モーガン/プロトタイプL-9 RE-2569

作品紹介

公開年月  2016/09/02
ジャンル  SF/サスペンス/ホラー
原作  なし
監督  ルーク・スコット
脚本  セス・オーウェン
製作  リドリー・スコット、マイケル・シェイファー、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

シンセクト社の研究施設で開発された人』言う生命体の試作品L-9「モーガン」は、研究者を襲って大ケガさせる事故が発生。
調査の為に本社から危機管理コンサルタントのリー・ウェザーズと、心理学者のシャピロ博士が派遣される。
リーは隔離されたモーガンと対面し、シャピロはモーガンの心理評価をした時、彼女は突然混乱し始めるのだった。

登場人物&出演者

リー・ウェザーズ(演:ケイト・マーラ)
主人公。リスク管理のコンサルタント。モーガンが起こした事故の調査の為にやって来た。
ケイト・マーラは近年の出演作に『捕われた女』、『オデッセイ』などがあります。
当初から職務である会社の利益とリスクを評価する為にスタッフとは冷たい態度を取る。
シャピロ博士の心理評価で本性を暴かれたモーガンの廃棄処分をいち早く下した。
しかし、モーガンに愛情を持ってしまったスタッフによって麻酔で眠らせてしまう。
最後はモーガン、エイミー、スキップを殺し、その正体が以前の試作モデルと暴露される。

モーガン(演:アニャ・テイラー=ジョイ)
シンセクト社による合成DNAによって誕生した人工生命体。通常の人間よりも成長が早い。
アニャ・テイラー=ジョイは代表作に『ウィッチ』、『スプリット』などがあります。
誕生から5年しか経過していないにも関わらず、容姿は20歳前後で知能は非常に高い。
気が立った事でキャシーの左目をペンで潰した暴走で本社の製品化を問う審査にかけられる。
シャピロ博士の心理評価によって本性を暴かれ、廃棄処分を知ってスタッフを殺していく。
最後は念願だった湖で生きている事を感じるもウェザーズの追撃で溺死させられる事に。

エイミー博士(演:ローズ・レスリー)
行動心理学者。過去に発表した論文をウェザーズが評価するが、人間嫌いの一面を持つ。
ローズ・レスリーは代表作に『17歳のエンディングノート』、『ラスト・ウィッチ・ハンター』などがあります。
モーガンと一番距離が近く、誰よりも彼女を人間として認めるがゆえに残酷な現実を見せた。
シャピロ博士がモーガンに殺され、彼女の廃棄が決定されるがウェザーズを止めた。
回収チームが来る前に施設からの脱出しようとするが、モーガンの暴走をパニックとなる。
モーガンが唯一殺さなかったが人物だが、最終的に本性を現したウェザーズに殺される。

スキップ(演:ボイド・ホルブルック)
栄養学者。キッチン担当で食材については熟知している。猟銃で狩りをして食材を調達する。
ボイド・ホルブルックは代表作に『ラン・オールナイト』、『LOGAN/ローガン』がある。
博士たちと立場が違う事もあって、本社の人間であるウェザーズに対して積極的に話す。
スタッフが全員モーガンを娘と思っているが、科学者じゃない立場として気味悪いと考える。
モーガンが暴走を始めてようやく状況を知り、スタッフが殺された事で動揺していた。
最後はモーガンが行く場所にウェザーズを連れて行くが、余計な質問したせいで殺される。

テッド・ブレナー(演:マイケル・ヤレ)
プロジェクト・マネージャー。本社からやって来たウェザーズに施設やスタッフを紹介する。
マイケル・ヤレは代表作に『エイリアン・プラネット』などがあります。
主な業務としてモーガンがいる部屋をモニターして監視する役目を担っている。
他のスタッフと同じようにモーガンを娘のように思い、今回の事故に心を痛めていた。
ウェザーズがモーガンの廃棄を決定するも、他のスタッフとともに反対して彼女を閉じ込めた。
本性を現したモーガンを止めようとする銃を向けるも取られてしまい、殺されてしまう。

キャシー博士(演:ジェニファー・ジェイソン・リー)
モーガンと一緒に食事をしようとしたが、彼女を怒らせて左目をペンで突き刺され失明した。
ジェニファー・ジェイソン・リーは代表作に『ミセス・パーカー/ジャズエイジの華』、『ヘイトフル・エイト』などがあります。
これが起因となって本社からウェザーズが派遣され、モーガンの心理評価をする事に。
左目を失ってもモーガンに対する愛情は変わらず、自分のミスだとウェザーズに説明した。
モーガンがチェン博士を殺そうとした道中に現れるが、あっさりと撲殺されてしまう。

