ザ・デッド:インディア RE-2479

作品紹介

公開年月  2015/01/10
ジャンル  ホラー/アクション
原作  なし
監督  ハワード・J・フォード、ジョン・フォード
脚本  ハワード・J・フォード、ジョン・フォード
製作  ハワード・J・フォード
製作国  イギリス
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

インド郊外で風力発電の仕事に従事していた技師の米国人ニコラスは、ある日、恋人のイシャニから緊急連絡を受ける。
作業中だったニコラスが発電塔から見下ろすと、人が人を襲うおぞましい光景が広がる。
ニコラスはイシャニの危険を察知し、彼女が住むムンバイまでの長い道のりを進もうとするが、それを待ち受けるのはゾンビの大群だった。

登場人物&出演者

ニコラス(演:ジョセフ・ミルソン)
主人公。電気技師。異国で働きに来ていて、イシャニとの間に子供ができる。
ジョセフ・ミルソンは代表作に『007/カジノ・ロワイアル』、『The Chameleon』がある。
イシャニと電話をしている時、父親に取られた事に気づかず重要な情報を口にする。
道中、ゾンビに襲われるジャベドを助けるなど、困っている人を見捨てられない。
しかし、事故を起こした車に挟まられる母と娘を田摺られず、トドメを差す事になる。
それだけで終わらず、彼にはまた苦渋の選択を強いられるラストは心情を察する。
厳しい決断を迫られるキャラクターならいいが、過去の話はいらなかった。

イシャニ(演:ミーヌ・ミシュラ)
ヒロイン。ホテルの清掃員。厳しい父親の元で育つが、ニコラスの子供を妊娠する。
ミーヌ・ミシュラは本作が映画デビュー作となっています。
インドの結婚に対する現実を見せる立場で、ただニコラスを信じて待つだけ。
最後はニコラスがやって来て、彼とともにアメリカへ逃げるべく砦で一時的に避難する。
アメリカ軍の徹底消毒によって悲しい結末を迎えるという笑えないラストでした。

ジャベド(演:アナンド・クリシュナ・ゴヤール)
ニコラスがイシャニの家へ向かう道中、ゾンビに襲われていたところを助けた少年。
アナンド・クリシュナ・ゴヤールは代表作に『Rethink Afghanistan』などがあります。
施設で育っているが、今は一人で生きていて、ニコラスの道案内を買って出る。
天涯孤独のような少年だが、途中からニコラスを父親のように慕っています。
最後に再会するけど、彼の本当の母親がニアミスするという蛇足の展開がありました。

イシャニの父(演:サンディップ・ダッタ・グプタ)
ニコラスが外国人で一時の寂しさで付き合っていると強くイシャニを説得する。
サンディップ・ダッタ・グプタは本作が映画デビュー作となっています。
家に閉じこもっているが、特に何をするワケじゃなく、ただいるだけでした。
母親の辛辣すぎる最後の言葉を聞いたが、さすがにアレはキツイと思う。

イシャニの母(演:プーナン・マートゥル)
街が原因不明の騒動に巻き込まれる中、男に噛まれて家で苦しんでいる状態。
プーナン・マートゥルは代表作に『Queen』などがあります。
死に間際でイシャニが自分の心に従うべきだと強くメッセージを口にする。
そこで父親じゃなく、本当は別の人を思っている衝撃の告白をする。

感想

個人的な評価

本作は『ゾンビ大陸/アフリカン』の製作スタッフが作ったゾンビ映画。
『ゾンビ大陸/アフリカン』は過去に鑑賞しているが、意外にも良作だったと記憶する。
その製作陣が再び放つゾンビ映画ならば、期待できるのは言うまでもないでしょう。
そもそも原題が『THE DEAD 2:INDIA』となっているので、同一の世界とも言えるだろう。
アフリカの次はインドと、あまりゾンビ映画と縁がない場所というのも面白い。
まさにインドという国を感じさせる作品であり、全体的に乾いている印象がありました。
ゾンビはクラシック型でノロノロと動くが、やっぱりアゴの力は尋常じゃないです。
人間の肉を食いちぎるだけの力を発揮する以外、基本的にノロノロと動いているだけ。
昔ながらの数による圧倒的な暴力で迫るので、人口が多いインドでは脅威となる。
殺しても殺しても次から次へと湧いてくるゾンビは増えていくばかりです。
ただ、腕力はほとんどなく、薄い板のドアも破れず、優しく揺するだけでした。
そんな中でも主人公のニコラスは電技技師だが、銃の腕前はなかなかという主人公補正。
弾は30発ぐらいしかないのに、最後の方では無限弾のように使っていました。
本作は主人公と少年の絆を描いているバディ映画の要素、旅をするロード映画の要素があって、そこにゾンビ映画がベースにあります。
しかし、どの要素も薄味のような印象があって、今一つパッとしない作品だと感じた。
何より主人公の設定が浮いていて、電気技師だが、その設定がほぼ活かされていません。
その代わり、アメリカ人という設定を使って、やたらと銃の腕がいい事に使われる。
当然のように無数のゾンビに囲まれても、一切噛まれない主人公補正も発揮しています。
あとは相棒となる少年も万能過ぎるナビゲーターで、どんな場所からも目的地にたどり着く。
本作の問題点として、ゾンビがあまりにも置物すぎて緊張感を生み出せていない。
状況は切羽詰まっているはずだが、あの程度のゾンビなら大群でも逃げ出せるレベル。
それに主人公が銃を持ってしまったら、緊張感がなくなるのは当然だし、途中から装填する描写するなくなります。
あと最大の問題となるのは、主人公が過去にやらかした事がいらないと思った。
そのせいで主人公への感情移入ができなくなるので、完全に逆効果となってしまった。
ラストはハッピーエンドじゃない珍しいパターンだが、やはり、ここは方向性をしっかりと描写して欲しいと思いました。