エクストロ VD-59

作品紹介

公開年月  1982/12/06
ジャンル  SF/ホラー
原作  なし
監督  ハリー・ブロムリー・ダヴェンポート
脚本  ロバート・スミス、イアイン・キャシー
製作  マーク・フォーステイター
製作国  イギリス、アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

田舎の山荘で遊んでいた親子に謎の光が襲い、それ以来父親のサムは姿を消し、息子のトニーは突然消えた父親の悪夢に苛まれる。
三年後、山中に墜落したUFOから現れた奇怪なエイリアンは、近くに住む女性を襲うと彼女の体内に何かを産みつける。
やがて女性は体を引き裂かれ、そこから誕生したのは三年前に消息を絶ったサムであった。

登場人物&出演者

サム(演:フィリップ・セイヤー)
主人公。三年前に山荘でトニーと遊んでいる時にUFOらしきモノに誘拐されている。
フィリップ・セイヤーは代表作に『アフリカ物語』、『スレイグラウンド』などがあります。
三年後、地球へ戻ってきたが、すでに体は人間とは別のモノに変異している状態に。
戻ってきてすぐに男女を殺害し、近くに住む女性を孕ませて人間として復活する。
トニーに宇宙人由来の超能力を与え、共にUFOで宇宙の彼方へ旅立った。

レイチェル(演:バーニス・ステジャース)
ヒロイン。トニーの母親。三年前にいなくなった夫を見限って新しい男を見つける。
バーニス・ステジャースは代表作に『光年のかなた』、『フランス組曲』などがあります。
トニーが悪夢に悩まされている事を気にしながらも、現実的にジョーを父親にしたい。
サムが突然戻ってきた事で動揺し、それまでの三年間はすべて無に帰してしまう。

トニー(演:サイモン・ナッシュ)
サムとレイチェルの一人息子。三年前に失踪した父親の悪夢を見るようになる。
サイモン・ナッシュは代表作に『Breakout』、『未来世紀ブラジル』などがあります。
ずっと父親の事を思っていて、母親やその恋人のジョーから心配されるようになる。
突然帰ってきたサムによって不満が吹っ切れ、以前よりも行動的になっていく。
更に超能力を与えられた事でより前向きになって、邪魔なアパートの住民を消していく。
最後はサムとともに本物の宇宙人となってUFOの光に包まれてどこかへと。

ジョー(演:ダニー・ブレイニン)
レイチェルがサムの代わりに見つけた男。トニーの事をあまり快く思っていない。
ダニー・ブレイニンは代表作に『愛のイエントル』、『NYストリート・スマート』がある。
サムがトニーを捨てたと思っていて、何かと過去に対して否定的な考え方を持つ。
突然戻ってきたサムによって居場所を奪われ、もはや半分諦めている状態でふて腐れる。
最終的にレイチェルたちを助けようとする山荘に向かうが、サムの叫び声で死にます。

アナリス(演:マリアム・ダボ)
フランス出身のお手伝いさん。ただ、立場的にレイチェルの良き相談相手で友人。
マリアム・ダボは代表作に『007/リビング・デイライツ』、『ドリアン・グレイ』がある。
お手伝いらしい事はトニーを学校に送ったぐらいで、主人よりも遅く起きる度胸を持つ。
居候に近いような感じだが、美人でおっぱいも見せてくれるだけでも登場に意味があった。
最後はトニーによって卵を生む装置にされて、そのまま退場してしまうのは惜しい。

グッドマン夫人(演:アンナ・ウィング)
レイチェルたちが住むアパートで下の階に住んでいる年老いた夫人でいい人。
アンナ・ウィングは代表作に『人形の家』、『リトル・ランボーズ』などがあります。
夕食にトニーのヘビが紛れ込み、それを容赦なく撲殺して突き返す。
それによってトニーは怒りを募らせ、超能力を使ってG.I.ジョーの人形で殺害する。

感想

個人的な評価

本作はカルト的な人気を誇る80年代のSFホラー映画です。
残念ながらまったく知らなかったが、知ってしまったら観るしかないです。
やはり、80年代のホラー映画というのは非常にテンポがいいです。
始まって10分ほどでいきなり父親が宇宙人に誘拐されるという超展開を繰り広げる。
普通なら倍ぐらいの尺を使うが、本当に80年代の映画は分かりやすいです。
登場人物の関係性を軽く見せておいて、すぐに本題へと突入する強烈なインパクトを演出。
更に三年後となっても、テンポの良さは変わらず、30分以内に色々と起きるのです。
先の展開を予想させないのは80年代のホラー映画最大の特徴と言えるでしょう。
ここから一旦落ち着いて、今度はじっくりと家族のドラマを構築していきます。
ただ、そこに超能力を得たトニーが暴走をしていく事で物語は更におかしくなります。
トニーの超能力は思考を現実化するモノで、もはやなんでもアリという状態です。
加えて、父親のサムは見た目人間だけど中身は完全なる宇宙人なのです。
仮の姿なので肉体はドンドン劣化していき、抑えていた凶暴性も表に出てくる。
とにかく、元々はグロテスクなクリーチャーだったサムの肉体が崩壊していきます。
同時に性格も荒々しくなっていき、最終的にトニーを連れて宇宙へ帰っていく。
本作は何がしたいのかよく分からない作品だが、それこそが最大の魅力と言えるだろう。
結局、父親のサムは息子のトニーを連れて行くのが目的で、レイチェルはついでという印象を持ちました。
なぜかトニーは卵を置き土産にするが、それを手に取ったレイチェルが襲われる意味はよく分かりませんでした。
やはり、本作がカルト的な位置づけになるには充分すぎるぶっ飛んだ内容でした。
すべてを理解する必要もないし、ツッコミを入れる必要もないし、語る必要もないです。
あくまで単純に面白いか、興味深いか、素直に受け入れる事が鑑賞する上でのマナーと言える作品でした。