ズートピア RE-2580

作品紹介

公開年月  2016/03/04
ジャンル  アドベンチャー/ファンタジー
原作  なし
監督  バイロン・ハワード、リッチ・ムーア、ジャレド・ブッシュ
脚本  ジャレド・ブッシュ、フィル・ジョンストン
製作  クラーク・スペンサー
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

動物たちの楽園ズートピアで史上初のウサギの警察官となったジュディだったが、周囲は彼女を半人前扱いにしていた。
そんな時、巷では連続行方不明事件が発生し、警察も捜査に追われる中、ジュディは駐車違反の取締りしか与えられなかった。
不満を抱えるジュディは事件捜査の参加が許されるが、与えられたのは48時間で失敗すればクビという厳しい条件だった。

登場人物&出演者

ジュディ・ホップス(声:ジニファー・グッドウィン/吹替:上戸彩)
主人公。ウサギの女性。警察学校では首席卒業。ズートピアでは違反切符係となる。
ジニファー・グッドウィンは代表作に『モナリザ・スマイル』、『シングルマン』がある。
上戸彩は代表作に『あずみ』シリーズ、『テルマエ・ロマエ』シリーズなどがあります。
初のウサギ警察官になるが、署長からは差別され、周囲の仲間からも冷遇される。
それでも、持ち前の諦めない精神を発揮し、連続行方不明事件の捜査を任される事に。
捜査の協力に詐欺師のニックと組んでいくが、その過程で逞しく成長していきます。
一度は挫折するが、最後は責任感から事件の裏にいた黒幕を突き止めて見事に解決した。

ニック・ワイルド(声:ジェイソン・ベイトマン/吹替:森川智之)
キツネの男性。ズートピアで12歳から詐欺師。主にアイスの転売で生計を立てる。
ジェイソン・ベイトマンは代表作に『ハンコック』、『モンスター上司』などがあります。
森川智之は吹替の担当にアダム・サンドラー、オーウェン・ウィルソンを務めています。
新米警察官のジュディを騙し、巨大アイスを無料で手に入れて転売して大儲けをする。
ジュディが連続行方不明事件の捜査をする時、現場にいた事から強引に協力をする事に。
当初からやる気がなかったが、次第にジュディとの友情を築いて彼女と捜査を進める。
一度は仲違いするが、戻ってきたジュディを許し、事件を解決して自らも警察かとなる。

ボゴ署長(声:イドリス・エルバ/吹替:三宅健太)
スイギュウの男性。警察署署長。威圧的な態度で、初のウサギ警察官のジュディを見下す。
イドリス・エルバは近年の出演作に『マイティ・ソー/バトルロイヤル』、『スター・トレック/BEYOND』などがあります。
三宅健太は吹替の担当にクリス・ヘムズワースを務めています。
ジュディを警察官と認めず、事件の捜査を任せられず違反切符係の仕事を与えるだけ。
仕方なくジュディに連続行方不明事件を任せるが、最初から期待しておらずクビを宣告する。
結果として事件を解決させたジュディの実力を認め、小さな動物の良さを理解していく。

ベンジャミン・クロウハウザー(声:ネイト・トレンス/吹替:高橋茂雄)
チーターの男性。警察署の受付担当。食欲旺盛で肥満体。歌手のガゼルの大ファン。
ネイト・トレンスは代表作に『ゲットスマート』、『ある日モテ期がやってきた』がある。
高橋茂雄はお笑いコンビ「サバンナ」のボケ担当で、劇場アニメで初の吹替となります。
ジュディを冷遇する他の警察官と違って、最初から気さくな感じで対応していた。
常にドーナツを食べていて、時間があればガゼルと一緒に踊るアプリで楽しんでいた。
肉食動物が凶暴化する事件により、受付として相応しくないとして記録係に転属される。
ジュディが見事に事件を解決した事で、再び受付担当に戻ってドーナツを食べていた。

ライオンハート市長(声:J・K・シモンズ/吹替:玄田哲章)
ライオンの男性。ズートピアの市長。「誰でも何にでもなれる」のスローガンを考案した。
J・K・シモンズは近年の出演作に『パトリオット・デイ』、『ラ・ラ・ランド』がある。
副市長であるベルウェザーをこき使い、更に「クサイウェザー」と呼ぶほど見下している。
連続行方不明事件の際、信用が低下する事を恐れて凶暴化した肉食動物たちを捕獲していた。
一度は事件の黒幕とされたが、真の黒幕であるベルウェザーが捕まった際は関与を否定した。

