作品紹介
公開年月 | 2012/09/28 |
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ジャンル | ホラー/ファンタジー |
原作 | なし |
監督 | ゲンディ・タルタコフスキー |
脚本 | ピーター・ベイナム、ロバート・スミゲル |
製作 | ミシェル・マードッカ |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
世界中のモンスターが安心して寛げる五つ星リゾートホテルを、ドラキュラは故郷のトランシルバニアに建てた。
オーナーであるドラキュラは娘のメイヴィスの118歳の誕生日を祝う為に有名なモンスターたちを招待した。
だが、そこへ普通の人間の旅行者ジョニーが誤って訪れてしまい、過保護なドラキュラは彼とメイヴィスが恋に落ちるのを防ごうとするのだった。
登場人物&出演者
・ドラキュラ(声:アダム・サドラー/吹替:山寺宏一)
主人公。亡き妻との夢だったモンスター・ホテルを建てた。愛娘のメイヴィスを溺愛する。
アダム・サドラーは近年の出演作に『サンディ・ウェクスラー』、『ドゥ・オーバー:もしも生まれ変わったら』などがあります。
山寺宏一は吹替の担当にジム・キャリー、ロビン・ウィリアムズなどを務めています。
過去に人間たちの暴動によって城に火が放たれ、その結果として妻のマーサを失っている。
人間を誰よりも毛嫌いしていたが、ジョニーと関わっているうちに悪くないと理解する。
最後は娘の悲しませた事を後悔して、身を焦がす覚悟で追い出したジョニーを連れ帰った。
・メイヴィス(声:セレーナ・ゴメス/吹替:川島海荷)
ヒロイン。118歳のティーンエイジャー。人間の世界に対して大きな興味を抱いている。
セレーナ・ゴメスは代表作に『ラモーナのおきて』、『マネー・ショート/華麗なる大逆転』などがあります。
川島海荷は代表作に『携帯彼氏』、『星守る犬』などがあります。
過保護な父親によって城に縛られていて、それに対して大きな不満を抱いている。
118歳となって外の世界へ行けると思っていたが、父親のウソやジョニーの言葉で傷つく。
最後は反省した父親に連れられたジョニーと再会して、自由となって好きな事をする。
・ジョニー/ジョナサン(声:アンディ・サムバーグ/吹替:藤森慎吾)
人間。一人旅を好む普通の21歳の男。七人兄弟。面白そうだという理由でホテルを訪れる。
アンディ・サムバーグは代表作に『40歳のバージンロード』、『俺のムスコ』があります。
藤森慎吾はお笑いコンビ「オリエンタルラジオ」のツッコミ担当で、吹替として本作が四作目となります。
基本的に性格が軽く、モンスター・ホテルに来ても最初は状況が掴めずに楽しんでいた。
モンスターがいると知っても、その場の勢いで乗り越えて、パーティを楽しく演出していた。
一度は追い出されるが、好きになったメイヴィスの為に戻り、正式な恋人として認められた。
・フランク/フランケンシュタイン(声:ケヴィン・ジェームズ/吹替:チョー)
メイヴィスの叔父。郵便配達で箱に入った状態で来る。箱が地面に落ちて首だけで挨拶した。
ケヴィン・ジェームズは代表作に『モンスター・ハウス』、『ピクセル』などがあります。
チョーは吹替の担当にアンディ・サーキス、スタン・ショウなどを務めています。
極度に火を嫌っていて、本来は飛行機で来れば早いが、燃えるかもしれないとして郵便配達。
ドラキュラ同様に人間を怖がっていて、ジョニーの正体を知って落胆した表情になった。
最後はジョニーを連れ戻す為に人間たちを説得し、ドラキュラが走るマントの道を作り出す。
・ウェイン(声:スティーヴ・プシェミ/吹替:我修院達也)
オオカミ男。訛っている。数十匹の子供たちを引き連れ、暗闇からやって来た。
スティーヴ・プシェミは近年の出演作に『靴職人と魔法のミシン』、『アダルトボーイズ遊遊白書』などがあります。
我修院達也は代表作に『私は貝になりたい(1959)』、『鮫肌男と桃尻女』などがあります。
子供たちのせいでマトモに寝られず、そのせいでちょっとばかりイライラしていた。
パーティがダメになって、帰ろうとするも子供たちが壊したミニバー代に文句言っていた。
最後はジョニーを連れ戻す為に協力し、末っ子のウィニーに頼んで彼の居場所を探り当てる。
・マリー(声:シーロー・グリーン/吹替:三ッ矢雄二)
ミイラ男。大量の砂とともにホテルへやって来る。フランクとは親友のような関係。
