作品情報
公開年月 | 2013/12/25 |
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ジャンル | ドラマ/コメディ/ファンタジー |
原作 | ジェームズ・サーバー 『ウォルター・ミティの秘密の生活』 |
監督 | ベン・スティラー |
脚本 | スティーヴン・コンラッド |
製作 | スチュアート・コンフェルド、ジョン・ゴールドウィン、ほか |
製作国 | アメリカ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
ニューヨークの伝統ある雑誌『LIFE』で写真管理部という地味な仕事に就いている平凡な男であるウォルター。
単調な日常を送る彼の唯一の趣味は空想する事で、現実世界では秘かに想いを寄せる同僚のシェリルに話しかける事ができなかった。
そんな中、雑誌は買収され、最終号を飾る事になったネガは行方不明となっていた。
ウォルターは写真を撮ったショーンにネガの在処を聞き出すべく、世界を飛び回る彼を探し出そうとするのだった。
登場人物&出演者
・ウォルター・ミティ(演:ベン・スティラー)
主人公。雑誌LIFE編集部に16年勤めるベテラン社員。時々、ボーッとして非現実世界に意識を飛ばすクセがある。
ベン・スティラーは俳優だけではなく、本作のように監督としても活躍し、最新作『ズーランダーNO.2』では監督、製作、脚本、出演をやっています。
第一に言いたい事は、ベン・スティラーは素晴らしい役者だが、吹き替えが岡村隆史というタレント吹き替えになっています。
最初はボソボソしゃべっているのはキャラクターのせいで、そうなっていると思っていた。
しかし、演技が素人並みの岡村隆史が初の吹き替えとなれば、必然的にクソができます。
とにかく、それでベン・スティラーの演技が微妙に見えてしまうのは本当に残念であった。
ウォルターのキャラクターとしては現実逃避しがちだが、実はスケボーの達人という設定は面白い。
・シェリル・メルホフ(演:クリステン・ウィグ)
ヒロイン。シングルマザーで一人息子を育てる。1ヶ月前にLIFEへと転職している。
クリステン・ウィグはコメディアンヌとして知られ、近年の出演作には『オデッセイ』、『ヒックとドラゴン2』などがあります。
LIFEが買収されて人員削減となるが、1ヶ月の転職組としてクビの可能性が高い。
そのLIFE最後の表紙にウォルターが重要な仕事を任されるが、どうにもクビになりたくないから彼に近づいているようにしか見えなかった。
最初の接触はウォルターからだったが、その後は何かと話しかける度にそれが見え隠れする。
・ショーン・オコンネル(ショーン・ペン)
冒険家でLIFEの写真家。時代遅れのフィルムカメラを使い、どこにいるか分からない。
ショーン・ペンは演技派としてアカデミー賞を受賞していますが、近年ではアクション映画『ザ・ガンマン』の出演が話題になりました。
ウォルター以外の人間とは関わらず、自分のペースで写真を撮り続けていた孤高の男。
信用するウォルターに大事な写真を託す、どこか少年のような心を持った男でした。
・テッド(演:アダム・スコット)
LIFE事業再編の責任者でウォルターの上司。似合わないヒゲ面と嫌なヤツ。
アダム・スコットは近年の出演作には『ファミリー・アゲイン/離婚でハッピー!?なボクの家族』があります。
本作で何かとウォルターを小バカにする役目であり、途中で人形を取り合う迫力あるアクションが最大の見せ場だった。
・エドナ・ミティ(演:シャーリー・マクレーン)
ウォルターの母親。夫の遺品やウォルターのモノを取っておく機転の利く人物。
シャーリー・マクレーンは1983年公開の『愛と追憶の日々』でアカデミー主演女優賞を受賞しています。
本作では行き詰まったウォルターを助ける重要なキャラクターでした。
・オデッサ・ミティ(演:キャスリン・ハーン)
ウォルターの妹。舞台のオーディションを受ける女優志望で、気さくな人物。
キャスリン・ハーンは近年の出演作には『トゥモローランド』、『ヴィジット』があります。
ウォルターにストレッチ・アームストロングの人形を誕生日プレゼントするが、これは彼にとって大きな意味を持ちます。
・トッド(演:パットン・オズワルト)
パートナー探しウェブサイトの顧客サービス責任者。シナボンが大好物である。
パットン・オズワルトの代表作には『ブレイド3』や『レミーのおいしいレストラン』などがあります。
ロサンゼルスの空港で拘束されたウォルターの身元保証人となって彼を釈放させる。
感想
個人的な評価
本作は1947年に恋迂回された『虹を掴む男』のリメイクとなっています。
監督、製作、主演を務めているのはコメディ俳優として知られるベン・スティラーです。
これまで数多くの作品を手がけて主演してきたベン・スティラーは、本作で冴えない人生を送っていた男が大冒険をしていくという物語。
真面目に地道な仕事を16年間続けてきた男は彼の業務の真髄を本作で見せつけてくれる。
主人公のウォルターは白昼夢のような症状を持っていて、人が話しかけている間にボーッとする事があります。
その時に現実から飛び出して非現実的な世界で派手な自分を演出するクセがあります。
いつもは人からおかしいと言われる短所だが、ネガを探し求める旅では彼を奮い立たせる長所となります。
一歩を踏み出すきっかけが白昼夢であり、これによってウォルターの人生は大きく変わる。
残念ながらLIFEからクビを宣告されるが、それでも彼は最後の仕事としてネガを探し出す為に過酷な旅に出るのです。
本作から伝わるメッセージとしては、行動しなければ何も変わらないという事です。
行動を起こせば、それまでの退屈な人生から脱却できて、自分が思っている以上に大きな意味となっていくのです。
ウォルターが思い描いていた非現実の世界をついに現実が追いつく頃には、彼自身は大きく成長しているのが分かります。
だから会社の同僚で声もかけられなかった女性に対し、一気に親密となったのは彼の行動力が生み出した結果だろうと思わせます。
ただ、思っていたよりも主人公の行動がすべて成功していくし、一番過酷な旅をダイジェストにしたのは頂けなかった。
本作はデスクワークの男が外に出て過酷な旅を通じて成長していくのが肝なのに、一番観たいところをダイジェストにするのは如何なモノか。
それにスムーズすぎる話しの展開はあまりにも都合が良すぎて緊張感がなかったです。
一応は伏線があるけど、それが明らかにしていく状況も必然性よりも偶然が重なりすぎている点もご都合主義という感じがしました。
そして、何より主人公のウォルターの吹き替えが岡村隆史というのが最大のクソでした。