アサイラム/監禁病棟と顔のない患者たち RE-2645

作品紹介

公開年月  2014/10/24
ジャンル  サスペンス/ホラー
原作  エドガー・アラン・ポー 『タール博士とフェザー教授の療法』
監督  ブラッド・アンダーソン
脚本  ショー・ガンジェミ
製作  ブルース・デイヴィ、メル・ギブソン、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

1899年のイギリス、オックスフォード大学の学生エドワードは、精神科医として実習を積むべく、辺境の地にあるストーンハースト精神病院を訪れる。
ラム院長はエドワードを温かく迎え入れ院内を案内するが、この病院は患者も医師と一緒に食事をして、投薬もされず自由に生活していた。
そんな中、美しい患者のイライザに目を奪われたエドワードだったが、彼女は「早くこの病院から逃げろ」と忠告するのだった。

登場人物&出演者

エドワード・ニューゲート(演:ジム・スタージェス)
オックスフォード大学の医学生。精神鑑定医を目指すべく、経験を積もうとやって来た。
ジム・スタージェスは代表作に『ブーリン家の姉妹』、『クラウドアトラス』があります。
6歳の時に両親を亡くし、孤児院で育っているが、最悪の環境で人を観察する事を学ぶ。
ストーハースト精神科病院の地下で本当の院長や看護師たちを見て危険な状況を把握する。
酒に薬を盛るがフィンが邪魔をして電気での治療を施される寸前にイライザに助け出される。
イライザとイタリアに行くが、その正体は精神異常者だが、彼女との出会いで立ち直った。

イライザ・グレーブス(演:ケイト・ベッキンセイル)
ストーンハースト精神科病院の美しき患者。夫は莫大な資産を所有するが変態趣味を持つ。
ケイト・ベッキンセイルは近年の出演作に『アンダーワールド/ブラッド・ウォーズ』、『フォービドゥン/呪縛館』などがあります。
ヒステリーを起こし、夫の耳を食い千切り目を櫛でくり貫き、父親により入院させられた。
夫のせいで男性に触れるだけで発作を起こしてしまい、ラムが彼女を助けるべく匿っている。
エドワードが電気治療を受けようとした時に乱入し、彼の言葉で男性恐怖症を克服する。
最後はエドワードが約束した通りにイタリアに行って、彼と幸せな日々を過ごす事となった。

ミッキー・フィン(演:デヴィッド・シューリス)
ストーンハースト精神科病院の警備責任者。名前の由来は「酒に薬を持った」という意味。
デヴィッド・シューリスは近年の出演作に『ワンダーウーマン』、『アノマリサ』がある。
実はストーンハースト精神病院の患者であり、医師や看護師に薬を盛っていた張本人。
エドワードに対して不信感を抱いており、ラムには早く牢屋に閉じ込めるべきだと進言する。
新年を迎える時、一人で踊っていたミリーを見かけると、彼女の首を絞めて殺した。
最後はエドワードに電気治療しようとするが、イライザが阻止し逆に電流を浴びて焼死する。

サイラス・ラム(演:ベン・キングズレー)
ストーンハースト精神科病院の院長。貴族や名家の出身が主な患者で自然のままに治療する。
ベン・キングズレーは近年の出演作に『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』、『セキュリティ』などがあります。
教科書通りに対応しようとするエドワードに対し、投薬こそが最悪の治療だと主張する。
実はストーンハースト精神病院の患者であり、精神異常者で悪魔の心を持っているという。
過去に軍医として働いていたが、治療できない兵士たちの頭を撃ち抜いて助けたと言い張る。
最後は兵士の写真をエドワードに見せられ、大きなショックを受けて自我が崩壊する事に。

ベンジャミン・ソルト(演:マイケル・ケイン)
ストーンハースト精神科病院の地下にある牢屋に閉じ込められた。実は病院の院長という。
マイケル・ケインは近年の出演作に『ダンケルク』、『ジーサンズ/はじめての強盗』がある。
院長だった頃、患者たちへの扱いは治療ではなく拷問で、恐怖を感じないラムに興味を持つ。
地下にやって来たエドワードに真実を話し助けを呼ぶよう町に行ってくれと頼み込んだ。
ラムの説得を試みるエドワードに対し、冷酷に兵士を殺した男は変えられないと警告する。
最後はラムの怒りを買ってしまい、電気を頭部に流されて記憶がすべて消えてしまう。

精神鑑定医(演:ブレンダン・グリーソン)
大学の講義をしている時、夫の暴力でヒステリーを起こしたイライザを紹介した。
ブレンダン・グリーソンは近年の出演作に『パディントン2』、『アウトサイダーズ』などがあります。
一連の出来事が収拾してストーハースト精神科病院を訪れると、そこで衝撃の事実が発覚。
彼こそがエドワード・ニューゲートで、先にやって来た若者は彼の患者だったという。

感想

個人的な評価

本作は史上初の推理小説『モルグ街の殺人』などで有名なエドガー・アラン・ポーの小説を基に作られています。
監督を務めるのは『マシニスト』や『リセット』で知られるブラッド・アンダーソンです。
さすがにエドガー・アラン・ポーの作品だけあって、単純な終わり方をしていません。
早い段階から病院が患者たちに乗っ取られている事が分かるけど、そこからの駆け引きも本作の魅力の一つだと言えます。
やはり、脇役に名優たちを据えているので、彼らの確かな演技力で引き込まれていきます。
一方では過去に行った非道な行為がトラウマとして残り、一方は平然と人間を実験動物のように扱う冷酷な人物。
両者の立場が逆転して被害者と加害者が入れ替わるが、果たして同情し、憎むべきなのかという点が非常に曖昧となります。
当初は院長に扮したラムが悪者だと思ったら、囚われている本物の院長も実は冷酷な事を平然でやっていたという。
そうなると、どちらが正しいのか分からなくなり、観ている側としてはどちらに感情を置くべきか揺さぶられる展開となっている。
その板挟みになっているイライザと、そんな彼女に対して異常とも言える執着心を持つエドワードという青年。
非常に不安定な要素のイライザ、明らかに劣勢で勝ち目のない戦いを挑もうとするエドワードの諦めないところも引きつけられる。
現代医学では患者を社会復帰させる事が第一だが、当時はとにかく大人しくさせる事が第一の目的という点も恐ろしい。
時代も変われば、医学の目指すポイントも違ってくるという意味で本作はなかなか興味深いテーマだと言えるだろう。
出演者の豪華さもさる事ながら、彼らの演じている一見してマトモであるが、それぞれが内に秘めている狂気が如実に伝わってきます。
物語としてはそこまで派手ではないのですが、どんでん返しが三度も起きるので、最後まで「なるほど」と思わせる作品でした。