翔んで埼玉 VD-384

作品紹介

公開年月  2019/02/22
ジャンル  コメディ
原作  魔夜峰央 『翔んで埼玉』
監督  武内英樹
脚本  徳永友一
製作  岩松央樹、古郡真也
製作国  日本
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

埼玉県民は東京都民からヒドい差別を受けており、東京へ入るにも通行手形が必要でなければ即強制送還という屈辱の日々を送っていた。
東京の超名門校・白鵬堂学院でも都知事の息子で生徒会長の壇ノ浦百美によって埼玉県民は容赦ない迫害を受けていた。
そんなある日、アメリカから帰国子女の麻実麗が転校し、容姿端麗で洗練された立ち振舞だったが、実は隠れ埼玉県民で「埼玉解放戦線」のメンバーだった。

登場人物&出演者

麻実麗(演:GACKT)
主人公。アメリカからの帰国子女の転校生。隠れ埼玉県民で「埼玉解放戦線」のメンバー。
GACKTは代表作に『MOON CHILD』、『BUNRAKU』などがあります。
手形撤廃するべく、アメリカを経て都民となるが、あくまで埼玉県人の誇りを持っている。
埼玉県人を見下す百美に洗礼を浴びせると、そのまま惚れられて一緒に追われる身となる。
父親が埼玉デュークだと知り、その遺志を受け継いで攻める千葉県人を迎え撃つ指揮を執る。
最後は千葉解放戦線と協力して都庁に乗り込み、百美のおかげで手形撤廃を実現させた。

壇ノ浦百美(演:二階堂ふみ)
主人公。東京都知事の息子で白鵬堂学院の生徒会長。都民としてのプライドを持っている。
二階堂ふみは代表作に『悪の教典』、『いぬやしき』などがあります。
転校生の麗に洗礼を受けさせようとして、逆に返され、彼に対する恋心を持ってしまう。
麗が隠れ埼玉県人と知っても付いていき、サイタマラリアを患いデュークに東京へ戻される。
歴代の都知事が闇の手形で財産を築く事を知り、それを公表する為に一人で探し当てる。
最後は都知事の悪事を暴き、日本全国を埼玉化するデュークの計画を推し進める事となった。

下川信男(演:加藤諒)
白鵬堂学院3年Z組に所属する男子生徒。埼玉県人でありながら都内に暮らすも扱いはヒドイ。
加藤諒は代表作に『金メダル男』、『ギャングース』などがあります。
多くの罵声を浴びせられても反論せず、卒業できれば都民になれるとしてガマンしていた。
麗が同じ埼玉県人だと判明しても、自分たちの身を守る事だけを考えて助けようとはせず。
千葉解放戦線に攻められる際、麗の春日部の隠れ屋に来て、埼玉県人としての誇りを語った。
最後は千葉解放戦線と連携し、リーダーである麗を都庁に行かせる為に体を張っていた。

埼玉デューク(演:京本政樹)
伝説の埼玉県人。かつて手形の撤廃を求めて都内でクーデターを起こすも失敗してしまう。
京本政樹は代表作に『雪華葬刺し』、『修羅之介斬魔劍/妖魔伝説』などがあります。
百美がサイタマラリアを患うと、治療させる為に都内へ連れて行くとして麗に後事を頼んだ。
実は麗の父親で、現在埼玉で解放戦線を指揮するのは兄で正体を隠す為に息子を託していた。
都内へ百美を連れて行く道中、神奈川県知事の策略による待ち伏せに遭遇し、暗殺される。
最後は暗殺から逃れ、埼玉と千葉の連合を実現し、百美に埼玉化計画を託し表舞台から去る。

西園寺宗十郎(演:麿赤兒)
麗の父親。埼玉解放戦線を指揮する。麗の都民指数を向上させる為にアメリカへ行かせた。
麿赤兒は代表作に『闇の中の魑魅魍魎』、『キル・ビルVol.1』などがあります。
麗を白鵬堂学院に送り込み、都知事にして埼玉への手形をなくす計画を長年実行させていた。
麗の正体がバレてしまい、都知事の命令でアジトを襲撃されるが、逃げる事はしなかった。
最後は麗にデュークこそが父親だと話し、埼玉解放戦線を託すメッセージを送って倒れた。

