ムカデ人間3 RE-2154

作品紹介

公開年月  2015/05/22
ジャンル  ホラー/コメディ
原作  なし
監督  トム・シックス
脚本  トム・シックス
製作  イローナ・シックス、トム・シックス
製作国  オランダ、イギリス
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

アメリカの某所にある巨大監獄ジョージ・ブッシュ刑務所では、ビル・ボスは独裁的な権力を握っていた。
囚人たちの人権を無視したビル・ボスの暴虐に運営が祟り、彼の刑務所は全米で最も暴動が多く、職員の離職率が一番となっていた。
あまりにも悲惨な状況に州知事から解雇をチラつかされたビルは、囚人全員を去勢すれば大人しくなって経営も安定する考えるも失敗する。
一方で刑務所の会計士で右腕のドワイトは大ファンである『ムカデ人間』の映画を見せると、ビルは良いアイデアとして実行するとう暴挙に出るのだった。

登場人物&出演者

ビル・ボス所長(演:ディーター・ラーザー)
ドワイト・ハドラー(演:ローレンス・R・ハーヴェイ)
デイジー(演:ブリー・オルソン)
ジョーンズ医師(演:クレイトン・ローナー)
受刑者333(演:北村昭博)
ヒューズ州知事(演:エリック・ロバーツ)

感想

個人的な評価

1作目の『ムカデ人間』は世界的に大きな反響を呼び、ホラー映画史上に残る一作として話題を呼びました。
本作で主人公となる刑務所の所長であるビル・ボスを演じるのはディーター・ラーザーです。
ディーター・ラーザーはご存じの通り、一作目でムカデ人間を作り出したハイター博士を演じています。
ドイツ出身の俳優で主にテレビ映画への出演をしていたが、『ムカデ人間』により世界的に有名となりました。
本作では一作目と別人の設定であり、とにかく、終始に渡って物語を引っ張っていきます。
それも頭がおかしいというレベルを通り越した過剰な演技で、ディーター・ラーザーの独壇場となっている。
何よりディーター・ラーザーが必死の顔芸を披露する演技は見物で、相当頑張っていると伝わっています。
だが、そんな異常なキャラクターを演じるのに、まったく何も伝わってこないという不思議な感覚に襲われる。
気持ち悪いとか、危険なヤツとか、そんな感情すら生まれない、遠い世界で何かをやっている印象を持った。
ディーター・ラーザーはかなり体を張って演じているのに、ハイター博士と比べて一切魅力を感じなかったです。
もう一人の主人公とも言える刑務所の会計士であるドワイトを演じるのはローレンス・R・ハーベイです。
こちらも『ムカデ人間2』の主人公として登場したが、本作では別人という扱いでした。
二作目では気持ち悪さ全開で強烈なインパクトを与えたけど、本作はなぜか彼の長所がまったく活かされていなかった。
そもそもローレンス・R・ハーベイである必要性がなく、ほとんどをディーター・ラーザーに持って行かれてしまった印象でした。
で、こんなクソ映画にある意味、常連とも言えるエリック・ロバーツが州知事として登場しています。
今回はロン毛になって州知事らしい雰囲気で登場するけど、どう見てもマフィアのボスにしか見えなかった。
あとは個人的に『フィフス・エレメント』や『ダークナイト』に出演したタイニー・リスター・Jrも印象に残った。
一作目は衝撃的な内容であり、二作目は気持ち悪さが全開だったが、本作は残念ながら文字通りのクソ映画だった。
以前の作品が持つ素晴らしい魅力を一切無視して、どうでもいい箇所を肥大化させた結果、あまりにも退屈な内容となってしまった。
確かにディーター・ラーザーのハイター博士は良いキャラだったが、本作のビル・ボスは一人だけ暴れているような感じだった。
それだけで魅力が一切なく、あれだけ頑張ったディーター・ラーザーはなぜか印象に残らなかった。
中身がない作品とはまさに本作であり、ごまかす為にディーター・ラーザーが空しい頑張りをしていたクソ映画でした。