作品紹介
公開年月 | 2013/12/14 |
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ジャンル | ファンタジー/アクション/アドベンチャー |
原作 | なし |
監督 | ユースリー・クルー |
脚本 | ジェームズ・コイン |
製作 | シリーン・M・ハシム |
製作国 | アメリカ、マレーシア |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
ヴァイキングの若き王で戦士だったアイリックは瀕死の重傷を負い、弟に国を任せ息絶える。
エイリーク亡き後、すぐに北欧の国ヨムズホルブは、ヴァイキングの古代神である雷神ソーによって襲撃を受ける。
北欧神族のフレイにより蘇ったエイリークは、雷神ソーから国を取り返すべく、唯一倒せる神器を手に入れる旅に出るのだった。
登場人物&出演者
・エイリーク・ブラッドレター(演:ドミニク・パーセル)
主人公。ヴァイキングの王で最強の戦士。戦場で重傷を負って弟に国を任せて死ぬ。
ドミニク・パーセルは近年の出演作に『ワイルド・マックス』、『必殺処刑チーム』がある。
女神フレイヤの力で生き返るが、その後は森の中で熊を狩って毛皮を売りながら生活する。
神族のフレイからソーを倒すよう使命を受け、元ヴァイキング仲間のスヴェンと旅に出る。
実は倒そうとしていたトールの息子だと知るが、それでも人間を守る為に最後まで抵抗する。
最後はブリアナを含めた仲間を失うが、トールたちを送り返し、遺物を守る戦士となった。
・ブリアナ(演:ナターシャ・マルテ)
ヒロイン。オズボルグでエイリークの仲間になった一人。船を所有し、風を読む事ができる。
ナターシャ・マルテは近年の出演作に『アルティメット・エージェント』、『ウォールストリート・ダウン』などがあります。
当初はエイリークに旅はムリだと参加を拒否されたが、船の所有者という事で強制参加する。
イェーアト族の村では弓矢と身軽さで敵を翻弄し、塔に閉じ込められたアルクィンを発見。
エイリークを最初から好きになっていて、幽閉から彼を助けた時は告白して肉体関係に。
最後はトールを倒そうとしたエイリークが刺されそうになり、身代わりとなって死亡した。
・スヴェン(演:クレイグ・フェアブラス)
森の中で木こりとして妻子とともに生活する元ヴァイキング。生き返ったエイリークを知る。
クレイグ・フェアブラスは代表作に『クリフハンガー』、『ラン・オブ・ザ・デッド』などがあります。
フレイからソーを倒す使命を受けたエイリークに同行するべく、妻子を置いて旅に出る。
道中で助けた奴隷の東洋人ヤンとは妙な友情を結び、エイリークの補佐をする頼れる男に。
ベオスリックの裏切りで地下牢に幽閉されるが、ブリアナやヤンの活躍で解放される。
最後はノードランドの戦いでも活躍し、エイリークたちと遺物を守る戦士となった。
・ヤン・フー・セン(演:ジョン・フー)
東洋人。オズボルグへの道中にエイリークたちが奴隷になっていたところを助けられた。
ジョン・フーは代表作に『トム・ヤム・クン!』、『バトルスティール』などがあります。
奴隷を解放された男が逆恨みでエイリークたちを襲撃した時、一緒に倒して仲間に加わった。
東洋の武術と高い身体能力を駆使して、大男相手でも一歩も引かない戦闘能力を発揮する。
ベオスリックの裏切りでエイリークたちが幽閉されると、ブリアナとともに救出した。
最後はノードランドの戦いで高い戦闘能力を発揮し、エイリークに仕える戦士となった。
・アルクィン(演:パトリック・マレー)
魔法使い。オズボルグにいたが、イェーアトの族長ヘフラーに連れ出されてしまう。
パトリック・マレーは代表作に『The Moon Over the Alley』、『Haunters of the Deep』などがあります。
イェーアト族の村にある世界と遮断される牢獄に囚われていたが、エイリークたちが救出。
トールを倒す遺物である角笛がある死者の国まで送る道案内として同行する。
角笛をベオスリックに渡す裏切り者を演じるが、実はフレイが本当の裏切り者だと知る。
最後は偽物の角笛を手渡して、フレイとトールをバルハラに送り返す手助けをした。
・オラフ(演:バート・ヴァン・デル・モレン)
レッドビアード王の息子。仲間集めをしていたエイリークに共感して旅に同行する事に。
バート・ヴァン・デル・モレンは本作が長編映画デビュー作となります。
仲間となったベルナールという男は女や子供も殺すという事をグレゴリと話していた。
アルクィンの裏切りで牢獄に囚われてしまうが、ブリアナたちの活躍によって解放される。
ノードランドの戦いでグレゴリが目の前で殺されると、怒りで周囲の敵を圧倒する力を解放。
最後はトールの息子であるエイリークに従って、遺物を守る戦士として彼に仕える事になる。
・ベルナード(演:ブルース・ブライン)
オズボルグで仲間を集めに声をかけたエイリークたちに黙って参加する意思を見せた。
ブルース・ブラインは代表作に『インポッシブル』、『ボーダーランド』などがあります。