阿久津翔(演:伊勢谷友介)
都知事た長年仕えている執事。都知事から信頼を寄せられ、夫人の浮気相手としても活躍。
伊勢谷友介は近年の出演作に『マチネの終わり』、『翔んで埼玉』などがあります。
実は「千葉解放戦線」の中心的なメンバーで、多額の賄賂で千葉の地位を向上させていた。
過去に父親がデューク埼玉と激しい戦いを繰り広げ、勝利して今の執事の地位を得ている。
手形を撤廃するべく都知事から埼玉県人を滅ぼす為、仲間を率いて埼玉へ侵略していく。
最後は百美の作戦に乗って埼玉解放戦線と協力し、都庁に乗り込んで手形撤廃を成功させた。

壇ノ浦建造(演:中尾彬)
東京都知事。百美の父親。歴代の都知事と同じく自分を地位に絶対の権力を振りかざす。
中尾彬は代表作に『極道の妻たち』シリーズ、『ゴジラ』シリーズなどがあります。
百美を将来の都知事にする為に様々な人脈を築き、大きな影響力を持つ麗の協力を期待した。
麗が埼玉県人だと知ってガッカリし、百美と逃亡している事で烈火の如くブチ切れていた。
千葉と埼玉を争わせて仕留め、蜜月の関係である神奈川県知事と権力強化を図ろうとした。
最後は百美の裏切りで歴代の都知事の悪事をすべて暴かれ、失脚して逮捕されてしまう。

菅原好海(演;ブラザートム)
菅原家の大黒柱。工務店を営んでいる。過去にあった埼玉の都市伝説を信じているという。
ブラザートムは代表作に『ハンサム★スーツ』、『食堂かたつむり』などがあります。
娘の結納を東京でやるという事になるが、あまり乗り気じゃなく真剣な態度を取らない。
軽トラで向かう中、ラジオから語られる都市伝説を聞き、改めて埼玉県民の誇りを持つ。
間違えて千葉に入って小バカにしたせいで、出身だった真紀と激しい口論を繰り広げた。
最後は都市伝説の結末に感動し、愛海たちが春日部に家を建てると聞いて安心していた。

菅原真紀(演:麻木久美子)
菅原家の母親。元々は千葉県民で、好海と結婚した事で群馬寄りの熊谷に嫁いでいる。
麻木久美子は代表作に『カンゾー先生』、『贅沢な骨』などがあります。
夫の影響で過去にあった都市伝説を知っていて、独特のポーズについて娘に説明していた。
道中で夫が千葉に入って小バカにすると、急に豹変して激しい口論を繰り広げてしまう。
愛海が止めてようやく終わると、今度は運転手となって結納の会場まで軽トラを走らせた。
最後は都市伝説の結末に感動し、婚約者が春日部に家を建てると聞いて安心していた。

菅原愛海(演:島崎遥香)
菅原家の娘。結納をする為に婚約者が勤める東京まで両親とともに行く事となっている。
島崎遥香は代表作に『劇場霊』、『ニセコイ』などがあります。
埼玉県民としてのプライドがなく、小さい頃から結婚して東京に住む事が夢だったという。
ラジオから語られる都市伝説は知らず、段々と感化されてしまう父親に呆れていた。
ようやく目的地に到着してもラジオが終わらず、仕方なく婚約者に遅れると連絡していた。
最後は婚約者もラジオを聞いていて、そのせいで東京じゃなく春日部に住む事になり脱力。

感想

個人的な評価

邦画として珍しく内容が話題になっていたので、以前から気になっていました。
関東の中でも「埼玉」は何かと小バカにされる事が多く、そんな自虐的なネタでぶっ飛んだ設定の物語はインパクトが大きい。
相当のバカ映画だと期待しましたが、やはり、本作は邦画であると感じさせました。
こういう作品はテンポが重要で、ダラダラした展開になると最初のインパクトから右肩下がりにつまらなくなってしまう。
そうならないように脚本や演出を工夫しなければならないが、どうにも本作は邦画のダメな部分が出てしまった印象です。
序盤はインパクトで引っ張っているが、中盤からダラダラして展開になり、見慣れてしまうと途端に粗が見えてしまう。
突き抜けたバカさ加減はなく、どこかでマジメにやろうとしている雰囲気があって、これが決定的に面白さを減退させている。
やはり、個人的に感じたのは細かい整合性よりも、テンポの良い展開で作品を楽しませるべきでした。
特にクライマックスではシリアスな状況になってしまい、せっかくのインパクトも社会的なメッセージで個人的には退屈に感じました。
ただ、埼玉だけじゃなく、千葉や群馬などの小バカにするネタを使っていたのは面白い。
やはり、インパクトだけに頼らず、そのままのイメージでぶっ飛んだ内容で良かったです。
期待していたのですが、どうしても邦画の悪いダラダラした展開になってしまった為に少し残念な印象でした。