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パキスタン・ゾンビ RE-3224

パキスタン・ゾンビ RE-3224

作品紹介

公開年月  2007/03/31
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  オマー・カーン
脚本  オマー・カーン、ピート・トムズ
製作  アンドリュー・スターク、ピート・トムズ
製作国  パキスタン
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

アーイシャはサイモンたちに誘われ、5人の若者たちはロックコンサートに向かっていた。
道中、5人は大麻入りのケーキを買い込んで楽しんでいたが、気付いたら道に迷ってしまう。
ガス欠になって内輪揉めをしていた時、木陰から一体のゾンビに襲われるのだった。

登場人物&出演者

アーイシャ(演:ルーシャニー・エハズ)
ロックコンサートに出かける若者の一人。父親はすでに他界して嘘をついて出かけている。
ルーシャニー・エハズは本作が長編映画デビュー作となります。
どう考えてもグループの中で浮いた存在であるが、どうしてもロックコンサートに行きたい。
ロキシーやOJの自己中たちに囲まれ、ほとんど存在感がないクセに文句だけは言っている。
サイモンと二人っきりになるも彼の好意を分かっていながら適当に受け流していた。
最後はファイナルガールとしての補正で殺人鬼を殺すが、ゾンビ化したOJに襲われていた。

サイモン(演:ハイダー・ラザ)
ロックコンサートに出かける若者の一人。父親は掃除屋で勉学に対して何かと文句を言う。
ハイダー・ラザは本作が長編映画デビュー作となります。
自分だけの力でで奨学金を勝ち取っているが、父親に対して頭がまったく上がらない。
街を出る寸前に父親が目の前を歩くが、すぐに隠れて
OJが噛まれてケガを負っていると、なんとか元の道に出ようと必死に地図を読んでいた。
アーイシャと二人っきりになって談笑するが、殺人鬼がいる工場にたどり着いてしまう。
最後はアーイシャと別に逃げたところで追いかけられ、モーニングスターの一撃で死亡する。

ロキシー(演:ルビア・チョードリー)
ロックコンサートに出かける若者の一人。金持ちで自己中。メイドに対して上から目線。
ルビア・チョードリーは代表作に『Good Morning Karachi』などがあります。
パキスタンに対して悲観的な考えを持ち、大学を卒業したらアメリカに行くと宣言している。
OJの持ってきたハッパを吸ってハイになるが、彼が大ケガを負ってもほとんど心配せず。
ゾンビに囲まれたせいでパニック状態となり、森へ逃げて殺人鬼の母親の小屋にたどり着く。
最後は殺人鬼に見つかって逃げるが、母親の叫びに立ち止まり、背後から首を折られて死亡。

OJ(演:オスマン・カリッド・バット)
ロックコンサートに出かける若者の一人。コンサートのチケットを入手してみんなに渡す。
オスマン・カリッド・バットは代表作に『Slackistan』、『Baaji』などがあります。
ホラー映画好きでディーワナが有名な俳優だと話すが、当然のように否定されてしまう。
ディーワナの特製ケーキを食ったせいで気分が悪くなり、途中で降りるとゾンビに襲われる。
道に迷っている最中に噛まれたせいで感染するが、誰も知識がないのでゾンビ化していく。
最後はゾンビになり森をさまよっていると、殺人鬼を倒したアーイシャに遭遇して襲う。

ヴィッキー(演:クンワル・アリ・ロシャン)
ロックコンサートに出かける若者の一人。みんなを連れて行く趣味の良い車を調達する。
クンワル・アリ・ロシャンは本作が長編映画デビュー作となります。
道中には有名なチャイの店を見つけると、みんなで降りて目的の大麻入りケーキを買った。
運転手なので特製ケーキを食わなかったが、近道をしようとして余裕で迷ってしまう。
ゾンビの群れに襲われてなんとか逃げ出したが、更に迷って殺人鬼一家が住む森に入った。
最後は近くの工場に助けを求めるが、殺人鬼の居場所と知らずに殺されて解体されてしまう。

ディーワナ(演:レハン)
有名なチャイを売る店の経営者。50年にも渡って大麻入りの特製ケーキを売っているらしい。
レハンは代表作に『Zinda Laash』、『Anokha Daaj』などがあります。
特製ケーキを目当てに来たアーイシャたちに説教を垂れるが、観光客のおかげで英語も話す。
最後はアーイシャたちが向かう道の先は「地上の地獄」だと称し、カメラ目線で笑っていた。

殺人鬼(演:スルタン・ビッラ)
森の奥にある工場で暮らす。大男並みの体格をした娘。全身を覆うブルカを着ている。
スルタン・ビッラは本作が長編映画デビュー作となります。
工場を訪れる人間を襲って、すぐに解体して遠くから肉を求める客に売っているらしい。
母親と兄がいて、大事な娘として育てられるが、見た目がアレなのでブルカを着せられる。
助けを求めてきたヴィッキーを背後から襲い、新鮮な肉をすぐに解体して売り物にする。
最後はファイナルガールのアーイシャに油断し、あっさりと返り討ちに遭ってしまう。

感想

個人的な評価

本作は『ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバル』にて上映された作品です。
非常に珍しいどころか、今回が初めてだと思われるパキスタン映画となります。
まず、パキスタンという国に対して、イスラム宗教や貧しい、それとインドと仲が悪いというイメージがあります。
しかしながら、実情はよく分からないので、本作から語られる国の事情は一つの勉強になるとおもいます 。
イギリスから独立した国だけあって、英語は普通に使われているけど、最先端技術と石器時代が混ざったような状態だと登場人物たちは嘆いています。
劇中では頻繁に水質問題について取り上げていて、実際に流れている映像も作り物ではない本物だろうと思います。
本作のような邦題で国や地域の名前が入っている作品だと、それだけでも独創性があって興味深いところがあります。
序盤こそゾンビ映画を感じさせる展開であるけど、中盤以降はなぜか『悪魔のいけにえ』をベースにした殺人鬼映画に変わりました。
ジャケットに映っているのはその殺人鬼であり、邦題の「パキスタン・ゾンビ」はちょっとムリがあるような印象になってしまう。
それでも、ラストでは思い出したかのようにゾンビが登場するので、本作は一応ゾンビ映画として扱うつもりです。
登場人物たちは典型的なバカ者(若者)であり、各キャラクターもステレオタイプで、主人公だけはちょっと違う雰囲気という感じです。
もちろん、主人公はラスト近くまで存在感がなく、ほとんど何もしませんが、最後には殺人鬼をぶっ殺す展開もまた既視感たっぷりである。
もう本作は製作者が『悪魔のいけにえ』が大好きなのは伝わるし、インスパイアじゃなく、ほとんどパクリのような展開になっています。
殺人鬼の家族構成や目的は酷似しているが、そこはパキスタンらしく、全身を包むブルカという民族衣装で迫ってきます。
しかも、オリジナリティを出そうとして武器はモーニングスターで、それを無意味に振り回しながら追いかけてきます。
ブルカを着て、モーニングスターを振り回しながら夜の森を殺人鬼が追いかけてくるシーンはなかなか強烈です。
ゾンビ映画としては非常に物足りないけど、殺人鬼映画としても唐突すぎるので、両者を組み合わせたのは悪くないと思います。
ただ、双方に因果関係がまったくないし、あれだけ扱っていた社会問題も放置されたので、そこら辺の相互関係があればもっと面白くできたはずです。