ブレンダ(演:ヴィネット・ロビンソン)
研究チームの一人。医療担当でモーガンの暴走で失明したキャシーの看病をしていた。
ヴィネット・ロビンソンは代表作に『ヴェラ・ドレイク』、『四角い恋愛関係』があります。
モーガンのおかげでダレンと結婚したと感謝の意を示し、彼女を娘のように思っていた。
廃棄処分が決まっても反対し、脱出するべく車に荷物を詰めるもモーガンに殺される。

ダレン(演:クリス・サリヴァン)
研究チームの一人。施設に来てから医療担当のブレンダと出会って結婚している。
クリス・サリヴァンは代表作に『クライム・ヒート』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』などがあります。
モーガンの事を「相棒」と呼び、廃棄処分が下された時も手をかける事に拒否をした。
施設を脱出しようとするが、本性を現したモーガンによってあっさりと殺される。

ジーグラー博士(演:トビー・ジョーンズ)
研究チームのリーダー的存在。本社からやって来たウェザーズに研究成果を話した。
トビー・ジョーンズは代表作に『ハリー・ポッターと秘密の部屋』、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』などがあります。
モーガンは完成された新たな人間だと研究の成果を語るが、チェン博士とは気まずい雰囲気。
心理評価でモーガンがシャピロ博士を殺した事で研究が中止になるも諦められない様子に。
結局、人生を捧げた研究が中止した事で絶望して、ひっそりと首吊り自殺をしてしまう。

チェン博士(演:ミシェール・ヨー)
技術責任者。ウェザーズの考えを知り、ヘルシンキで起きた事件について中国語で語った。
ミシェール・ヨーは近年の出演作に『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』、『メカニック:ワールドミッション』などがあります。
モーガンとは家族のような関係となった他のスタッフと違い、冷静に状況を分析している。
当初から危惧していたモーガンの暴走が現実となって、研究の中止をすんなりと受け入れた。
それでもモーガンを失う事に心を痛め、共に研究したジーグラー博士に会うも拒絶された。
最後は研究が失敗とビデオに録画し、モーガンが別れの挨拶とともに窒息死させられる。

シャピロ博士(演:ポール・ジアマッティ)
心理学者。重要なモーガンの心理評価を担う。モーガンを人間ではなく製品として扱う。
ポール・ジアマッティは近年の出演作に『ストレイト・アウタ・コンプトン』、『リトルプリンス/星の王子さまと私』などがあります。
軽い気持ちで心理評価に臨み、安全対策は必要ないとモーガンとは面と向かって会話をした。
その結果、モーガンの感情を揺さぶってしまい、彼女の持つ本性を暴くも殺される事に。

感想

個人的な評価

本作は『エイリアン』シリーズなどで有名なリドリー・スコット監督の息子であるルーク・スコットの長編映画の監督デビュー作となります。
更にそのリドリー・スコットが製作に回って、全面的に親バカぶりを発揮してサポートする。
なので、基本的に本作はリドリー・スコットという名前の方が大きく宣伝されています。
ルーク・スコットは監督としての経験が乏しく、長編映画を撮るには不慣れな部分があると思われます。
そこで、親バカであるリドリー・スコットは手を差し伸べているが、それはマイナスの結果に繋がったと感じました。
本作の雰囲気はイギリス映画である『エクス・マキナ』や『ザ・マシーン』と似ています。
どちらの作品も人工知能を扱った機械が媒体となっているが、本作との違いは人間というだけで本質的な部分ではまったく一緒だと言えます。
研究によって生み出された人工生命体は、既存の人間よりも成長速度が早く、知能もずば抜けているという設定は分かります。
しかし、それを活かそうとする感じがまったくなくて、特に顕著となったのはクライマックスでのアクションでしょう。
あくまで最終手段として暴力を使うのは分かるが、人間よりも知能が優れているのならば、もっと計画的に物事を進めるべきだと思う。
いくら感情を与えられたからって、場当たり的な行動に設定が空中分解してしまっている。
これは完全に監督が扱いきれていない事になって、自ら無能だと言っているようなモノ。
退屈な前半を盛り上げるのはアクションの詰まった後半と考えるならば、そもそもの出発点が間違っています。
『エクス・マキナ』や『ザ・マシーン』は面白い作品じゃないが、両方ともちゃんと最初の雰囲気を最後まで守っていました。
それに対して、本作は本格的なアクションの演出を取り入れていて、完全に最初の静的な雰囲気をぶち壊しに行っている。
これはワザとやっているのだろうが、観ている側からしたら、興醒めもいいところです。
ハンバーグだと思って食べたらケーキだったという笑えないイタズラにしかも感じません。
所詮は親バカのおかげで映画を撮らせてもらっているので、この程度だと受け入れるしかないのでしょうね。