作品紹介
公開年月 | 1982/06/25 |
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ジャンル | SF/サスペンス |
原作 | フィリップ・K・ディック 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 |
監督 | リドリー・スコット |
脚本 | ハンプトン・ファンチャー、デヴィッド・ピープルズ |
製作 | マイケル・ディーリー |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
2019年、酸性雨が降りしきるロサンゼルスで強靱な肉体と高い知能を持ち、外見から人間と見分けが付かないレプリカントが5体、人を殺して逃亡した。
解体の処分が決定されると、警察組織に属するレプリカント専門の賞金稼ぎ“ブレードランナー”であるデッカードが呼び出される。
レプリカントの情報を得ようと製造元のタイレル社の社長から話しを聞き、独自のやり方で追跡を開始するのだった。
登場人物&出演者
・リック・デッカード(演:ハリソン・フォード)
主人公。レプリカントを解任する警察の専任捜査官「ブレードランナー」を退職していた。
ハリソン・フォードは近年の出演作に『恋とニュースのつくり方』、『小さな命が呼ぶとき』などがあります。
リオンが現役のブレードランナーを殺した事で、その引き継ぎとして強引に連れ戻される。
調査の為にやって来たタイレル社で秘書のレイチェルを見て、ひと目惚れしてしまう。
ゾーラを解任すると、リオンに襲われるが、レイチェルが射殺したおかげで助かる。
最後はプリスを解任し、ロイと死闘を繰り広げ、彼に命を救われてレイチェルと旅に出た。
・レイチェル(演:ショーン・ヤング)
ヒロイン。タイレル社で秘書として働く。実はレプリカントだが、本人は知らなかった。
ショーン・ヤングは代表作に『ウォール街』、『死の接吻』などがあります。
タイレル博士によって創造された新たなタイプのレプリカントとして姪の記憶を移植された。
デッカードによるフォークト=カンプフ検査でレプリカントだと知り、激しく動揺する。
タイレル社を脱走すると、リオンに追いつめられたデッカードを見つけて助けた。
最後はロイが死んで任務を終えたデッカードとともに、どこかへと旅に出て行った。
・ガフ(演:エドワード・ジェームズ・オルモス)
ロサンゼルス市警所属のブレードランナー。ホールデンが殺されてデッカードを呼び出した。
エドワード・ジェームズ・オルモスは代表作に『ウルフェン』、『グリーン・ホーネット』などがあります。
飯を食っていたデッカードに付いてくるよう命令し、常に独特な言語で何かを呟いている。
折り紙が趣味で一瞬で様々な形を作り出し、同時に意味を持ったモノでメッセージを残す。
デッカードの行動を見守っていて、逃亡したレイチェルを匿っている事を警部に報告をせず。
最後はロイが解任された事を見届けると、デッカードの行動を知りながらも見逃した。
・ハリー・ブライアント(演:M・エメット・ウォルシュ)
ロサンゼルス市警の警部。レプリカントが人間を殺して地球に来てブレードランナーを派遣。
M・エメット・ウォルシュは代表作に『レッド・スコルピオン』、『ワイルド・ワイルド・ウエスト』などがあります。
先に派遣されたホールデンはリオンに殺されると、引退したデッカードを呼び戻した。
最後はゾーラを解任すると、逃亡したレイチェルの解任をデッカードに命じて立ち去った。
・JF・セバスチャン(演:ウィリアム・サンダーソン)
タイレル社で遺伝設計技術者として勤務する。早老症のせいで地上での仕事に留まっている。
ウィリアム・サンダーソンは代表作に『レイプ・キラー/3人の暴行魔』、『ロケッティア』などがあります。
プリスの色気に騙されて家に連れて来るが、ロイの登場で事情を察知して仕方なく家に招く。
ロイたちを気に入って性能を見ようとするが、機械じゃないと拒否されて自分の立場を知る。
最後はタイレル博士の元に案内するが、ロイはガッカリして一緒に始末されてしまう。
・タイレル博士(演:ジョー・ターケル)
タイレル社の社長。レプリカントを創造した天才。警備が厳重な会社の最上階に住んでいる。
ジョー・ターケルは代表作に『砲艦サンパブロ』、『シャイニング』などがあります。
秘書であるレイチェルを新たな世代のレプリカントして創造し、姪の記憶を移植している。
その為、レイチェル自身はレプリカントという自覚がなく、彼女を人間として扱う。
セバスチャンに案内されたロイがやって来ると、それを待っていたかのように出迎える。
最後はロイの寿命を延ばすのはムリだと断言すると、失望した彼にあっさりと殺された。
・ゾーラ・サロメ(演:ジョアンナ・キャシディ)
逃亡した女性レプリカント。殺人の訓練を受けている。蛇とのダンスを見せ物にしている。
