ナイスガイズ! RE-2631

作品紹介

公開年月  2017/02/18
ジャンル  コメディ/犯罪
原作  なし
監督  シェーン・ブラック
脚本  シェーン・ブラック、アンソニー・バガロッツィ
製作  ジョエル・シルバー
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

酒浸りの日々を送るシングルファーザーの冴えない私立探偵のマーチはある日、死んだはずのポルノ女優の依頼を受け、アメリアという若い娘の存在にたどり着く。
しかし、マーチは自分を探られたくないアメリアから以来を受けた腕力専門の示談屋ヒーリーにボコボコにされ、あっさりと手を引く。
ところが今度はヒーリーがアメリアを探す別の男たちの襲撃を受けてしまい、この事件を解明するべくマーチをムリヤリ相棒にして調査に乗り出す。
そこにマーチの一人娘のホリーが加わり、ダメ男二人としっかり者の少女が始めた人捜しは、やがて思いも寄らぬ事件に発展していくのだった。

登場人物&出演者

ジャクソン・ヒーリー(演:ラッセル・クロウ)
示談屋。何事も腕力に任せて解決する。提示した報酬額さえを払えばなんでも解決する。
ラッセル・クロウは近年の出演作に『ザ・マミー/呪われた砂漠の女王』、『パパが遺した物語』などがあります。
アメリアを探していたマーチの腕をへし折って調査を止めるが、その日に何者かに襲われる。
家を引っ越したくないという理由でマーチを雇い、一緒にアメリアの捜索をする事になる。
一年前にレストランでショットガンを振り回した男を負傷しながら倒し、一躍有名になった。
最後は殺し屋のジョン・ボーイと戦い、ホリーの願いで彼を殺さず気絶させて事件を解決。

ホランド・マーチ(演:ライアン・ゴズリング)
私立探偵。シングルファーザーで酒浸り。主に高齢者施設で入居者からの依頼を請け負う。
ライアン・ゴズリングは近年の出演作に『ブレードランナー2049』、『ラ・ラ・ランド』などがあります。
当初は依頼者の姪がアメリアだと思っていたら、実は二日前に亡くなったポルノ女優だった。
ヒーリーに腕を折られて調査を中断するが、すぐにまた彼からアメリアの調査を依頼される。
過去に頭を強く打っていて嗅覚を失い、ガス漏れに気づかず妻を火事で亡くしている。
最後は証拠となるフィルムを追いかけて、奪われそうになるも幸運により入手して事件解決。

ホリー・マーチ(演:アンガーリー・ライス)
マーチの一人娘。酒浸りでダメ人間な父親と違い、しっかりしていて彼の面倒を見ている。
アンガーリー・ライスは代表作に『ファイナル・アワーズ』、『スパイダーマン:ホームカミング』などがあります。
バスロブに服を着たまま入ってしまう酒浸りの父親に不快感を持ちながらも付き添う。
アメリアと繋がりのある映画関係者のシドが参加しているパーティで実際に彼女を見つける。
ようやくアメリアを保護して調子が悪い彼女をみるが、ジョン・ボーイの襲撃を受ける。
最後は車の展示会でタリーからフィルムを奪い、結果的にマーチが入手し事件を解決する。

アメリア・カットナー(演:マーガレット・クアリー)
マーチが捜索を依頼された女性。空気汚染に対する抗議団体を立ち上げて活動をしている。
マーガレット・クアリーは代表作に『Palo Alto』、『Death Note/デスノート』があります。
恋人でマイナーな映画監督を火事で失い、抗議活動に顔を出さず消息を絶っている状態。
ようやく見つけるが、母親はすべての黒幕だと主張し、これまでの活動はその理由だと語る。
母親が送ったジョン・ボーイがマーチの家を襲い、間違えて彼に助けを求めるが殺された。

ジョン・ボーイ(演:マット・ボマー)
プロの殺し屋。邪魔になったアメリア並びに、調査しているマーチとヒーリーを狙う。
マット・ボマーは代表作に『TIME/タイム』、『マグニフィセント・セブン』があります。
ジュディスが送った主治医を装い、マーチの家を襲撃し、逃げようとしたアメリアを射殺。
車の展示会でフィルム上映を阻止しようとするが、マーチとヒーリーの介入により失敗する。
最後はヒーリーと死闘を演じ首を絞められるも、ホリーの言葉で殺されず気絶させられた。

