作品紹介
公開年月 | 2018/11/06 |
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ジャンル | サスペンス/犯罪 |
原作 | リンダ・ラ・プラント 『WIDOWS』 |
監督 | スティーヴ・マックイーン |
脚本 | ギリアン・フリン、スティーヴ・マックイーン |
製作 | スティーヴ・マックイーン、アーノン・ミルチャン、ほか |
製作国 | イギリス、アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
数々の完璧な計画を実行し、ゼイタクな生活を手に入れた窃盗団の首領ハリーはある日、シカゴの犯罪組織のトップで市議会議員候補のジャマールから200万ドルを強奪した。
だが、逃走中にSWATの集中砲火を浴びて仲間たちと命を落とし、未亡人となった妻のヴェロニカは奪われた金を返すようにジャマールから脅迫を受けてしまう。
そんな中、ヴェロニカは夫が遺したノートから500万ドルの強奪計画を知り、仲間である未亡人たちを集めて強盗作戦に挑むのだった。
登場人物&出演者
・ヴェロニカ・ローリングス(演:ヴィオラ・デイヴィス)
主人公。教員組合の代表。地元の有力者だった夫と何一つ不満のない毎日を送っていた。
ヴィオラ・デイヴィスは代表作に『スーサイド・スクワッド』、『フェンス』があります。
夫が強盗で警察の銃撃で死んだ事で正体を知り、金を盗まれたジャマールから脅しを受ける。
夫が残した500万ドル強奪計画を自分でやろうとして、一緒に死んだ仲間の妻たちと始める。
計画を進める中で夫が生きていると知りながらも続け、ベルも運転手として受け入れている。
最後は金を奪おうとした夫を殺害し、トム殺しの犯人に仕立て、息子の名の図書館を建てた。
・リンダ・ペレーリ(演:ミシェル・ロドリゲス)
衣料品店の経営者。その一方で夫は強盗を働き、貢がれる金をすべて競馬に注ぎ込んでいた。
ミシェル・ロドリゲスは近年の出演作に『アリータ:バトル・エンジェル』、『ワイルド・スピード/ICE BREAK』などがあります。
夫が強盗に失敗して死亡すると、借金の肩代わりとして勝手に店を明け渡す事になった。
露頭に迷っていると、ヴェロニカから連絡を受けて500万ドル強奪計画に誘われていた。
任せられた役目もこなせず、ヴェロニカたちに当たり散らすが、ベルを新しい運転手にする。
最後は強奪計画でトムを撃ち殺し、手に入れた金で店を買い戻して元の生活を取り戻した。
・アリス・ガナー(演:エリザベス・デビッキ)
高校を卒業してすぐに結婚している。暴力を振るう夫に振り回されながら依存していた。
エリザベス・デビッキは近年の出演作に『クローバーフィールド・パラドックス』、『ジェニーの記憶』などがあります。
夫の死後、母親の提案で男とデートして金を稼ぐ仕事をするが、あまり乗り気になれない。
ヴェロニカから連絡を受け、500万ドル強奪計画を提案されるが、面倒を嫌で当初は拒んだ。
バンや銃の調達、金の在り方など、DV男に依存していたと思えないほど一番活躍していく。
最後は強奪計画でトムに肩を撃たれ、念願の大学へ通っているとヴェロニカと偶然再会した。
・ベル(演:シンシア・エリヴォ)
美容師。シングルマザー。生活費の為にバイトでリンダのベビーシッターもしていた。
シンシア・エリヴォは代表作に『The Rape of Recy Taylor』、『ホテル・エルロワイヤル』などがあります。
金を節約する為に走ってバスに乗り込むほどの体力自慢で、それを買われて運転手役となる。
マリガンの選挙事務所に金があると判明すると、ランニングしながら状況を確認していた。
強奪計画では運転手として待機するが、待っていたジャテームに銃を突きつけられてしまう。
最後は手に入れた金の一部を世話になった美容師に渡し、娘とともにどこかへ立ち去った。
・バシュ(演:ギャレッド・ディラハント)
ハリーとヴェロニカの専属の運転手。雇い主のプライベートに関しては干渉をしない。
ギャレッド・ディラハントは代表作に『ノーカントリー』、『LOOPER/ルーパー』がある。
ハリーが死ぬ前に鍵を渡されていて、それをヴェロニカに渡すもそれ以上の事は分からず。
給料がもらえず警備員のバイトを考えるが、車をヴェロニカからもらって運転手を続ける。
ヴェロニカから頼まれ、ハリーと200万ドルを奪ったメンバーを探して妻たちを紹介した。
最後はハリーの手帳を求めるジャテームが来るが、何も言わずリンチに遭って殺された。
・ジャテーム・マニング(演:ダニエル・カルーヤ)
ジャマールの弟。市議会議員に立候補した兄の行動が理解できず、ずっと不満を漏らす。
ダニエル・カルーヤは代表作に『ゲット・アウト』、『ブラックパンサー』があります。
ジャックの脅しを厳しい視線で見て、政治家をボロカスに言うも兄の説得で納得していた。
200万ドルをハリーに盗まれたと手下から聞かされ、その場であっさり始末して立ち去った。
ハリーの手帳で大儲けできると知り、運転手のバシュを脅すも情報を得られず彼を始末した。
