衿まき女/闇のアサシン RE-3196

作品紹介

公開年月  2018/08/11
ジャンル  ホラー
原作  なし
監督  井川楊枝
脚本  井川楊枝
製作  大勝ミサ、原田実、ほか
製作国  日本
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

逢坂高校の2年B組では「グルチャ奴隷コンテスト」なる遊びが行われ、最もつまらない人が1ヶ月間クラス全員の奴隷になるというゲーム。
奴隷に選ばれた畑中陽一は自殺を試みるが、そんな時に「呪い屋」のチラシを見て、クラスメイトたちの復讐を計画する。
一方、3年A組の早乙女佳澄は家族の仲が悪く、学校帰りに援助交際デリヘルで小遣い稼ぎをしていると、呪い屋と連絡を取り合っている客と知り合うのだった。

登場人物&出演者

佳澄(演:神谷えりな)
女子高生。母親が再婚して養父と三人暮らし。家庭環境が最悪で援助交際で金を稼いでいる。
神谷えりなはアイドルグループ「仮面女子」のメンバーで、映画の代表作に『海にのせたガズの夢』などがあります。
イジメを受ける陽一に自分のパンツを被せて助け出し、それがキッカケで彼に惚れられる。
援助交際の相手から「呪い屋」の事を知り、試しに両親を殺させると、ショックで入院した。
陽一が「衿まき女」を使っていると分かると、その正体を知っていて病院を抜け出した。
最後は姉だった「衿まき女」と相討ちになり、八千代の儀式で次なる「衿まき女」になる。

陽一(演:亜蓮)
男子高生。竜二たちイジメのグループからターゲットにされ、六代目の奴隷に任命された。
亜蓮は代表作に『あかぼし』、『恵比寿学園中等科日曜補習組探偵団』などがあります。
イジメを受けていたところで佳澄がやって来て、脱ぎたてのパンツを被されて覚醒をする。
八千代から渡された「呪い屋」のティッシュから連絡を取り、出世払いで竜二を殺させる。
立場が逆転してイジメる側に回って悪事を働き、取材する吉田たちに差し向けて消した。
最後は西園寺への支払いもせず着信拒否するが、復活した「衿まき女」によって始末された。

八千代(演:夏目愛海)
女子高生。イジメグループのリーダーである竜二の連れ。イジメをただ傍観しているだけ。
夏目愛海は本作が長編映画デビュー作となります。
イジメを受けるより、イジメをする側に回った方がマシという持論で今の立場を維持する。
陽一とは対等な立場で話し、追い詰められた彼に「呪い屋」のティッシュを手渡した。
最後は「衿まき女」が倒されると、次なる怪物を作り出す儀式を行う人物だと判明をした。

(演:高嶋莉子)
女子高生。イジメグループの女リーダー。「グルチャ奴隷コンテスト」を楽しみにしている。
高嶋莉子は本作が長編映画デビュー作となります。
六代目の奴隷となった陽一に対し、竜二に次いでイジメを喜々としてやっていた。
自分を可愛いと勘違いしているブスだが、立場を逆転させた陽一の奴隷にされてしまう。
なんとか反抗しようとするが、完全にキャラクターを変貌させた陽一には逆らえなくなった。
最後はエリマキトカゲのマネを喫茶店でさせられるなど、ずっと奴隷としてイジメを受ける。

竜二(演:川上将大)
男子高生。イジメグループのリーダー。「グルチャ奴隷コンテスト」を喜々として仕切る。
川上将大は代表作に『霊眼探偵カルテット』、『桃源郷ラビリンス/生々流転』があります。
6人のいじめられっ子を並べて、毎月のように奴隷を決めて一人だけをターゲットにする。
調子に乗りまくっていて、担任に問われても上手く逃げてイジメを日々楽しんでいた。
特別な存在として扱われる八千代を「連れ」と話し、近寄った陽一を容赦なくボコボコに。
最後は呪い屋と契約した陽一によって、一人でいる時に「衿まき女」に襲われて死亡した。

