ドント・ヘルプ RE-2959

作品紹介

公開年月  2018/11/29
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  ギジェルモ・アモエド
脚本  ギジェルモ・アモエド
製作  ロドリゴ・ベロ、ヴィクター・ヒューゴ・プジョル・ロペス、ほか
製作国   メキシコ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ある夜、強盗の三姉妹は上院議員の家に侵入し、彼が賄賂を受け取ったお金を盗もうと計画。
議員夫婦を椅子に縛り、お金を手にしようとしたが、地下から奇妙な声が聞こえてくる。
三姉妹は地下を調べるとベッドに縛られた議員の娘を発見し、すぐに拘束を外すが、それが悪夢のような夜の始まりを告げる行為だった。

登場人物&出演者

マリア(演:マリア・エボリ)
三姉妹の次女。今回の盗みにはあまり気乗りしていない。誰も傷つけない条件で参加する。
マリア・エボリは代表作に『Tenemos la carne』、『Extrano pero verdadero』がある。
金が見当たらず強硬手段に出るカミラに意見するが、タマラを見て助ける事に協力する。
過去に父親から虐待を受けるが、母親の脅しでカミラに罪を着せてしまう裏切りをしていた。
上院議員たちに捕まるが、自力で脱出して二人とも死ぬと、ナタレ枢機卿に協力する。
最後は悪魔を追い払ったが、教皇となったナタレ枢機卿に悪魔が乗り移っていると知った。

カミラ(演:ヴァネッサ・レストレポ)
三姉妹の長女。今回の盗みの主犯格。8年間も刑務所に服役していて仲間を多く持っている。
ヴァネッサ・レストレポは代表作に『Consciencia』などがあります。
上院議員が賄賂で手にした金を手にするも、娘が縛られている事を知って助けようとする。
過去に父親から虐待を受け、マリアも同様に痛めつけられた時に反撃して殺してしまう。
祖父と肉体関係を持ってしまい、アニータを出産するもマリアには妹だと話していた。
最後はマリアの裏切りを知って車で飛び出すが、アニータの幻によって事故死させられた。

アニータ(演:カルラ・アデル)
三姉妹の三女。今回の盗みに参加するが、あくまで実行犯ではなく運転手だけに留まる。
カルラ・アデルは代表作に『No Manches Frida』シリーズ、『Mientras el Lobo No Esta』などがあります。
タマラを見つけた事でカミラが計画を変更し、病院へ連れて行くべく家に呼び出される。
一人で家を探索しているとタマラを見つけると、助けに来たと言って話しかけていた。
実はカミラと祖父の間に出来た娘であり、その事実をタマラに言われて自殺をしてしまう。
最後はマリアと縁を切って車で飛び出したカミラの前に現れ、強制的に事故死させた。

アンジェリカ・サンチェス=レールモントフ(演:ガブリエラ・デ・ラ・ガルサ)
上院議員の妻。息子を亡くしてから庭師以外を解雇して、ひっそりと夫と暮らしている。
ガブリエラ・デ・ラ・ガルサは代表作に『Un mundo maravilloso』、『Lo que siento por ti』などがあります。
賄賂の金を盗みにやって来た三姉妹に捕まり、真っ先に地下室の娘をバラしてしまう。
娘は危険だと訴えるもカミラは当然のように信じられず、それでもなんとか主張していた。
マリアを説得してタマラを拘束して、バチカンから来るナタレ枢機卿の到着を待つ。
最後はタマラに負けたホセを射殺して、娘は助からないとして自殺してしまう。

ホセ・サンチェス=レールモントフ(演:フラヴィオ・メディーナ)
上院議員。賄賂で金を受け取っている。息子が自殺してから庭師以外を解雇している。
フラヴィオ・メディーナは代表作に『Hidalgo – La historia jamás contada』、『Sonora』などがあります。
賄賂の金を盗みにやって来た三姉妹に出し抜かれ、あっさりと妻とともに拘束された。
地下に娘を拘束している事がバレると、父親と因縁のあったカミラに痛めつけられてしまう。
アンジェリカの説得でタマラを拘束するが、まだ信じないマリアを殴って気絶させた。
最後はタマラの力に負けてマリアを殺そうとするが、アンジェリカに射殺された。

タマラ・サンチェス=レールモントフ(演:ナターシャ・カブリア)
上院議員の娘。地下室で厳重に拘束されていた。体中にアザがあって痛々しい姿である。
ナターシャ・カブリアは代表作に『Yo soy Pepito』などがあります。
過去に父親から虐待を受けていたカミラとマリアに助け出され、同時に何かが解放される。
実は悪魔に取り憑かれていて、兄も精神的に追い込んだ末に自殺させてしまっている。
悪魔が周囲の人間を操って殺していく中で、残っている自分の意識で戦っていた。
最後はマリアの必死の祈りで悪魔を取り払って、意識が戻るとそのまま病院に連れ出された。

ナタレ枢機卿(演:パブロ・グイサ・ケスティンガー)
バチカン随一のエクソシスト。レールモントフ夫妻の依頼を受けてバチカンからやって来た。
パブロ・グイサ・ケスティンガーは代表作に『ABC・オブ・デス』、『ダークレイン』などがあります。
足が悪くて杖を使って歩いているが、悪魔払いには影響がなく、確実に遂行する自信を持つ。
現代のエクソシストは昔と違うと嘆いているが、タマラの悪魔との対決に備えていた。
レールモントフ夫妻が悪魔の言葉に操られてしまい、二人とも死んでしまいマリアが協力。
最後は教皇に選ばれる事になるが、実際は悪魔に乗り移られてマリアに見抜かれていた。

感想

個人的な評価

本作は『シッチェス・カタロニア国際映画祭2017』を含めた多くの映画祭にて上映された作品です。
他に『ホラント映画祭“Fright Nights”2017』では最優秀音楽賞を受賞しています。
現代ホラー映画界の帝王として知られるイーライ・ロスの右腕で、『ノック・ノック』の脚本を務めたギジェルモ・アモエドが監督を務めます。
とにかく、マイナーな映画祭で多くの映画賞を受賞している作品ほど怪しいモノはない。
しかも、本作はイーライ・ロスの名前を使っている点でも怪しさ満点しかありません。
タイトルも『ドント』シリーズであるけど、これは勝手な邦題で他の作品とは当然のように繋がりはありません。
ですが、クズな主人公たちが金持ちの家を襲うという設定だけはなぜか似ている。
だから『ドント』シリーズという邦題をつけられたが、本作は宗教色の強すぎる作品でした。
カトリック信者じゃない人間にはまったく響かないだけじゃなく、信者の方も首を傾げるかもしれないだろう。
エクソシスト映画としては王道的な儀式をするが、オリジナリティを出そうと悪魔が枢機卿に乗り移るラストとなります。
そもそも、中盤から現実と幻覚の間を行ったり来たりしているので、もう何が起きても驚かないような展開でした。
結局、三姉妹の設定は必要なかったし、盗みに行く設定も弱かったし、素人の悪魔払いが成立するにもムリがあったと思います。
何より主人公がクズという設定の時点で自業自得なのに、なぜか生還して何事もなく普通に暮らしている時点でもおかしい。
姉妹が死んでいるのに生活が変わらないのはおかしいけど、あれだけ物語の中心にいたタマラが悪魔から解放されてから登場させないのも納得ができた。
そこに割って入るような教皇となった枢機卿のテレビを通じた変顔はギャグだとしか思えなかったラストでした。
やはり、多くのマイナーな映画賞を受賞している作品は怪しいと思うしかないでしょう。