ジャック・リーチャー/NEVER GO BACK VD-55

作品紹介

公開年月  2016/10/21
ジャンル  アクション/サスペンス
原作  リー・チャイルド 『ネバー・ゴー・バック』
監督  エドワード・ズウィック
脚本  リチャード・ウェンク、エドワード・ズウィック、ほか
製作  トム・クルーズ、ドン・グレンジャー、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

元陸軍内務調査部のエリート軍人で、放浪の旅を続けるアウトローのジャック・リーチャー。
ある日、かつての同僚スーザン・ターナー大佐を訪ねる事になったリーチャーだが、彼女がスパイ容疑で逮捕されると知る。
何かの陰謀に巻き込まれたと直感したリーチャーは、すぐにターナー大佐を救出する。
執拗に迫る追っ手をかわしながら、軍部内になる陰謀を暴こうとするリーチャーであった。

登場人物&出演者

ジャック・リーチャー(演:トム・クルーズ)
主人公。元陸軍内務調査の軍人。保安官の悪事を通報した事でターナー少佐と交流を持つ。
トム・クルーズは近年の出演作に『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などがあります。
前作ではタイトルの通り、一匹狼として孤高に戦っていたが、本作ではチームを組む。
その時点で前作を完全に否定しているが、個人的にはこの流れはあまり好きではないです。
基本的に主人公は民間人なので、人殺しができず、銃もほとんど使わない素手での戦い。
さすがにトム・クルーズは華がある俳優だが、本作は終始に渡って地味すぎました。
そもそも、前作の『アウトロー』も記憶にほとんどない時点で本シリーズは微妙となる。

スーザン・ターナー大佐(演:コビー・スマルダーズ)
ヒロイン。リーチャーの元同僚。任を解かれ、スパイ行為の容疑で逮捕される。
コビー・スマルダーズは近年の出演作に『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、『成果』などがあります。
武器をテロリストに横流しするパラソース社を調べていた事ですべてを失う。
殺された部下たちの為に軍の悪事を暴こうとするリーチャーとともに行動をする。
強い女性を描きたかったのだろうけど、戦闘になる度に足手まといとなる悪い印象。
ただ、相変わらずコビー・スマルダーズは美しく軍人の役は本当に似合っている。

サマンサ(演:ダニカ・ヤロシュ)
ヒロイン。リーチャーの娘。里親に育てられるが、思春期のおかげで反抗的な態度。
ダニカ・ヤロシュは代表作に『The Color of Time』などがあります。
リーチャーの娘というだけあって、口癖や手癖の悪さは親譲りで機転も利く。
最初は反抗的な態度も、リーチャーが父親じゃないかと分かり、手のひらを返す。
更になんでもできるという態度だったのに、余計な事をする役割として活躍します。
ハッキリ言って、こういうタイプのキャラクターが嫌いだし、最後まで気に食わなかった。

エスピン大尉(演:オルディス・ホッジ)
陸軍憲兵隊員。リーチャーが隊長の頃、半年も昇進を保留され、個人的な恨みを持っている。
オルディス・ホッジは代表作に『レディ・キラーズ』、『ザ・イースト』などがあります。
軍事刑務所にリーチャーを護送するが、あっさりと気絶させられて逃亡を許すマヌケ。
それでも、裏切り者じゃないという事で、リーチャーたちに協力する役目を与えられる。

リーチ軍曹(演:マダリン・ホーチャー)
リーチャーを「少佐」と呼び、彼に対して尊敬し、ターナー少佐も立派な人物と評価する。
マダリン・ホーチャーは代表作に『サバイバル・ドライブ』などがあります。
追われる身になったリーチャーに協力し、パラソース社についての情報を提供する。

モーガン大佐(演:ホルト・マッキャラニー)
スパイ容疑で逮捕されたターナー少佐の代理としてデスクに座っていた。
ホルト・マッキャラニーは代表作に『スリー・キングス』、『ファイト・クラブ』がある。
他の人と同じく、民間人となったリーチャーを「少佐」と呼んでいる。
悪事を働いていたが、リーチャーたちに脅されて情報を渡すと、あっさりと片付けられる。

ハンター(演:パトリック・ヒューシンガー)
元シールズの隊員。現在は民間人で、ハークネス将軍に雇われて後始末をしている。
パトリック・ヒューシンガーは代表作に『フランシス・ハ』などがあります。
リーチャーとの格闘では五分以上で、人を殺す事に一切の躊躇いを持たない危険な男。
雇われているだけなのだが、雇い主が逮捕されてもリーチャーをぶっ殺す事に奔走する。
黒幕じゃないので、単純に倒された終わりという面白味のないキャラクターでした。

ハークネス将軍(演:ロバート・ネッパー)
裏で糸を引く真の黒幕。テロリストに武器を横流しするパラソース社のCEO。
ロバート・ネッパーは近年の出演作に『ハード・ターゲット2/ファイティング・プライド』、『ハンガー・ゲーム/FINAL:レボリューション』などがあります。
嗅ぎ回っているターナー少佐を逮捕し、連絡していたリーチャーも逮捕させる裏工作をする。
ハンターを使って後始末を任せるが、結局、あっさりと逮捕される最大のマヌケでした。
ロバート・ネッパーが演じているから期待したが、友情出演というレベルのちょい役でした。

感想

個人的な評価

リー・チャイルドの同名小説を基に作られています。
前作『アウトロー』の続編にして、主人公ジャック・リーチャーをトム・クルーズが演じる。
トム・クルーズと言えば、数多くのヒット作に出演しているハリウッドスターである。
彼を知らない人はいないというぐらい有名な俳優で、特にアクション映画が人気を博す。
やはり、超大作『ミッション・インポッシブル』シリーズは彼の代表作と言えるでしょう。
そこに前作の『アウトロー』はまったく違ったベクトルでシリーズ化を狙っている。
『ミッション・インポッシブル』は派手さを狙い、本シリーズは等身大の一匹狼を描く。
この対比こそ、トム・クルーズが狙っているギャップであるのは間違えないです。
本作ではあくまで己の体が武器であり、最新鋭の機械は一切使用しない徹底ぶりです。
前作ではタイトルが示すように一匹狼であったが、本作はチームを組む事になる。
つまり、それは完全に前作を否定していて、良い部分も本作で削られている。
その最も分かりやすい点は、娘と思われる少女の登場で、アウトローの男も心が動くという。
しかし、それこそジャック・リーチャーというキャラクターのインパクトをなくしている。
普通の主人公に成り下がってしまい、トム・クルーズだから観るという人が多いだろう。
逆にトム・クルーズじゃない新人俳優が演じたら、確実に興行的な赤字は免れない。
何が言いたいかというと、トム・クルーズというブランドなしでは成立しない作品です。
トム・クルーズ抜きで考えた場合、本作は特徴がほとんどない地味な作品となります。
そんな作品にワザワザ金を払って映画館に行く人はほぼいないと思います。
だけど、トム・クルーズというブランド価値があるので、それで観に行くという。
これで答えが出ているが、作品としての面白味がなく、キャラクターも平凡なのです。
しかも、前作の一匹狼の設定も吹っ飛ばされ、主人公の活躍も削られるという事になる。
『ミッション・インポッシブル』シリーズは見応えのある映像など、娯楽性に富んだ作品で多くの人が観に行くだろう。
ですが、本シリーズはアクションが地味、ストーリーも地味、キャラクターも面白味がないなど、作品としての魅力が一切ない。
出演者のブランド価値に頼った時点で作品としての価値はないと言える残念な作品でした。