インフェクテッドZ RE-2957

作品紹介

公開年月  2018/08/14
ジャンル  ホラー/アクション
原作  なし
監督  ステファン・ルツォヴィツキー
脚本  マイク・リー
製作  ヴィンセント・ニューマン
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

人間を凶暴な捕食者に変異させる新型狂犬病で世界は崩壊し、生存者たちは感染者(インフェクテッド)の襲撃を逃れる為、軍が警備する核貯蔵の地下施設で生活していた。
感染者と意思疎通ができる特殊な能力を持つモーガンとローズ博士が率いる研究チームは、第1号を見つけて元の人間に戻す治療法を探る。
必死の研究に挑む彼らだが、軍が捕虜した感染者の体内に発信機が仕掛けられていた事により、突如インフェクテッドの大軍が地下施設へ雪崩れ込むのだった。

登場人物&出演者

モーガン(演:マット・スミス)
主人公。過去に噛まれた発症せず、その影響で感染者と意思疎通ができる特殊能力を持つ。
マット・スミスは代表作に『ターミネーター:新起動/ジェニシス』、『高慢と偏見とゾンビ』などがあります。
妻のジャネットが感染して特殊能力のおかげで会話できるが、治療しようと懸命になる。
そのワリに研究しているローズ博士とは恋人関係であり、明らかに行動に矛盾を生じている。
ローズを妊娠させても気付かず、ジャネットを助けようとするも彼女から言われてしまう。
最後はヤンセン教授に彼らの患者1号と言われ、ローズとともに施設をなんとか脱出した。

ジーナ・ローズ博士(演:ナタリー・ドーマー)
ヒロイン。地下施設でインフェクテッドの研究をする責任者。カギを握るモーガンの恋人。
ナタリー・ドーマーは代表作に『カサノバ』、『JUKAI/樹海』などがあります。
モーガンが妻を救いたい気持ちを分かりながらも、なぜか一線を越える関係を持っている。
何もかも武力に頼ろうとするノックスのやり方が気に入らず、常に反抗的な態度を取る。
モーガンがジャネットと儲けられなかった子供を授かり、遠回しに治療を諦めるように言う。
最後はジャネットに妊娠している事をモーガンに告げられ、一緒に彼と施設を脱出した。

ジャネット(演:アギネス・ディーン)
モーガンの妻。現在はインフェクテッドとなっていて、薬を投与して経過を見ている。
アギネス・ディーンは代表作に『タイタン』シリーズ、『ペイシェント・ゼロ』があります。
なんとか治療したいモーガンの思いを知るが、ローズと肉体関係をなんとなく感じ取る。
感染による解放を受け入れていたが、モーガンの強い想いを感じて治療をしていた。
子供を儲けられず、もう人間ではない自分に対する嫌悪感を持ちながらも涙が流せず。
最後はローズが妊娠している事をモーガンに告げ、彼らを逃がす為に犠牲となった。

ノックス大佐(演:クライブ・スタンデン)
地下施設にあるインフェクテッドの研究所を守る任務にあたる。研究を疑問視している。
クライブ・スタンデンは代表作に『エベレスト3D』、『ペイシェント・ゼロ』があります。
インフェクテッドは処分するべきだという考えを持ち、成果がないと無断で処刑する。
そのせいでローズと何度も揉めていて、彼女がモーガンと付き合っている点も気に食わず。
自ら乗り込んできたヤンセン教授に部下を襲われ、その際に左腕を骨折してしまう。
最後は施設がインフェクテッドに襲われ、ローズと逃げるようとするも裏切られ射殺された。

スクーター(演:ジョン・ブラッドリー)
地下施設にあるインフェクテッドの研究をする一人。ムードメーカーとして存在感がある。
ジョン・ブラッドリーは代表作に『マン・アップ!60億分の1のサイテーな恋のはじまり』、『ペイシェント・ゼロ』などがあります。
常に下ネタを口走って場を和ませる貴重な存在で、ノックス大佐からも認められている。
実験用のインフェクテッドが拘束を外して暴れて止めようとするも右腕を噛まれてしまう。
最後はすぐにローズが処置をするも間に合わず、ノックスが仕方なく処刑を敢行された。

マイケル・ヤンセン教授(演:スタンリー・トゥッチ)
ミネアポリスの大学で哲学を教えていた。他のインフェクテッドと違って理知的な人物。
スタンリー・トゥッチは近年の出演作に『トランスフォーマー/最後の騎士王』、『美女と野獣/2017年版』などがあります。
あくまでモーガンとは落ち着いて会話するが、普通の人間からは咆えているだけになる。
モーガンの噂を知っていて、自ら捕まって地下施設にやって来て彼と会話を楽しんでいた。
インフェクテッドになった事こそ進化した結果だと考え、モーガンに興味を持っている。
最後は施設を仲間に襲撃させ、モーガンこそが目的として追い詰めるも逃げられてしまう。

感想

個人的な評価

本作は一見してゾンビ映画ように見えるが、あくまで感染系ホラー映画となります。
更に本作は『カンヌ国際映画祭』にて最高賞であるパルムドール賞を受賞したマイク・リーの脚本となっています。
ウイルスに感染した人間は90秒で発症し、凶暴性が増して人間を襲うという『28日後…』の系譜になります。
生きた人間が感染しているだけなので、制限をかける事なく、身体能力が向上されてゾンビよりも厄介な存在となっている。
本作は低予算映画の作品ではなく、それなりの予算がかかっていて、有名な役者もしっかりと出演しています。
ただ、どうしてもインパクトのある描写が多い『28日後…』と比べると、見劣りする部分が多いと感じた。
第一に主人公が妻を治療しようと感染者と会話するが、その裏で研究している女を妊娠させているという二股野郎である。
その為、愛する妻を治そうという目的に説得力がなくなり、妊娠を知らないにしても一線を越えた女を蔑ろにする態度はどうにも気に食わない。
感染者と会話する設定は悪くないし、『28日後…』よりも広がりのありそうな展開だが、主人公の行動は最後まで気に食わなかったせいでどうでも良くなった。
なぜ二股の設定にしたのか分からないが、これは個人的に最後まで足を引っ張っていました。
魅力のない登場人物だらけの中で、後半に登場するスタンリー・トゥッチの圧倒的な支配力は素晴らしかったです。
感染者でありながら主人公と会話する時の理知的な言動は素晴らしく、他の人間から見ると咆えているだけの獣みたいな対照的な姿は興味深い。
本作はほぼスタンリー・トゥッチで持っているようなモノで、続編を作るとしたら主人公にとって最大の敵になるだろうと思います。
このようにラストは主人公とヒロインだけが生き残って脱出するけど、もう続編を作る気満々であまりよろしくない。
これが圧倒的に面白い作品ならば気になるが、二股をかけた主人公に興味はありません。
スタンリー・トゥッチが主人公になるならば観たいが、同じままの主人公ならば続編はどうでもいいと感じました。