吉田(演:白須慶子)
雑誌の記者。大蔵省の官僚の取材が頓挫し、次のネタを求めていた編集長に提案した。
白須慶子は代表作に『60歳のラブレター』、『かぐらめ』などがあります。
取材の許可を出されて独自に動き出し、写真を撮った茜たちと接触して陽一の存在を知る。
何度も陽一に取材を断られ、情報を得る為に見学店で自分も制服に着替えて取材した。
陽一たちのイジメを報告すると脅し、その甲斐もあってから「衿まき女」の取材機会を得る。
最後は現れた「衿まき女」に引っかかられ、最終的に西園寺にトドメを刺されて死亡。

大神(演:渡辺裕之)
雑誌の編集長。取材していた大蔵省の官僚が捕まってしまい、次のネタを模索していた。
渡辺裕之は代表作に『オン・ザ・ロード』、『ガメラ/大怪獣空中決戦』などがあります。
ちょうど「衿まき女」の都市伝説を探っていた吉田から提案され、その取材に許可を出した。
吉田が陽一から手に入れた写真を見て、素晴らしいネタだと褒めて本格的に取材をさせる。
最後は「衿まき女」に吉田が殺された事を知らず、音信不通になっていた事に不満を漏らす。

西園寺(演:斎藤洋介)
呪い屋。100万を支払う事で一人の人間を確実に消す。冗談は好きだが、ウソは言わない。
斎藤洋介は代表作に『ヒポクラテスたち』、『家なき子』などがあります。
ちゃんこ屋で陽一を待っていると、真面目な顔で人間を100万で消せると話していた。
陽一が出世払いで竜二を消すが、二度目は録音されて仕方なく彼の言葉に従った。
「衿まき女」が無事にターゲットを倒すが、そこに来た佳澄によって倒されてブチ切れた。
最後は佳澄の遺体を運び出すと、八千代の儀式を黙って見て、次の「衿まき女」を利用する。

衿まき女/カンナ(演:宮ノ尾美友)
首の皮が抉れて腐り、それを隠す為にマフラーをする。長い指と鋭い爪で襲いかかる。
宮ノ尾美友は本作が長編映画デビュー作となります。
10メートルの範囲に近づくと腐臭を漂わせ、呪い屋が消すターゲットを確実に抹殺する。
何度も姿を高校生たちに目撃されるが、ターゲット以外は手出しできないという。
その正体は佳澄の義理の姉で、店を辞めさせようとした妹の計画が失敗して「衿まき女」に。
最後は陽一が吉田たちを消す為に利用され、登場した佳澄と相討ちになって倒された。

感想

個人的な評価

本作は「エリマキ娘」という都市伝説風の題材を基に作られています。
都市伝説にはないのですが、本作では実在するという設定になっています。
こういう作品は基本的に売れないアイドルや役者が登場するが、なぜかテレビドラマなどでお馴染みの人たちも出ています。
とは言っても、決して大物じゃなくて脇役とかしかやらないようなベテラン役者です。
で、都市伝説をベースにした作品は必ず学校の凄惨なイジメを描写して、そっちの方がえげつない印象を与えてしまう。
そんな本作では「エリマキ娘」が題材になるが、設定として首の皮が抉れて、それを隠す為にマフラーをしているという見た目。
更に首の皮が腐っているので10メートルの範囲に入ると、鼻を突くような腐臭で存在を確認できるが、なぜか襲われる時は気付かないというご都合主義。
主な武器は異様に長くなった両手の指と鋭い爪だが、女子高生と力比べして負ける程度の筋力しかないという弱さ。
本作でもイジメの描写がえげつないというよりは、もうやり過ぎて現実離れしたファンタジーになってしまっています。
ただ、他の作品と違っていじめられっ子だったヤツが、「衿まき女」にイジメグループのリーダーが殺されて立場が逆転してしまう。
あまりにも唐突すぎて呆気に取られるが、そのいじめられっ子が今度イジメに加担していた女たちを奴隷にする構図が不自然すぎて笑います。
肝心の「衿まき女」の正体も取って付けたような感じで、その設定でやるならば、冒頭から伏線を張るべきだと思います。
中盤を過ぎてから「衿まき女」の正体を出したり、呪い屋の関係性も中途半端にしたり、もう少し脚本を練るべきだと感じました。
多分、継ぎ足しで設定や場面を盛り込んだように感じられ、限られた予算と時間では仕方ないにしても、脚本の段階でもう少しなんとかできたはず。