ジョアンナ・キャシディは代表作に『マシンガン・パニック』、『ゴースト・オブ・マーズ』などがあります。
レプリカントを追っていたデッカードがやって来ると、ブレードランナーだと察知して逃亡。
最後は必死に逃げていたが、背後からデッカードに銃弾を浴びせられ、そのまま死亡する。
・リオン・コワルスキー(演:ブライオン・ジェームズ)
逃亡した戦闘用男性レプリカント。地球で廃棄物処理技術者として潜伏して働いていた。
ブライオン・ジェームズは代表作に『レッド・スコルピオン』、『48時間』シリーズがある。
ブレードランナーのホールデンを殺害し、デッカードが追うレプリカントとなっていた。
最後はゾーラを撃ち殺したデッカードを待ち構え、殺そうとするがレイチェルに射殺された。
・ブリス・ストラットン(演:ダリル・ハンナ)
逃亡した慰安用女性レプリカント。ロイのパートナー。
ダリル・ハンナは代表作に『ウォール街』、『キル・ビル』シリーズなどがあります。
創造者に会うべく、ロイの言葉に従って遺伝設計技術者のセバスチャンに接触する。
雨の日にセバスチャンと出会い、何も知らないフリをして彼の家へまんまと入る事に成功。
セバスチャンの信頼を勝ち取ると、待っていたロイを呼び出して創造者の元に案内させる。
最後はセバスチャンの家にやって来たデッカードと戦うが、銃弾を食らって死亡した。
・ロイ・バッティ(演:ルドガー・ハウアー)
逃亡した戦闘用男性レプリカント。逃亡した6体のリーダー格。人間を何人も殺して地球へ。
ルドガー・ハウアーは近年の出演作に『ザ・ライト/エクソシストの真実』、『ブリューゲルの動く絵』などがあります。
その目的は限られている寿命について知り、それを伸ばそうと創造者に懇願しようとする。
創造者のタイレル博士に会うべく、パートナーだったプリスをセバスチャンに接触させる。
プリスがデッカードに殺され、その怒りが頂点に達して彼を殺そうと非情に追いつめる。
最後は寿命を悟り、落下しようとしたデッカードを助けると、満足した表情で命が尽きる。
感想
個人的な評価
本作はフィリップ・K・ディックの小説を基に製作された作品です。
公開当初の評判は芳しくなく、作品としては失敗作と見なされるほど散々な結果でした。
監督を務めたリドリー・スコットはかなり偏った評価を受ける人物で、ヒット作がある一方で失敗作もある事で知られていました。
リドリー・スコット監督の名前を一躍有名にした『エイリアン』は、今でもSF映画の傑作として語り継がれています。
同じSF映画である本作もリドリー・スコット監督の特徴が多く含まれるが、当時として先鋭すぎたせいで理解を得られなかった。
その為、月日が経過するにつれて、多くのクリエイターが本作に影響される事からSF映画の傑作という評価を受けるようになりました。
リドリー・スコット監督はようやく認められると、製作会社であるワーナーから編集を頼まれて「ディレクターズ・カット版」が誕生しています。
本作は様々なバージョンが存在するが、リドリー・スコット監督が納得しているのは今回鑑賞した「ディレクターズ・カット版」となります。
オリジナル劇場公開版やインターナショナル版と違い、本作では主人公のデッカードについての描き方にこだわっているようです。
それは、ファンの間で有名になっている「デッカード=レプリカント」という説をリドリー・スコット監督が気に入って、そのような編集をしています。
本作で登場するレプリカントは、脱走した6名のネクサス6型の他に、創造者であるタイレル博士が作り出した新たなレイチェルがいます。
レイチェルは自身がレプリカントだと認識せず、タイレル博士の姪の記憶を移植され、人間だと思っている。
しかも、レプリカントの弱点である寿命もネクサス6型とは違い、限られているワケじゃなく、いつまで生きられるか分からない。
そんな中で、もしかするとデッカードも別のレプリカントではないかと、ファンの間で話題が持ち上がったのです。
個人的な見解からすれば、デッカードは人間であり、レプリカントであってもいいと思う。
こういう曖昧な描き方が大好きなリドリー・スコット監督は、ファンの間で議論が持ち上がっている事を楽しんでいるように感じます。
だからこそ、明確な答えを出した上で、デッカードを演じたハリソン・フォードが否定する事を予想していたのだろう。
多分、リドリー・スコット監督は人間として描いたが、違った解釈による議論を気に入ってワザと混乱させる発言をしたと思います。
そもそも、デッカードが人間だろうが、レプリカントだろうが、本筋とは関係ないですが。
新たなSF映画の可能性を追求した本作ですが、個人的にはダークで雑多な本作はそこまで面白いとは感じないです。
やはり、希望をもたらすと同時にワクワクさせる明るい未来像を描いたSF映画の方が好きなので、どうしても本作は今一つに感じてしまいます。
それでも、本作はSF映画の新たな幕開けを切り開いた作品として、一度は鑑賞するべきだと思います。