オラフとグレゴリの談によれば、女や子供も平然と殺す男でイェーアトの村で先陣を切った。
元々は農民だったが、侵略を受けてすべてを失ってしまい、それで敵の何もかも奪う事に。
死者の国から帰ってこないエイリークを見捨てようとしたウォリックに厳しい言葉を放った。
最後は名誉ある死の為にノードランドの戦いで力尽き、エイリークたちに葬られた。
・カール・レッドビアード(演:ジェフリー・ジュルアーノ)
オズボルグの一族を束ねる王。エイリークとは旧知の仲でやって来た彼らを快く出迎えた。
ジェフリー・ジュルアーノは代表作に『スコーピオン・キング3』、『メカニック:ワールドミッション』などがあります。
居城に招いたエイリークの武勇伝を高らかに語り、その手伝いをする部下集めに協力した。
・ベオスリック(演:ティム・P・ダウティー)
エイリークの弟。戦場で重傷を負って倒れてしまったエイリークの跡を継いで王となった。
ティム・P・ダウティーは代表作に『Train Station』などがあります。
それまで野蛮な戦いしかしなかった国を改め、金の為に戦争をする傭兵と化して裕福になる。
戻ってきた兄を慕う者が出るかもしれないと考え、助けを求めた彼と仲間を幽閉する。
フレイと結託して角笛を手渡すが、毒が盛られた盃で酒を飲んで王座に座ったまま死亡した。
・フレイ(演:ジェシー・モス)
妹の力で生き返ったエイリークを知る北欧の神族。トールを倒す角笛を集める使命を託す。
ジェシー・モスは『ファイナル・デッドコースター』、『タッカーとデイル/史上最悪にツイてないヤツら』などがあります。
実はトールと結託して三つの世界を繋げて支配しようとするべく、エイリークを利用した。
更にベオスリックとも手を結んでいたが、角笛を手に入れると彼を毒殺していた。
最後はアルクィンによってすり替えられた角笛により、バルハラに送り返されてしまう。
・トール(演:コナン・スティーヴンス)
ヴァイキングの雷神。人々がキリスト教を信仰する事に腹を立てて、人間の姿になって降臨。
コナン・スティーヴンスは代表作に『巨大怪物/マンシング』、『ホビット/思いがけない冒険』などがあります。
各地に散らばった遺物を集めながら、破壊を繰り返しているヴァイキングの一団を束ねる。
その目的は人間の世界、神々の世界、死者の世界を繋げて支配者になるという壮大さ。
実はエイリークの実の父親で、刃向かってくる彼に仲間となって世界を支配しようと誘う。
最後は偽物の角笛で世界の扉ではなく、バルハラの扉を開いてしまい、そのまま帰った。
感想
個人的な評価
本作は『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』のVFXスタッフが製作した作品です。
北欧を舞台にしたヴァイキングの物語となりますが、その中で北欧神話を取り扱っています。
北欧神話の神と言えば、今では『アベンジャーズ』のメンバーでお馴染みとなった雷神ソー、本作ではトールが最も有名でしょう。
ファンタジー好きならば当然のように知っている雷神であるが、本作はヴァイキングと北欧神話という最強タッグがベースとなります。
まず、本作の顔にもなっているトールを演じているコナン・スティーヴンスのヴィジュアルはインパクトがあります。
特に燃えるような赤毛は作り物だと分かっても、意外にも似合っているし、一際体格が大きい点でも説得力がありました。
主人公であるエイリークを演じるドミニク・パーセルですが、善玉の主人公という役はやっぱり似合わないです。
やはり、ドミニク・パーセルはオーラのある役柄ではなく、脳筋のチンピラやギャングを演じた方がピッタリだと思わせる役でした。
ヒロインのブリアナを演じたナターシャ・マルテはアクション女優として活躍し、本作でもアクションや色気を惜しげもなく出しています。
そして、本作のアクションを最も盛り上げた謎の東洋人であるヤンを演じたジョン・フーは大きな役割を果たしました。
ストーリー的には重要なキャラクターではないが、鈍重な大男たちが殺し合う中で、小柄で身軽なヤンというキャラクターはかなり目立っていました。
何よりヤンの華麗なアクションを意識したシーンが多く、主人公の活躍すら奪ってしまうほどインパクトがありました。
このように一見して本作は面白そうに感じるが、北欧神話をベースにしているせいで序盤では専門用語が当たり前のように飛び交う。
北欧神話を知っている人なら分かるが、まったく知らない人にはチンプンカンプンなお話しになってしまいます。
当然のように登場人物たちは知っている事なので、補足するような説明はほとんどないし。
それに北欧神話の要素を大きく取り入れた作品の為、必然的に長くなってしまい、途中でダレてしまいます。
あとは予算がそこまでないせいで、ファンタジーとして安っぽく感じてしまうセットやCGも気になってしまう難点もあります。
ストーリーとしても一本道で特徴もあまりないが、あまりない予算でなんとか超大作に見せようとする気概が感じられた。
やはり、ちゃんとしたファンタジーを作るにはそれなりの予算が必要で、あまりないと陳腐に見えてしまう見本のような作品でした。