作品紹介
公開年月 | 2019/01/18 |
---|---|
ジャンル | サスペンス/ドラマ |
原作 | 福本伸行 『賭博黙示録カイジ』 |
監督 | ハン・イエン |
脚本 | ハン・イエン |
製作 | チェン・ジーシー・イェダ |
製作国 | 中国 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
定職にも就かず自堕落な日々を過ごしていた少年カイジは、ある日友人に騙され、借金額は5300万円を背負ってしまう。
カイジは負債者に借金一括返済のチャンスを与える「宿命」の名を冠すギャンブル船「デスティニー」に乗り込む。
謎の組織が裏で取り仕切るギャンブルは勝てば借金は帳消しになるが、負ければ命の保障がなく、負け組のエース・カイジは命を賭けた究極のゲームに挑むのだった。
登場人物&出演者
・カイジ(演:リー・イーフォン)
主人公。自堕落な毎日を送っている。仕事はしているが遅刻ばかりで減額されている。
リー・イーフォンは代表作に『晴れのちボクらは恋をする』、『ロクさん』などがあります。
意識不明になっている母親が入院しているが、当然のように払える滞納している状態にある。
友人が自分の家を担保にして消息不明となって、保証人として多額の借金を背負う事に。
デスティニー号に乗ってリー・ジュンとモンとチームを組んで、次々と攻略しようとする。
最後はリー・ジュンとモンの裏切りに遭うも生還し、リウ・チンと一緒に暮らすと宣言した。
・リウ・チン(演:チョウ・ドンユイ)
ヒロイン。カイジの幼馴染み。看護師をしていて、入院しているカイジの母親の面倒をみる。
チョウ・ドンユイは代表作に『サンザシの樹の下で』、『シチリアの恋』などがあります。
いつも金を無心してくるカイジに呆れながらも、彼に金を貸すなど甘やかしている状態。
リー・ジュンのせいで多額の借金を背負ったカイジがどこかへ行く事で不安を抱えていた。
カイジの帰りを信じていて、他の人と結婚する事など考えていないと言い切っていた。
最後は戻って来たカイジのイタズラで驚きながらも、ようやく彼の気持ちを受けて喜んだ。
・リー・ジュン(演:ツァオ・ビンクン)
カイジの幼馴染み。不動産会社に勤めている。カイジに母親の家の担保で大儲けを相談する。
ツァオ・ビンクンは代表作に『ドラゴン・フォー2/秘密の特殊捜査官陰謀』、『きみの声を探してアフター・ラブ』などがあります。
実際は顧客の頭金を持ち逃げし、カイジを保証人にして多額の借金を払って消えていた。
なんとかカイジの家を取り戻そうとデスティニー号に乗るが、当然のように負け続けていた。
カイジと再会してモンとともにチームを組んで、クリアを目指そうと彼の指示に従った。
最後はモンの裏切りがキッカケでカイジを再び見捨て、彼が出てくると絶好を宣言された。
・モン(演:ワン・ゴー)
多額の借金を背負った一人でデスティニー号に乗る男。肥満で丸眼鏡の片方は割れている。
ワン・ゴーは本作が長編映画デビュー作となります。
星を二つ残して途方に暮れていた時にカイジたちと接触し、カードを奪ってゲームで負ける。
それでもカイジたちに縋ってチームとして動き、主にカードの状況を監視していた。
救出を待つカイだったが、そこで本性を暴いて星を売るべきだとリー・ジュンを納得させた。
最後は小部屋を出たカイジの怒りが爆発して、タコ殴りにされて金と星を渡してしまう。
・チャン(演:シュ・ケ)
多額の借金を背負った一人でデスティニー号に乗る男。船でカイジに最初に声をかけた。
シュ・ケは代表作に『Aspirin』などがあります。
当初は一緒にクリアしようと提案してカードを消費するが、実は彼を騙す為の罠を仕掛ける。
その後は静観しながらカードを減らしていくが、カイジの動きにずっと着目していた。
カードが残り一枚となって他の人間にシャッフルを提案するが、そこでもイカサマを使う。
最後はカイジに追い詰められてクリアするが、屈辱を受けたまま船を降りる事になった。
・ルカ(演:アルベルト・ランセロッティ)
多額の借金を背負った一人でデスティニー号に乗る男。仲間を作ってゲームを攻略していた。
アルベルト・ランセロッティは代表作に『Reborn』、『Defended War』などがあります。
カイジたちが金を借りてカードを買い占めている事を見て、チャンスを窺って見張っていた。
残っていた中途半端なカードを消費する為にカイジに勝負を挑むも、逆に罠にかかった。
最後は自分の仲間にも裏切られてしまい、結局はカイジにカードと金を渡してクリアした。
・アンダーソン(演:マイケル・ダグラス)
多額の借金を背負った人間を豪華客船「デスティニー号」に招待する謎の多い男。
マイケル・ダグラスは近年の出演作に『アベンジャーズ/エンドゲーム』、『アントマン&ワスプ』などがあります。
リー・ジュンの裏切りで保証人となったカイジが連れて来られ、彼に関する情報を話した。
苦労して30年も借金返済をするか、デスティニー号に乗るか、カイジに選択を決意させる。
「限定ジャンケン」でカードをトイレに流した不正者をさらすと、容赦なく射殺している。
最後は誰よりも目立って勝ち残ったカイジを見て、彼に大きな興味を抱き見送っていた。
感想
個人的な評価
本作は『未体験ゾーンの映画たち2019』に上映された作品となります。
大ヒットした福本伸行の『賭博黙示録カイジ』を原作にして、日本でも藤原竜也により『カイジ/人生逆転ゲーム』として実写映画化されています。
どうしても藤原竜也の作品のイメージが強いけど、本作でのカイジもまた違った世界観を出そうとしていました。
物語は緊張感で張り詰めた雰囲気だが、本作は中国の豊かな資本を受けて地味な映像をなんとか派手に演出していました。
冒頭から展開する原作とはまったく関係ないピエロのアクションは非常に良かったです。
ただ、これが主人公の妄想じゃなければ独立した作品にも慣れるほどキャラクターとしても魅力があると思います。
さすがに資金を注ぎ込んでいるだけあって、地味な展開の藤原竜也の作品とはまったく違った雰囲気を出していました。
本作では「限定ジャンケン」というギャンブルゲームが舞台となるが、こちらは藤原竜也版とあまり変わらないです。
しかし、所々で主人公の妄想が入ってピエロになって、人間が次々と怪物に変身して倒していくアクションで派手さを演出している。
更に船へ乗る直前にも妄想が始まるけど、これは本筋とはまったく関係ないからテンポを悪くしているだけに感じた。
確かにピエロのアクションは派手さがあって、地味な作品を盛り上げる可能性を持っても、妄想と分かれば時間のムダにしか感じられない。
やはり、本作のメインはギャンブルゲームによる駆け引きであり、それ以外の要素はあまり主張する必要性がない。
逆に主張しすぎると邪魔になってしまい、本末転倒を迎えて面白さを半減させてしまいます。
本作は前半に関係ないピエロの描写が多くで不安を覚えたが、中盤以降はちゃんとギャンブルゲームの方に比重を置いて助かったと思う。
ただ、主人公のカイジはあくまでクズだという事を忘れちゃいけないが、なぜか本作ではいいヤツになってしまっている。
しかも、自分の帰りを待っている母親や恋人とも言える女性がいて、本来あるカイジ像とは少し違っている点もちょっと微妙でした。
もしかすると続編があるかもしれないが、どっちかと言えば、ピエロの方を別の作品として作った方が面白いと思いました。