作品紹介
公開年月 | 2014/10/13 |
---|---|
ジャンル | サスペンス |
原作 | ギリアン・フリン 『ゴーン・ガール』 |
監督 | デヴィッド・フィンチャー |
脚本 | ギリアン・フリン |
製作 | レスリー・ディクソン、リース・ウィザースプーン、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
ミズーリ州の田舎町で結婚して5年目になるニックとエイミーは、誰もが羨む理想の夫婦。
ところが結婚記念日にエイミーは突然姿を消し、部屋には争った形跡があって、大量の血液が拭き取られている事が判明する。
警察は他殺と失踪の両面から捜査を開始し、美しい人妻が謎めいた失踪事件に世間から注目を集めていた。
全米からマスコミが殺到する中、夫であるニックの不可解な言動で、いつしか疑惑と批判を受ける事になるのだった。
登場人物&出演者
・ニック/ニコラス・ダン(演:ベン・アフレック)
主人公。バーを経営している。雑誌の記者で主に男性向けのファッションを書いている。
ベン・アフレックは近年の出演作に『夜に生きる』、『ザ・コンサルタント』があります。
失踪した妻の事情聴取を受けるが、彼女が普段何をしていて血液型も知らない。
自分とは住む世界が違うエリート女性のエイミーに対してプレッシャーを感じていた。
そのせいで彼女が失踪してから当事者とは思えないような言動で世間から反感を買う事に。
何もかもエイミーの立てた計画に翻弄され、殺人犯に仕立てようとしていた。
・エイミー・エリオット・ダン(演:ロザムンド・パイク)
ヒロイン。ニックの妻で失踪した。ハーバード大卒で『アメージング・エイミー』の作者。
ロザムンド・パイクは近年の出演作に『サンダーバード ARE GO』、『リベンジ・トラップ/美しすぎる罠』などがあります。
最初はニックに対して愛情を感じていたが、ミズーリ州の田舎町に引っ越してから変わる。
子供を作ろうとニックに迫るも時期が悪いと突き放され、挙げ句は暴力を振るわれてしまう。
それによって張り詰めていた別人を演じていた事に疲れ、ニックを罠にハメる計画を立てる。
ハーバード大卒のエリートで完璧すぎる計画によって目論み通り夫が世間から反感を買う。
・マーゴ・ダン(演:キャリー・クーン)
ニックの双子の妹。バーの共同経営者。ニックとは仲良いがエイミーとは微妙な関係。
キャリー・クーンはテレビドラマ『LEFTOVERS/残された世界』などが有名です。
誰よりもニックの性格を知っていて、彼の不器用な言動に注意をしている。
ニックが短大の教え子と浮気している事を知り、烈火の如く怒って兄を突き放してしまう。
更にエイミーが妊娠している事を近所のノエルが口にして兄に対して不信感が高まる。
しかし、すべてはエイミーの罠だと知って、タナーの高い弁護料を肩代わりする。
・デジー・コリングス(演:ニール・パトリック・ハリス)
エイミーの元彼。高校時代にエイミーと付き合っていたが、別れる時に自殺を図った。
ニール・パトリック・ハリスは代表作に『スターシップ・トゥルーパーズ』、『キャッツ&ドッグス/地球最大の肉球大戦争』などがあります。
近くのセントルイスに引っ越しているが、裁判所から接近禁止令を出されている。
初恋のエイミーをずっと忘れられず、ピンチに立たされた彼女を密かに助ける。
しかし、それは長年に渡ってエイミーが計画の為に保険として手紙で繋がっていた。
・タナー・ボルト(演:タイラー・ペリー)
ニックの弁護士。最初はテレビを通じてニックの弁護士を引き受ける最適の弁護士。
タイラー・ペリーは代表作に『スター・トレック』、『バーニング・クロス』があります。
追い込まれたニックが助けを乞うが、キッチリと準備をしていた彼の依頼を待っていた。
用意周到なエイミーの計画に踊らされたニックを唯一助けられる人物として助力する。
・ロンダ・ボニー刑事(演:キム・ディケンズ)
ニックの通報で自宅を捜査する。『アメージング・エイミー』を知っていて驚く。
キム・ディケンズは代表作に『インビジブル』、『ギフト』などがあります。
冷静に捜査をしていくが、それはエイミーが計画した通りの動きだった。
当初はニックを疑っていながらも決定的な証拠がなく逮捕に冷静な判断を下す。
状況証拠などでニックが犯人なのが決定的だが、それでも何か引っかかっていた。
・アンディ・フィッツジェラルド(演:エミリー・ラタコウスキー)
ニックの浮気相手。ミュージカルに出演する女優。ニックに対して献身的な愛を示す。
エミリー・ラタコウスキーにとって本格的な長編映画のデビュー作となります。
操ろうとするエイミーとは違い、心の底からニックを愛している正直な小娘。
感想
個人的な評価
ギリアン・フリンの同名小説を基に作られています。
本作ではギリアン・フリンが脚本としても参加しています。
ギリアン・フリンにとって3作目の小説だが、初の実写映画化となっています。
監督を務めるのは『ファイト・クラブ』や『ソーシャル・ネットワーク』で知られるデヴィッド・フィンチャーが務めています。
ギリアン・フリン原作の作品には『ダーク・プレイス』を先に鑑賞しています。
『ダーク・プレイス』ではシャーリーズ・セロンの存在感に圧倒された。
内容も決してスッキリしないような展開であるが、それこそがギリアン・フリンの持ち味。
そんな本作では主人公を演じるベン・アフレックよりも、その妻を演じるロザムンド・パイクが凄まじいインパクトを残しています。
ハッキリ言って、『ダーク・プレイス』のシャーリーズ・セロンよりも強烈でした。
当初はベン・アフレックが演じるニックが彼女に暴力を振るう悲劇のヒロインであった。
しかし、物語が中盤に差し掛かると、状況は一変して妻のエイミーを演じるロザムンド・パイクの本領発揮となります。
いわゆるサイコパスという存在をエイミーが見事に体現してくれています。
自分の利益の為ならば、平然と人を利用して、彼らを思うがままに操るサイコパス。
本作のエイミーはそんなサイコパスの手本とも言えるほど美しく完璧なのです。
そんな完璧なエイミーが選んだニックはバカでどうしようもない男だが、彼女にとってメリットのある存在だと言えます。
だからこそ彼が調子に乗って浮気をしている事を許さず、最初は犯罪者に仕立てるが、彼の演技力を見て考えを改めて元の鞘に戻る。
ロザムンド・パイクは目を見開いた演技はいつも怖い印象を持ったが、本作でのサイコパス役はまさにそれを活かしたキャラクターとなった。
どうしてもエイミーが目立っているが、個人的にはニックの双子の妹であるマーゴの存在も大きかったと思います。
世間から反感を買う中、最初から最後までニックを信じていたマーゴは素晴らしい妹です。
戻ってきたエイミーと暮らす事になったニックだが、誰よりも彼の苦しみを知って代わりに涙を流すシーンは愛情の深さを感じました。
デヴィッド・フィンチャー監督は上手い監督であるが、本作の題材はハマっていました。
本作はエイミーのサイコパスぶりが強烈なインパクトだが、別のメッセージとして結婚生活を暗示していると思います。
お互いに愛情がなくても、果たすべき責任を果たさないといけないし、例え演技だとしても完璧にやらないといけないという意味合い。
それもすべて妻主導でやれば、物事は順調に進み、明るい未来が待っているというメッセージだと感じました。