デスノート/Light up the New world RE-2542

作品紹介

公開年月  2016/10/29
ジャンル  サスペンス/ホラー
原作  大場つぐみ(原作)、小畑健(作画) 『デスノート』
監督  佐藤信介
脚本  真野勝成
製作  中山良夫、堀義貴、ほか
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

キラとLという二人の天才の対決から10年、警視庁には夜神総一郎が立ち上げた“デスノート対策本部”が今も存続していた。
故人の総一郎に代わり、キラ事件に精通する“デスノートオタク”の三島が特別チームを率いてノートの謎を追い続けていた。
Lの後継者・竜崎との調査で地上に6冊のデスノートがバラ撒かれた事を知り、更にキラを“神”と崇めるサイバーテロリスト・紫苑がたちはだかるのだった。

登場人物&出演者

三島創/中上亮(演:東出昌大)
主人公。デスノート対策本部特別チーム捜査官。キラ事件に関する研究ノートを持ち歩く。
東出昌大は近年の出演作に『菊とギロチン/女相撲とアナキスト』、『散歩する侵略者』などがあります。
純粋にデスノートへの興味を持つ一方、無差別殺人を止めようとする正義感を持つ。
対策本部では頼れる人物で率先して行動するが、松田の犠牲によりチームが解散となる。
竜崎に怒りをぶつけるが、冷静に分析にして竜崎がデスノートの所持者だと知って追う事に。
正体がキラの後継者だったが、ノートを封印する事を第一に思い、Lの後継者になる。

竜崎/新井正幸(演:池松壮亮)
Lが遺した遺伝子を受け継いだLの正統後継者。世界的探偵。天涯孤独で友達はいない。
池松壮亮は代表作に『鉄人28号』、『紙の月』などがあります。
当初はデスノートによる殺人に興味を示さなかったが、ノートが複数あると知り協力する。
キラ事件に詳しい三島を小バカにするが、紫苑の無差別殺人を抑制する合理的な判断を下す。
実はアーマのデスノートを所有するも、似た者同士として心を通わせ情報を引き出す。
最後は三島がキラと知るも守り通し、監禁される彼を解放してノートの期日通りに死ぬ。

七瀬聖/白戶彩奈(演:藤井美菜)
デスノート対策本部特別チーム捜査官。罪を犯した兄をキラに殺された過去を持つ。
藤井美菜は代表作に『シムソンズ』、『MONSTERZ/モンスターズ』などがあります。
お互いに素性や本名を知らない事に憤りを持ち、松田の死でより強く思う事になる。
三島が本当のキラだと知って兄のカタキを取ろうとするがアーマの自己犠牲で殺される。

松田桃太(演:青山草太)
デスノート対策本部特別チームの主任。メンバーの中で唯一10年前のキラ事件を経験。
青山草太は代表作に『デスノート』シリーズ、『太陽の蓋』などがあります。
キラを偽る紫苑を追ってマンションにたどり着くが、ノートによって自殺してしまう。

青井さくら(演:川栄李奈)
デスノート保持者の一人。ベポのノートを持つ。名前と寿命が見える死神の目を持つ。
川栄李奈は代表作に『劇場版/私立バカレア高校』、『亜人』などがあります。
無差別に殺していたが、ノートを集める紫苑によって呆気なく心臓麻痺で殺される。

御厨賢一(演:船越英一郎)
デスノート保持者の一人。最高裁の判事。法律を無視したキラを嫌い、信仰する者を殺す。
船越英一郎は近年の出演作に『猫忍』、『バニラボーイ/トゥモロー・イズ・アナザー・デイ』などがあります。
ノートを集める紫苑によってノートを取られ、警視庁で伝言を残して自殺させた。

紫苑優輝(演:菅田将暉)
サイバーテロリストの青年。家族を殺した男に「裁き」を与えたキラを心酔する。
菅田将暉は近年の出演作に『となりの怪物くん』、『火花』などがあります。
キラの復活を目論み、リュークのデスノートを所持し、他のノートを集める事に。
その目的は6冊のノートをすべて手中する事でキラが復活する為の行動である。
対策本部を相手にせず、Lの後継者である竜崎との勝負に挑んで駆け引きを行う。

弥海砂(演:戸田恵梨香)
10年前のデスノート所持者。キラ事件でLがノートを燃やした事で関連の記憶を失う。
戸田恵梨香は近年の出演作に『無限の住人』、『ぼくのおじさん』などがあります。
ノートを集めてキラの復活を企む紫苑によってリュークのノートに触れて記憶を取り戻す。
キラ復活に欠かせない人物として事件に巻き込まれ、死神の目で竜崎を殺そうとした。
最後は自らの名前をノートに書き、月との思い出の中で静かに息を引き取る。

感想

個人的な評価

原作は大ヒットし、実写映画化の二部作も好評で大ヒットをした人気シリーズの続編。
すでに原作は完結しているが、実写映画はオリジナルの続編として10年ぶりに復活した。
やはり、人気を誇った人気シリーズだけに、本作は相当の気合いが入っていました。
完全にオリジナルの内容であるが、前作に対するオマージュが全編に渡ってみられました。
まず、本作は前二部作と比べて、明らかに良い部分が劣化して、明らかにいらない部分が誇張してしまいました。
本作から分かる事は所詮、オリジナルで原作の真似事にしか感じられなかったという点。
確かに世界観は『デスノート』であるが、本作は完全に『デスノート』という土台があって成立している作品です。
つまり、単体では魅力がほとんどなく、下地の『デスノート』を頼りにしてしまっている。
そのせいで前二部作を知らずに鑑賞してしまうと、微妙な設定や構成が浮き彫りになる。
いくら続編とは言え、オリジナル要素が強く、独立した作品としての意味合いが非常に薄くなってしまっている。
本作は本作なりの面白さを原作以上に作り上げるべきだが、なんだか前二部作を前提に作っているのは製作側の怠慢に感じられた。
「デスノート」、「10年ぶりの続編」など、これらの宣伝文句を武器にした程度の作品。
前二部作から登場した弥海砂を演じた戸田恵梨香、対策本部の松田桃太を演じた青山草太の出演はいいが、重要な部分で使うのは違うと思う。
あくまで前二部作の登場人物でカメオ出演程度に留めるべきだが、本作を象徴するように頼り切った感じが出てしまっている。
原作最大の魅力であった月とLの頭脳戦は本作では存在せず、後継者たちのなんちゃって頭脳戦がなかなか痛々しい感じでした。
最初から原作を超えるつもりがない構成だと分かり、製作側が前二部作に頼り切る構図の時点で本作はそれ以下になるのは明白だろう。
スピンオフである『L change the World』は相当ヒドイ内容だったが、本作はそれに負けないぐらい原作に遠く及ばない内容でした。
続編を出すならば、前二部作だけじゃなく、原作を超えてやろうという気概が最初からないので、そもそも作った意味がないです。
そうなってくると考えられるのは、大人の事情が絡んだビジネスになってくるが、それは逆に本作の出来について納得してしまいます。
結局、本シリーズは二部作以外は大人たちの金儲け道具と化した悲しい作品となりました。