シーロー・グリーンは代表作に『スパークル』、『はじまりのうた』などがあります。
三ッ矢雄二は吹替の担当にマイケル・J・フォックスを務めています。
パーティでやるバンドの音楽が今一つで、ジョニーの演出で明るくなって盛り上がる。
ジョニーが人間だと知ってショックを受け、過剰な反応でドラキュラの願いを拒む。
しかし、メイヴィスがビビンと来たと知って、誰よりも惜しみない協力をする。
・グリフィン(声:デヴィッド・スペード/吹替:若本規夫)
透明人間。いつもイタズラをする。ホテルに来た際もドラキュラをからかっていた。
デヴィッド・スペードは代表作に『ラマになった王様』シリーズ、『アダルトボーイズ』シリーズなどがあります。
若本規夫は吹替の担当にヴァーノン・ウェルズ、ロバート・ネッパーなどを務めています。
透明なので姿は誰も見た事がないが、メガネだけは見えて、実際は赤毛だ判明する。
ジョニーが人間だと知ってショックを受けるが、ドラキュラの話しを聞いて考えを改める。
最後はジョニーを連れて帰るべく、彼が飛行機で発つ前に車の運転をして協力した。
・カジモド(声:ジョン・ロヴィッツ/吹替:後藤哲夫)
モンスター・ホテルの調理師。ノートルダムのせむし男。常にペットのネズミを連れている。
ジョン・ロヴィッツは代表作に『ビッグ』、『サウスランド・テイルズ』などがあります。
後藤哲夫は吹替の担当にケヴィン・ダンなどを務めています。
ペットのネズミは人間のニオイをかぎ分ける事ができ、当初からジョニーの存在を察知。
ドラキュラには忠実な僕として働くが、部下に対して厳しい態度を取っている。
ジョニーが人間だとみんなの前で暴露して、パーティを台無ししてしまう。
感想
個人的な評価
本作はソニー・ピクチャーズ・アニメーションによって製作された作品。
アニメ映画というと、ディズニー(ピクサー)、ドリームワークス、最近台頭してきたイルミネーション・エンターテイメントを思いつきます。
しかし、その影で地味ながらソニー・ピクチャーズ・アニメーションはオリジナルの作品を次々と発表しています。
ファンタジックなディズニー、大人向けなドリームワークス、双方の良さを持つイルミネーション・エンターテイメントという色分けがある。
その中でソニー・ピクチャーズ・アニメーションは、オリジナル作品に力を入れ、最もヒットしたのは三部作を予定される『スマーフ』となっています。
上記のアニメ製作会社と比べて作品の知名度に劣りますが、続編となった『モンスター・ホテル2』は高い評価を受けています。
本作は昔から知られる古典ホラーに登場するモンスターが一堂に集結した作品。
既存のイメージである恐ろしさはなく、逆に彼らは人間を怖がるような設定となります。
主人公であるドラキュラは過去に人間たちの凶行で妻を失い、彼らから娘を守るべく過保護すぎる環境を作ってしまう。
ドラキュラが建てたホテルは客を招き入れる事もそうだが、理由の大半は愛娘を守りたいという思いが強い。
本作は王道的な思春期の娘を持った父親の苦労を描き、その中で凝り固まった考えを部外者である一人の人間によって変えていくというストーリー。
今回は吹替のみで鑑賞したが、ドラキュラの山寺宏一は安定した演技をしてくれています。
字幕版ではアダム・サドラーが務めているが、海外のアニメ映画は基本的にプレスコを採用しています。
プレスコは声優の演技に合わせてアニメーションを作っていくので、自然とキャラクターもその人に似ていきます。
その為、ドラキュラの顔はアダム・サドラーそのものであり、その上に山寺宏一が演技を加えているがさすがの一言でしょう。
ヒロインのメイヴィスを川島海荷が二度目の吹替で問題はないが、一番の注目点はジョニーの吹替を担当した藤森慎吾です。
藤森慎吾は本作で四作目となる吹替だが、ジョニーという軽いキャラクターと相性が抜群であり、山寺宏一を食う勢いであった。
今回の配役は知名度もそうだが、ちゃんとした人を起用して作品の良さを損なっていない。
王道的なストーリーであるが、コミカルなキャラクターの動きは、他のアニメ製作会社とは趣向が違っています。
リアリティを追求する昨今のアニメ映画だが、本作は最初からアニメ映画を意識したキャラクターたちの動きと内容が同調しているのが大きい。
何より古典的なモンスターたちを優しい存在にしている点でも本作に安心感がありました。
アニメ映画を席巻する有名どころに押され気味だが、本作のようなアニメ路線を突き進めて欲しいと感じました。