作品紹介
公開年月 | 1992/10/03 |
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ジャンル | SF/ホラー |
原作 | なし |
監督 | 塚本晋也 |
脚本 | 塚本晋也 |
製作 | 小泉洋、塚本晋也 |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | 動画配信サービス |
あらすじ
妻と息子とともに平穏に暮らす谷口は、8才以前の記憶を喪失しており、幼い頃の風景をおぼろげに覚えているだけ。
そこにスキンヘッドの二人組が谷口を巨大な倉庫に連れ込まれると、そこは“やつ”が統率する軍団が肉体訓練を受けていた。
生体実験により脳神経に刺激を与えられた谷口は、肉体の一部を鋼鉄に銃器と化し、激しい殺戮を始めるのだった。
登場人物&出演者
・谷口明生(演:田口トモロヲ)
主人公。サラリーマン。カナと息子とともにデパートに出かけるがスキン兄弟に撃たれる。
田口トモロヲは近年の出演作に『終わった人』、『孤狼の血』などがあります。
家に帰ってから問題なく生活していたが、スキン兄弟がまたも息子をさらって異変が加速。
巨大倉庫に連れられて体から銃が生えて暴走し、意識がない間にスキン弟を射殺する。
実は鋼鉄に変化する薬は電卓に止められ、やつの兄で純粋に肉体が変化したと判明する。
過去に父親と母親を銃に変化した右手で射殺した事で記憶を失っていたという。
最後は妻を助けようと体が完全に鋼鉄に変化し、やつを圧倒するが記憶を取り戻した。
・カナ(演:叶岡伸)
家族でデパートでショッピングしているとスキン兄弟に遭遇し、夫が撃たれてしまう。
叶岡伸は代表作に『鉄男』、『青い車』などがあります。
家に帰ってからは体に異常がない夫を見守るが、スキン兄弟からの電話で異変が起きる。
息子が夫の変化した右手による銃でバラバラになってしまい、茫然自失のような状態になる。
なんとか巨大倉庫から逃げ出した夫を怖がり、助けを求める彼に怯えるだけとなった。
谷口をおびき出す為にやつによって連れ去られ、谷口の真実を知り本来の彼を受け止めた。
・スキン兄(演:手塚秀彰)
スキンヘッド兄弟の兄。デパートにやって来た谷口一家を尾行していた。
手塚秀彰は代表作に『機動戦士ガンダムUC(ユニコーン』シリーズなどがあります。
デパートで谷口の息子を捕まると同時に彼へ何かを撃ち込んで立ち去った。
巨大倉庫に連れて行くと、異変が加速した谷口に弟が射殺されて怒りが頂点に達する。
右手に銃を装着して逃げ出した谷口を追うが、結果的に返り討ちに遭い射殺された。
・スキン弟(演:浅田修生)
スキンヘッド兄弟の弟。兄とともにデパートにやって来た谷口一家を尾行した。
浅田修生は本作が長編映画デビュー作となっています。
一度はデパートで撒かれるが、家に侵入して息子を再びさらって屋上へ逃げていく。
谷口を屋上から突き落とそうとし、息子を見せつけて異変を加速させた。
巨大倉庫に連れて行くと、更に異変を加速させた谷口の胸から生えた銃口で射殺される。
・やつ(演:塚本晋也)
科学者を使って人間を意図的に改造させていた黒幕。谷口の予想を上回る変化に興味を持つ。
塚本晋也は代表作に『電柱小僧の冒険』、『六月の蛇』などがあります。
他のスキンヘッドとは違った素晴らしい結果に満足して科学者がお役ご免として射殺した。
巨大倉庫から逃げ出してしまった谷口を連れ戻すべく、怯えていた妻のカナを連れ去る。
完全に体が鋼鉄へ変化を遂げていく谷口と直接対決するも、圧倒的な暴力の前に押される。
最後は谷口が破壊を愛する兄だと知って、彼に過去の記憶を与えて本来の姿を与えた。
感想
個人的な評価
本作は『鉄男』の続編というワケではなく、セルフリメイクという位置づけになります。
前作では製作費が1000万と少数のスタッフで作りましたが、本作は予算の規模が大きくなって映像もモノクロからカラーに変わっています。
カルト映画とも言えるほどの強烈な塚本晋也監督の世界観が広がった前作と違い、本作はかなり一般受けを意識した作品となっています。
モノクロからカラーに変化しただけでも別の作品に見違えるが、塚本晋也監督らしい雰囲気はまだまだ残っていました。
独特な演出や音楽の使い方はそのままであり、前作をパワーアップさせた内容となっている。
一作目とは構成や展開が少しばかり違っており、ぶっ飛んだ設定を科学的に説明しようとしている試みが随所に見られます。
ただ、この説明こそが致命的な演出で、せっかくの前作にあった塚本晋也監督の力業が本作でマイルドになってしまった。
やはり、力強く細かい事をねじ曲げるほどの強烈なインパクトがあったからこそ前作は素晴らしい作品だったと思う。
本作はそこら辺の独りよがりがマイルドになってしまい、微妙なドラマ性を生み出したせいでカルト的な魅力が半減してしまいました。
それにワケが分からない理屈を科学的に証明しようとした点も微妙で、主人公とやつの関係性も微妙なドラマで普通になってしまったという思いがありました。
どうしても前作が衝撃的だっただけに、本作が普通の映画になったのは個人的になんだかマイナスポイントでした。