ミスター・ガラス VD-249

作品紹介

公開年月  2019/01/18
ジャンル  サスペンス/SF
原作  なし
監督  M・ナイト・シャマラン
脚本  M・ナイト・シャマラン
製作  M・ナイト・シャマラン、ジェイソン・ブラム、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

フィラデルフィアのとある施設に自分をスーパーヒーローと信じる男たちが集められ、精神科医のステイプルによってその真意を確かめる研究が行われようとしていた。
集められたのは不死身の肉体と悪を感知する能力を持つデヴィッド・ダン、凶暴で超人的な“ビースト”を含む24もの人格を持つ多重人格者ケヴィン・ウェンデル・クラム、非凡な知能と生涯で94回骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラスの三人。
ステイプルは彼らが精神を患い、危険な妄想に取り憑かれているという証明をしようと試みるのだった。

登場人物&出演者

デヴィッド・ダン/監視人(演:ブルース・ウィリス)
不死身で相手に触れる事で悪を感知する。普段は監視カメラなどを売る店を経営している。
ブルース・ウィリスは近年の出演作に『エア・ストライク』、『デス・ショット』がある。
息子のジョセフと自警団活動をしていて、街を出歩いて悪人を見つけて制裁を加えている。
ビーストとの戦いでステイプル医師たちに捕まり、そのまま精神病院へ収容される。
ミスター・ガラスの計画で暴走するビーストを抑えるべく、部屋から脱出して足止めする。
最後はビーストとの対決で疲弊し、クローバーの組織によって溺死させられてしまう。

イライジャ・プライス/ミスター・ガラス(演:サミュエル・L・ジャクソン)
高い知能を持ち生涯で94回骨折した男。デヴィッドによって精神病院に収容されている。
サミュエル・L・ジャクソンは近年の出演作に『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』、『アベンジャーズ/エンドゲーム』などがあります。
一瞬見ただけで地図を記憶し、収容された精神病院の電気をショートさせる過去を持つ。
投薬によって意識がなくなっていたが、実はすべて演技で計画を実行する為に待っていた。
ザ・ホードたちを仲間にして、デヴィッドを駆り出し、全世界に自分たちの存在を知らせる。
最後はビーストによって体を壊されて死亡するが、一部始終録画した映像が全世界に流れた。

ケヴィン・ウェンデル・クラム/ザ・ホード(演:ジェームズ・マカヴォイ)
24の人格を持つ男。本来の人格はあまり外に出ず、「照明」を取れる人格が主導している。
ジェームズ・マカヴォイは近年の出演作に『X-MEN:ダーク・フェニックス』、『デッドプール2』などがあります。
いつものように少女を誘拐していたが、デヴィッドに察知されてアジトに乗り込まれる。
デヴィッドとの戦いでステイプル医師たちによって精神病院に収容されてしまう。
ミスター・ガラスの計画で世界に自分たちの存在を示すべく、デヴィッドと対決を果たす。
最後はケイシーの言葉でケヴィンが支配し、クローバーの組織により狙撃されて死亡した。

ジョセフ・ダン(演:スペンサー・トリート・クラーク)
デヴィッドの一人息子。列車事故で唯一生還した父親の能力を知り、サポートしている。
スペンサー・トリート・クラークは代表作に『隣人は静かに笑う』、『グラディエーター』などがあります。
普段は監視カメラなどを扱う店を手伝っているが、その裏では街の情報をハッキングする。
デヴィッドが持つ能力を把握しているが、あまりムリをさせたくない思いも持っている。
ステイプル医師たちによってデヴィッドが精神病院に収容されると、なんとか出そうと奮闘。
最後はケヴィンを創り上げたミスター・ガラスの悪事を暴くが、父親が倒れて悲しんだ。

イライジャの母(演:シャーレイン・ウッダード)
イライジャの母で彼の症状を一番良く理解している。精神病院には面会に来ている。
シャーレイン・ウッダードは代表作に『アンブレイカブル』、『ミリオンダラー・ホテル』などがあります。
イライジャについてステイプル医師に話し、彼が自分は出来損ないと悲観しているという。
実際はイライジャ自身が何者か知りたいと列車事故を起こした事実についても理解する。
鎮静剤で意識が朦朧とするイライジャを励まし、彼が何か計画する事に勘づいていた。
最後はイライジャが全世界に自分たちの存在を出し、大きな影響を与える事を察知した。