最後はヴェロニカたちの金を奪って逃走するが、追突されて道路の梁に衝突して死亡した。
・ジャマール・マニング(演:ブライアン・タイリー・ヘンリー)
ギャングから足を洗い、市議会議員を目指そうとする。ラクに金を稼ぎたいという理由。
ブライアン・タイリー・ヘンリーは代表作に『スパイダーマン:スパイダーバース』、『ホワイト・ボーイ・リック』などがあります。
ジャックから事態を迫られても一歩も引かず、不満を漏らす弟にラクな仕事だと説得した。
ハリーに200万ドルの金を盗まれ、妻のヴェロニカに代償を払ってもらおうと脅しをかける。
ハリーの手帳の存在を知るが、選挙前という事でヴェロニカへの手出しを弟に禁じた。
最後はジャックから選挙前に敗北宣言されるが、トムが殺された事で逆転負けしてしまう。
・アマンダ・ナン(演:キャリー・クーン)
200万ドル強奪計画に参加した夫の妻。生まれて4ヶ月の子供を育てる状況で精いっぱい。
キャリー・クーンは代表作に『ゴーン・ガール』、『父さんはオジロジカ・ハンター』などがあります。
ヴェロニカから連絡を受けていたが、怖くなって結局は集まりに応じず不参加を示した。
後日、ヴェロニカに電話をかけて実際に会うが、500万ドル強奪計画に参加する意思がない。
実はヴェロニカと生活が破綻していたハリーの不倫相手で、逃げた彼をずっと匿っていた。
最後は家にヴェロニカが来るも物怖じせず、彼女が帰ると隠れていたハリーに注意した。
・ハリー・ローリングス(演:リーアム・ニーソン)
ヴェロニカの夫。地元の有力者。マリガン家とは古い付き合いで裏の仕事をこなしてきた。
リーアム・ニーソンは近年の出演作に『メン・イン・ブラック:インターナショナル』、『スノー・ロワイヤル』などがあります。
ヴェロニカとの間に息子がいたが、黒人というだけで警察官に撃たれてしまい亡くしている。
200万ドルの強奪で死んだと思われたが、実際は不倫相手のアマンダに匿ってもらっていた。
実は対立候補のジャマールを邪魔する為にジャックに雇われ、地元から離れようと計画した。
最後は金を盗んだヴェロニカから奪おうとするが、彼女に銃殺されトム殺しの犯人となった。
・トム・マリガン(演:ロバート・デュバル)
先代から続く政治家。年齢を理由に引退し、地盤を息子に託して政界を去っていった。
ロバート・デュバルは近年の出演作に『疑わしき戦い』、『ディスクローズ/葬られた秘密』などがあります。
対立候補がギャング上がりの黒人という事で、負ける事は許さないと息子に圧力をかける。
息子が勝手に長年尽くしてきた相談役をクビすると、烈火の如く怒るもかわされてしまう。
最後は侵入したヴェロニカに銃を向けるが、アリスの肩を撃ち、リンダの発砲で殺された。
・ジャック・マリガン(演:コリン・ファレル)
地元の政治家一家の後継者。引退した父親の地盤引き継いで、次の選挙に出馬すると表明。
コリン・ファレルは近年の出演作に『ダンボ』、『ローマンという名の男/信念の行方』などがあります。
対立候補のジャマールを辞退させようとする失敗し、父親の圧力でストレスが溜まっていく。
街の状況は最悪で、すべては父親のせいだと明言して怒鳴り散らすも裏では工作をしていた。
実はハリーを使ってジャマールの金を盗ませ、代わりに彼を自由の身にする取引をした。
最後はジャマールに負けを認めたが、父親が殺された事で同情票を手にして逆転勝利した。
感想
個人的な評価
本作は元々のタイトルが『妻たちの落とし前』だったが、『ある女流作家の罪と罰』とともに公開中止となってしまう。
その後、タイトルを本作の『ロスト・マネー/偽りの報酬』の変更してビデオスルーとなる。
紆余曲折あって劇場公開されずビデオスルーになったが、中身としてはシリアスな『オーシャンズ8』でした。
『オーシャンズ8』はコミカルでテンポが良かったが、本作は誰も笑わないシリアスさが徹底していた感じでした。
どうしても『オーシャンズ8』と比べまでしまうが、根本的な違いとしてプロと素人が強奪計画をする点だろう。
プロがやるには説得力はあるけど、本作だとかなり強引な計画に感じました。
結局、素人が強奪計画を実行していくが、その中で各キャラの背景も描かれる。
ただ、尺の問題でエピソードの掘り下げが特定のキャラだけになり、そこに別のエピソードが割り込んでくるから全体的に中途半端な構成になってしまっていると感じた。
何より多少は主人公たちは成長していくが、それだけじゃ足りないので周囲の登場人物たちの知能を下げる展開は残念すぎる。
やはり、その点ではプロである『オーシャンズ8』の方が描きやすく、本作の素人たちではそれができない。
この手口は現代では通じないのですが、時代背景をボヤかしている理由になるだろう。
それでも主人公たちに有利すぎる展開も強引で説得力に欠ける印象もありました。
しかしながら、主人公を演じたヴィオラ・デイヴィスの引っ張っていくのは良かった。
それとエリザベス・デビッキの男に依存する女性から、大きく成長する流れもなかなか良かったと思います。
それにしても、ここまでリーアム・ニーソンを無駄使いした作品はないだろう。