳴までも作曲に役立てる父親の異常性を知り、帰ろうとしていた。
最後はチャールズにムリヤリ曲を弾かされ、悪魔を召喚し、コンサートを開く事になる。

チャールズ(演:シモン・アブカリアン)
ヴァイオリニストであるローズのマネージャー。肉親のいない彼女の面倒をずっと見てきた。
シモン・アブカリアンは代表作に『007/カジノ・ロワイヤル』、『ゼロ・ダーク・サーティ』などがあります。
父親が有名な作曲家のマーロウと知らず、大手事務所に行くローズから言われてしまう。
頭を冷やしたローズから連絡を受けて、マーロウの遺作について聞かされて調べ回る。
ヴィクトルから記号の解説を聞いて、世界を変えるほどの楽譜だと知って暴走を始める。
最後はローズの演奏で召喚された悪魔を目撃し、そのまま首を絞められて死亡した。

ヴィクトル(演:ジェームズ・フォークナー)
一時的にマーロウと一緒に仕事をしていた音楽家。マーロウに劣らない偏屈者である。
ジェームズ・フォークナーは代表作に『ヒットマン』、『アンダーワールド/ブラッド・ウォーズ』などがあります。
本を執筆していたが、気晴らしにチャールズと会って、マーロウの遺作について説明する。
謎の記号が闇の騎士団関連だと解説し、それらが載っている本をチャールズに貸した。
最後はマーロウが目指したソナタを完成させたローズのコンサートに参加していた。

マーロウ(演:ルドガー・ハウアー)
ローズの生き別れた父親。ローズが誕生して間もなく母親と捨て、業界からも姿を消した。
ルドガー・ハウアーは近年の出演作に『ゴールデン・リバー』、『サムソン/神に選ばれし戦士』などがあります。
人生をかけた「ソナタ」をずっと作っていて、すべてを犠牲にしてもいいという考えを持つ。
フランスの屋敷にこもってソナタを作っていたが、子供をさらって悲鳴までも利用していた。
愛娘であるローズこそがソナタを完成させる最後の鍵として、様々なヒントを遺していく。
最後は解明に迷っていたチャールズにヒントを与え、ついにソナタを完成させる事になる。

感想

個人的な評価

本作は『未体験ゾーンの映画たち2020』にて上映された作品となります。
他に多数の映画祭で受賞とノミネートされており、怪しさ満点なのは言うまでもない。
音楽で悪魔を呼び出す作品は決して珍しいワケじゃなく、『デビルズ・メタル』や『ロード・オブ・ゼイラム』などがあります。
本作はクラシック音楽による悪魔を召喚する楽譜となっているが、これは映画のみならず他の媒体での作品があってもいいはず。
それぐらいクラシック音楽と悪魔召喚は親和性が高いようなイメージすら持っています。
そんな本作では有名な作曲家が遺した楽譜を追求し、ついに真相を突き止めて実際に演奏した際に悪魔を呼び出します。
まさに悪魔的な魅力を放つヴァイオリンのソナタになりますが、パズル解きのような展開はかなりテンポが良かったです。
やはり、こういう作品ではテンポがすべてになりますし、最終的なゴールが曲の演奏になるから、それに向かって一直線に進んでいるのはいいと思います。
余計なドラマをせずに魔性の魅力を持つ楽譜の完成に対し、振り回される主人公と囚われたマネージャーの関係性も悪くないです。
大物であるルドガー・ハウアーは別撮りで登場して、主人公たちとの絡みはないが、それで充分だったと思います。
逆に物語の中枢に組み込まれると、どうしても制作側はルドガー・ハウアー中心に流れを作らないといけなくなるから制限がついて中途半端になりかねない。
これを直接関わらない存在にしたのはいい判断であり、重要なキーパーソンとなるルドガー・ハウアー自身も満足する役になっただろう。
ただ、本作は全体的にインパクトが弱く、ようやく実現した悪魔の召喚にフワッとした感じで怖さがあまりなかったように思えます。
もっと狂気に囚われる演出があれば、その後に主人公が演奏する意味にもっと恐ろしさを加味できただけに少しもったいない印象を持ちました。