タリー(演:ヤヤ・ダコスタ)
ジュディスの秘書。アメリアの捜索依頼をする際、一緒に来たホリーの面倒を見ていた。
ヤヤ・ダコスタは代表作に『トロン:レガシー』、『TIME/タイム』などがあります。
アメリアがマーチの家にいる知り、彼らに依頼して外出させてジョン・ボーイを送った。
車の展示会で正体を現し、デトロイトで三人を殺害している殺し屋の一面を見せる。
ホリーの活躍で一度は気絶させられ、次にフィルムを奪われるといういいところなし。

ジュディス・カットナー(演:キム・ベイシンガー)
アメリアの母親。司法長官。排ガス浄化装置の裁判、ポルノ規制関連の裁判を担っている。
キム・ベイシンガーは近年の出演作に『フィフティ・シェイズ・ダーカー』、『サード・パーソン』などがあります。
ベガスのマフィアがポルノ産業でハリウッドに進出する計画を全力で阻止している。
実はアメリアに自動車メーカーやマフィアとの繋がりがある証拠を握られて殺害を計画する。
結局は証拠となるフィルムをマーチたちが手に入れ、裁判により刑務所に入る事となった。

感想

個人的な評価

本作は『リーサル・ウェポン』の脚本や『アイアンマン3』の監督として知られるシェーン・ブラックが監督と脚本を務めています。
更に製作には数々のヒット作を飛ばしている映画プロデューサーのジョエル・シルヴァーが務めています。
本作はいわゆるバディ・ムービーの作品だが、舞台が70年代後半のアメリカという事で独特な雰囲気を持っています。
アメリカの自動車産業が日本の自動車に追いつめられている時代であり、それを背景にした作品となっています。
シェーン・ブラックというと、監督よりも『プレデター』でメガネをしていたホーキンスを思い出す人も少ないでしょう。
そこまで目立つ活躍をしていなかったのですが、この作品自体が面白いので繰り返し観ていると、彼の役も自然と覚えていると思います。
映画監督としては本作が三本目となるが、人気シリーズの『アイアンマン』の三作目を任される意味では実力のある人物です。
本作はそんなシェーン・ブラック監督の特徴が最大限に活かされていると思います。
全体的に軽いノリのコメディタッチであり、そこのミステリー要素やちょっとした暴力などもオマケで入っています。
それにアメリカの自動車産業に潜むであろう黒い部分も面白おかしく演出しています。
何より本作はダブル主演となったラッセル・クロウとライアン・ゴズリングの共演が非常にポイントが高いです。
ラッセル・クロウはアカデミー俳優で演技力はもちろん、アクションもこなせる役者で本作は相変わらずの安定した演技でした。
対してライアン・ゴズリングは子役から活躍するキャリアの長い役者で、近年では『ラ・ラ・ランド』が大ヒットしています。
この二人が軽い感じのコメディをやっているのですから、それは面白いに決まっている。
そこに潤滑剤的な役割を果たすアンガーリー・ライスの存在もバッチリとハマっています。
父親とは何度かすれ違うけど、やっぱり絆があって、それを覗かせる笑顔が印象的です。
他にキム・ベイシンガー、キース・デヴィッドのベテランたちもしっかりと脇を固めます。
テンポも良く、コミカルな場面もきちんと機能しているが、どうにも全体的に物足りない印象を持ちました。
すべてにおいてのレベルは決して低くはないですが、なんだか決定的な部分が欠けているような感じがします。
これだけの役者を揃えれば、ある程度ストーリーが微妙でも成立するし、本作はそれなりに面白い構成だと思います。
ですが、引き込むだけのキャラクター、引き込むミステリー要素、引き込む友情というのが足りなかったと思う。
主演がラッセル・クロウとライアン・ゴズリングじゃなければ、残念ながら本作は薄味で印象に残らない作品になっていました。
つまり、本作の面白さを上げているのはダブル主演のおかげであり、純粋な作品としての魅力はあまり高くないと思います。
だから引き込む力が全体的に足りず、なんだか物足りない印象を持ったのかもしれない。
それでも、ラッセル・クロウとライアン・ゴズリングの共演を観ただけでも満足できました。