THE POOL/ザ・プール RE-3123

作品紹介

公開年月  2018/09/27
ジャンル  パニック/コメディ
原作  なし
監督  ピング・ランプラプレング
脚本  ピング・ランプラプレング
製作  アモーンテップ・スックマノン、チャーローン・カイシティスワン、ほか
製作国  タイ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

アートディレクターのデイはプールでの撮影が終わり、浮き輪で浮いていたところで居眠りして落ちてしまう。
翌朝、デイが気付くとすでに水が抜け始めており、深いプールから上がれなくなって恋人がやって来るが彼女も足を滑らせて落下する。
やがて、プールから水がすべて抜けると、脱出口となるはずのマンホールが露わになるが、そこからワニが現れて脱出不能の状況に陥るのだった。

登場人物&出演者

デイ(演:ティラデート・ウォンプアパン)
主人公。マヌケ。映画の美術スタッフ。安い賃金で働いている。筋肉質なのに糖尿病を患う。
ティラデート・ウォンプアパンは代表作に『Khang lang phap』、『Rot fai faa… Maha na ter』などがあります。
恋人のコイが妊娠しているという噂を聞いて、本当ならば中絶させるというクズな考え方。
プールに取り残されてしまい、アホな恋人も一緒に巻き込み、脱出できずに6日間も動けず。
何をしても裏目に出て希望をなくすが、父親になりたくないのにコイの励ましで元気になる。
最後はラッキーが首吊り自殺したおかげで助かり、溺れそうになったコイも助け出した。

コイ(演:ラットナモン・ラットチラタム)
デイの恋人。顔だけでデイを選んだと本人は思っている。実際はダメ男が好きなアホな女。
ラットナモン・ラットチラタムは本作が長編映画デビュー作となります。
一生懸命働いているデイの仕事場に来て、監督からも名前を覚えていない彼の時間を取る。
プールで遭難していた事を知らず、飛び込もうとしてデイに止められて滑った頭を打つ。
妊娠していてデイとの暮らしを夢見るが、中絶したい彼の考えにガッカリするも彼と別れず。
最後は溺れそうになり犬笛で呼吸し、ラッキーを首吊り自殺させたおかげで助かる事に。

ラッキー
デイの飼い犬。美術スタッフとしての給料だけじゃなく、映画に出演してギャラをもらう。
問題なく撮影で使われて無事にクランクアップするが、何かと吠えて場面の転換を知らせる。
デイがプールで遭難していると、家から見上げてずっと無意味に吠えてうるさくしていた。
ワニがやって来ると、それに対しても吠えてプールに落とし、デイからバカ犬扱いされる。
デイたちが空腹に苦しむ中、置いてあったピザを大半を食って彼らに二切れだけあげた。
最後はコイが犬笛で呼吸していると、プールに飛び込むも首輪で首吊り自殺する事になる。

感想

個人的な評価

本作はいわゆるワンシチュエーション・スリラーとなります。
この作品はタイの製作となりますが、どうしてもアクション映画のイメージが強いせいで本作の限られた空間での展開は珍しいです。
ハッキリ言って、本作は主人公の悲劇を描いているが、どう考えてもピタゴラスイッチにはまったマヌケな主人公にしか見えなかったです。
まず、主人公が一生懸命働いても貧乏で恋人がいるのは普通の設定で特に問題はありません。
ここから筋肉マッチョなのにインスリンを必要とする糖尿病で、恋人が妊娠していると分かって中絶する考えを持っている。
明らかに設定を盛り込みすぎていて、そこからピタゴラスイッチのように不運が連続して深いプールに取り残されるという流れになる。
特に自分が貧乏だと主人公は認識しているのに、避妊もせずに恋人が妊娠したら金がないから中絶する考えが最悪すぎます。
しかも、主人公がマヌケだけじゃなく、飼っている犬がバカで、恋人までがアホになってしまうという負の連鎖を生み出しています。
どの登場人物も救えないほどの頭の悪さを見せているが、製作陣は切ない物語にしたかったようでBGMがそんな感じになっている。
残念ながらBGMと状況がまったく合っておらず、もはや本作はコメディと言っても過言じゃないぐらいなムリすぎる展開でした。
そこにワニが登場して最大のピンチを迎えていくのですが、もう前の段階からヤバイので危険な雰囲気が逆に感じられない不思議な作用がありました。
終始に渡って主人公が行動すると裏目に出ていきますが、ラストで飼い犬が笛に反応して飛び込んで首吊り自殺するシーンはさすがに笑った。
いくら犬笛で呼ばれても、犬はそこまでバカじゃないだろうし、名前が「ラッキー」という皮肉もギャグにしか感じられなかった。
本来なら張り詰めた緊張感を持つワンシチュエーションスリラーですが、ここまでコミカルに仕上がったのは製作側の意図と違っても笑うしかないです。