作品紹介
公開年月 | 2018/02/12 |
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ジャンル | アクション/SF |
原作 | なし |
監督 | ジェッセ・ハーヤ |
脚本 | ペッカ・レートサーリ、ミーカ・J・ノルヴァント、ほか |
製作 | ティモ・プースティネン、トレヴァー・ドイル、ほか |
製作国 | フィンランド |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
多くの国民が失業に喘ぐフィンランドで、失職の末に世界的企業である“VALAケミカル社”に身を投じたラモ。
罪のない子供たちを人体実験で使い、激しい反発を受ける“NH25ワクチン”で巨額の利益を貪ろうとする企業の実態は巨大犯罪組織。
そんな企業に不信感を抱いたラモは機密資料を盗むが、その報復として妻と娘を殺され、暗黒のヒーロー“レンデル”として立ち上がるのだった。
登場人物&出演者
・ラモ/レンデル(演:クリストフェル・グンメルス)
主人公。トラスト社で財務部長を務めていた。VARA社への出資を独断で決めてクビになる。
クリストフェル・グンメルスは代表作に『パイレーツ・ロック』、『The Unknown Soldier』などがあります。
正しい判断をしたが、強い影響力を持つエロラによって転職の道すらも閉ざされてしまう。
クリッカからVALA社の資料処分を任されるが、そこで驚愕の事実を知って妻子を殺される。
タールネッテを直接顔に塗り込んでラモという人間を捨て、復讐の為にレンデルとなる。
最後は妻子を殺したロティッカをワクチンの過剰投与で殺し、レンデルとして犯罪と戦う。
・マーラ(演:アリナ・トムニコフ)
レンデルとなったラモと一緒に行動していた謎の女性。レンデルの後始末をしていた。
アリナ・トムニコフは代表作に『Night Goes Long』、『Veljeni vartija』などがあります。
常にレンデルを見張っていて、彼の無茶な行動に対しても意見を述べる良きパートナー。
実はロティッカに殺された娘に読んでいた物語のヒロインで、現実に存在しない存在である。
その正体は妻子を殺されてレンデルとなったラモが作り出した幻影で彼を支えていた。
最後はレンデルと重なっていたところでラターヤに刺され、それによって消滅してしまう。
・ニーナ(演:ミンナ・ネヴァーノハ)
ジャーナリスト。VALA社が開発したワクチンを取材し、ミスター・エロラから話しを聞く。
ミンナ・ネヴァーノハは本作が長編映画デビュー作となります。
独自の見解として製薬会社から断れている事や臨床実験の少なさから危険性を示唆した。
レンデルが現れた工場で助けられた女性に取材を敢行し、そこから彼の存在を知る。
VALA社の取材を通じてレンデルの姿を捕らえ、更に来たロティッカの姿も写真に撮る。
最後は写真を撮っていたところでロティッカに捕まるが、レンデルに助けられ協力者となる。
・クリッカ(演:テロ・サレニウス)
VALA社でワクチンの出資をトラスト社に依頼する。ラモに断れてすぐにエロラに報告した。
テロ・サレニウスは代表作に『Kuutamolla』『Suomen Marsalkka』などがあります。
ラモが数字に強い事に目をつけ、ワクチンに関する資料の処分をさせる仕事を紹介する。
200万ユーロを隠したせいでロティッカが金の居所を聞かれ、ラターヤに拷問される。
ブチ切れたロティッカに両脚のヒザを撃ち抜かれるが、中途半端な命令で病院に入院した。
最後はレンデルに助け出され、約200万ユーロを渡すも拒否され、外国へ高飛びした。
・ラデック(演:ジョニー・ヴィヴァッシュ)
傭兵。トップニュースで長い裁判の末に5回の終身刑を言い渡される凶悪な人物である。
ジョニー・ヴィヴァッシュは代表作に『The Time Surgeon』、『リバイアサンX/深海からの襲来』などがあります。
実は裏でVALA社と繋がりがあって、ミスター・エロラの一言ですぐに釈放されてしまう。
すぐに電話をかけて各地に散らばる仲間に呼びかけ、レンデルを狩る為にフィンランドへ。
工場でレンデルを待ち構えるも仲間があっさりと殺され、自身も斧を投げられて倒れた。
最後は二度目の戦いで女を殺されて怒り心頭だが、吊された車に押し潰されて呆気なく死亡。
・ラターヤ(演:レンネ・コルッピラ)