ケイシー・クック(演:アニャ・テイラー=ジョイ)
女子高生。ケヴィンの人格たちに誘拐された被害者。幼い頃に父親から虐待を受けていた。
アニャ・テイラー=ジョイは近年の出演作に『ニュー・ミュータンツ』、『マローボーン家の掟』などがあります。
ザ・ホードに誘拐されて唯一助かった人物だが、本来の人格ケヴィンと友情を結んでいた。
ステイプル医師の接触により、精神病院に収容されたザ・ホードとの再会を果たした。
そこでケヴィンに接触して「照明」を支配するべきだと訴え、彼を改心させようとした。
最後はミスター・ガラスでビーストが暴走し、ケヴィンを説得して最期に彼のまま死なせた。

エリー・ステイプル医師(演:サラ・ポールソン)
精神科医。新たに派遣されてミスター・ガラスを含めた超人だと思っている者たちを治療。
サラ・ポールソンは近年の出演作に『バード・ボックス』、『オーシャンズ8』があります。
あくまでデヴィッドやケヴィンは前頭葉の問題を抱えて、超人的な力を持っていないと主張。
デヴィッドとケヴィンに科学的な側面から単なる妄想だと話し、彼らを説得しようとする。
実は1万年前から続くクローバーのタトゥーを持つ秘密組織の一員で、平和を保っていた。
最後は命を賭したミスター・ガラスの計画に利用された事を知り、一人悔しさで叫んでいた。

ジャイ(演:M・ナイト・シャマラン)
過去にデヴィッドと会っている。スタジアムでデヴィッドが警備員していた事を知っている。
M・ナイト・シャマランは近年の出演作に『スプリット』、『ハプニング』などがあります。
デヴィッドの店で監視カメラを買おうと訪れ、ジョセフから色々と説明を受けていた。

感想

個人的な評価

本作は『アンブレイカブル』から始まる三部作の完結作となります。
当初からシャマラン監督やブルース・ウィリスは続編の可能性を示唆したが、興行収入の不振で頓挫してしまっている。
どうやら『スプリット』におけるケヴィンの存在は『アンブレイカブル』に登場する予定だったようで、バランスを考えて削除したようです。
その『スプリット』が大ヒットしたおかげで、シャマラン監督は再び三部作への意欲がわき上がって本作の製作に繋がりました。
シャマラン監督は『シックス・センス』で有名になったが、その後の作品で失速して最近までは伸び悩んでいました。
しかし、近年の作品で復活の兆しが見えて、ついに『スプリット』で完全復活しました。
本作では『アンブレイカブル』に登場したキャラクターを再びブルース・ウィリスとサミュエル・L・ジャクソンが演じる事も話題となりました。
独立した作品が同じ世界を共有する点で、近年におけるアメコミ原作映画を強く意識しているような作品と言えるだろう。
ただ、本作は単純なスーパーヒーローが活躍する作品ではなく、シャマラン監督が追い求める「スーパーヒーローの存在の有無」に着目している点は面白い。
あくまでスーパーヒーローは存在しないという流れを作り、次第にキャラクターたちの信念が揺らいでいく展開は素晴らしい。
観ている側をなんとも言えないイライラを募らせ、それをクライマックスで解消させたシャマラン監督の演出は良かったと思います。
本作について、アメコミ原作映画やスーパーヒーローに思い入れがある人こそ、ラストでミスター・ガラスが命を賭して伝えたメッセージが強く響くと思います。
もうすでに三人がいない状態であるが、彼らをよく知る友人や家族が残されたメッセージで新たな時代の行方を見守る姿はスッキリさせられました。
マーベルやDCのエンターテイメント作品とは違い、本作はもっとスーパーヒーローや超人における本質的なところにスポットライトを当てているところが個人的に良かったです。