ベルウェザー副市長(声:ジェニー・スレイト/吹替:竹内順子)
ヒツジの女性。副市長。ライオンハート市長から役職をもらうが、実際は秘書のような扱い。
ジェニー・スレイトは代表作に『アルビン3/シマリスたちの大冒険』、『Black & White/ブラック & ホワイト』などがあります。
竹内順子は代表作に『NARUTO/ナルト』、『イナズマイレブン』などがあります。
市長からこき使われるが、それでもガマンして仕事をこなすも、その待遇に不満を持つ。
ジュディを小さな動物の誇りとして気遣い、連続行方不明事件の捜査に進んで協力した。
実は連続行方不明事件の原因となる凶暴化を仕掛けた黒幕で、肉食動物を強い憎しみを持つ。
結局はジュディとニックの活躍で暗躍がバレてしまい、ボゴ署長らに逮捕される事に。

感想

個人的な評価

本作はウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオとして第55作目となります。
共同監督のバイロン・ハワードは『塔の上のラプンツェル』、リッチ・ムーアは『シュガー・ラッシュ』、助監督のジャレド・ブッシュは『モアナと伝説の海』と実力者を揃えています。
更に本作はアカデミー賞の長編アニメ映画賞の受賞など、数多くの映画賞を受賞とノミネートされるほど高い評価を受けています。
もちろん、興行収入の面でも歴代一位の『アナと雪の女王』に次ぐ二位の快挙を上げています。
本作について知っていましたが、これまで鑑賞する機会がなくてずっと未鑑賞でした。
ようやく鑑賞の機会に恵まれましたが、率直な感想として、素晴らしい作品だと言いたい。
ディズニーらしい夢のある世界観であるが、扱っているテーマは現代社会における問題とリンクさせている点に現実感を与えています。
こういうタイプの作品は登場人物が架空の生物であるが、そこに現実的な描写を加える事で一気に身近な印象を与えています。
ズートピアという場所はニューヨークやロサンゼルスと考え、そこには世界中から夢を持って何者にもなれるという期待感を持っている。
様々な人種=動物の種類として見る事ができて、更にそれら動物の特徴を上手く利用した演出が現実味を与えていると感じました。
例えば、主人公であるウサギのジュディは体が小さく、見た目からして頼りにならず、周りの同僚や署長からも差別されている。
それでも彼女は実力をみせつける事で納得させるという意味では、本作はサクセスストーリーとして成立しています。
その過程で出会う詐欺師のキツネであるニックも、かつて熱意を持っていたが、キツネである事で仲間に裏切られた心の傷を負っている。
そんな二人がチームを組んで行方不明となった動物たちを探していくが、これもバディ・ムービーの要素を持っています。
そして、本作の要にもなっている動物たちの特徴を使い、現代社会でもある差別を上手く転換させている点も親近感を持たせる。
ストーリーとしても一度は解決した事件だが、まだ裏にも黒幕がいるという二重のクライマックスという仕掛けも二度おいしい感じでした。
昔からある王道的な主人公が認められていくストーリーであるが、そこに中途半端なロマンスを入れなかったのも個人的に良かった。
実写映画だと異性のバディ・ムービーではロマンスが展開されるが、本作はあくまでアニメ映画という範疇にあるから深くは描かれていない。
とにかく、主人公のジュディと相棒のニックは絶妙なバランスを生み出し、二人の友情は見ていて気持ちがいいのです。
これが下手に恋愛へ発展しなかったのは作品として良かったし、変な感じにならずに済んだのはホッとしているところでもありました。
本作がディズニーの底力を分からせる作品であり、アニメーションについて、もはや、語る必要性がないほどリアルで臨場感のあるモノでした。
あとは音楽も素晴らしく、人気歌手のシャキーラを起用しているのもいいけど、全体的なBGMも心地良く作品を盛り上げています。
それと、以前から問題となっている吹き替えについてだが、本作の主人公であるジュディを上戸彩が担当しています。
タレント起用であるけど、上戸彩は5本の作品で吹き替えの経験があるので、まったく違和感なかったのは作品にとって良かったと思います。
さすがに天下のディズニーだけあって、日本の配給会社も知名度だけのタレント起用ができなかったのでしょう。
ただ、残念な点として、ジュディとニックが仲違いして、仲直りする過程があっさりしすぎていると感じた点です。
本作のレベルならば、もっと心にグッと来るような演出ができたはずなので、ここで慢心してしまったのかもしれません。
それでも、この作品については素直に「スゴイ」としか言いようがないほど高いレベルで完成されていると思います。