ロティッカの側近。いつも傍にいてバカをやっていても黙って付いて行く忠誠心の塊。
レンネ・コルッピラは本作が長編映画デビュー作となります。
父親からクズ呼ばわりされるロティッカの命令に逆らわず、忠実に従って仕事をしている。
無能な部下たちがロティッカのクズっぷりをレンデルに話すと、否定せずに肯定した。
相変わらず弱い者イジメしていたロティッカだが、工場にやって来たレンデルを迎え撃つ。
最後は誰よりもレンデルを追いつめるが、愛用の釘バットを側頭部に叩き込まれて死亡。
・ロティッカ・エロラ(演:ラミ・ルシネン)
VALA社の社長を務めるエロラの息子。典型的な無能でバカ息子であり失敗ばかりしている。
ラミ・ルシネンは代表作に『ワンダフル・ワールド』、『Euthanizer』などがあります。
エロラから汚い仕事を任されて部下を使うが、中途半端な命令でクリッカを逃してしまう。
常に部下を感情的に怒鳴りつけ、彼らが失敗するとピザの配達人を撃ち殺すほどのバカ。
失敗続きでついに父親から切り捨てられ、
・ミスター・エロラ(演:マッティ・オンニスマー)
VALA社の社長。フィンランド経済を発展させるワクチンを開発して世界に提供している。
マッティ・オンニスマーは代表作に『ワンダフル・ワールド』、『希望のかなた』がある。
しかし、充分な臨床実験の結果が得られず、その批判を受けてEUでのけ者にされている。
息子のロティッカがあまりにも無能で苛ついていて、会社を引き継がせられないと心配する。
何度も失敗していく息子に呆れてしまい、自分に銃口を向けても撃てない彼を怒鳴った。
最後はそれまでの失敗を精算する為にすべてを息子に託し、そのままロティッカに殺された。
感想
個人的な評価
本作は『未体験ゾーンの映画たち2018』にて上映された作品。
監督、製作、美術、衣装を手がけたジェッセ・ハーヤは創作したコミック原作を自ら実写映画化した作品です。
フィンランド発のダークヒーロー映画として話題になりましたが、個人的には不思議な『ワンダフル・ワールド』しか知りません。
あとはフィンランドのヘルシンキを舞台にした邦画『かもめ食堂』ぐらいの知識です。
そんな本作では妻子を殺された男が復讐の為に立ち上がるという、どこかで聞いたような物語となります。
妻子を殺されて復讐する点では『パニッシャー』であるが、主人公は単なる財務部長で元軍人でも警察官でもありません。
それなのにマスクをしているけど、基本的に己の体だけで悪人を倒していくという強引な設定が最後まで気になってしまった。
元軍人とかの設定ならば、悪人を次々と倒していくのは納得できるが、単なるサラリーマンがマスクを被っただけで強くなりました。
特殊能力があるワケじゃなく、強力な武器があるワケじゃなく、ただ固いマスクをしているだけのインパクトに欠けるダークヒーローです。
ただ、驚くべきはマスクは被っているのではなく、タール状のモノを直接顔に塗っているという点だろうと思います。
そこですぐに考えてしまったのは口も塞いでいるので、食事はどうやって摂取しているのか。
もちろん、本作ではそのような現実的な描写は一切なく、時間的にもそんなに経っていないような印象を受ける。
顔に直接タールを塗って一生取れない覚悟はスゴイが、現実的に考えたら餓死して終わりじゃないかと思う。
しかし、本作のツッコミどころはそこじゃなく、なんと言っても悪役たちが軒並みに弱い。
特に終身刑を5回食らった凶悪な男が集めたメンバーだが、紹介する為に時間を割いているのにビックリするぐらい一瞬で死にます。
だけど、それ以上に終身刑を5回食らった男がレンデルと直接戦う前に、投げられた斧で一回倒れ、次は吊された車に押し潰されて死ぬというギャグ。
あれだけで危険だという演出をしたのに、ギャグとしか思えない退場はハッキリ言って完全に滑っていました。
フィンランドのギャグはかなり高度だという事は分かったが、一体何がしたかったのかまったく分からなかったです。
それと、本作の致命的な部分で時系列をごちゃ混ぜにしてしまったせいで、全体的にテンポが恐ろしく悪い。
なぜ主人公がレンデルになったのか徐々に明かされていくが、そんな事をしたらテンポが悪くなるのは当然です。
ここら辺はちゃんとマーベルやDCを見習うべきで、最初に原因を提示してから復讐劇を展開させるべきでした。
ヒーロー映画というのはある程度許せる部分があるけど、本作はすべてにおいて微妙に外していて、とても残念な作品でした。