ターザン:REBORN VD-41

作品紹介

公開年月  2016/07/01
ジャンル  アクション
原作  エドガー・ライス・バローズ 『ターザン』
監督  デヴィッド・イェーツ
脚本  アダム・コダッド、クレイグ・ブリュワー
製作  ジェリー・ワイントローブ、デヴィッド・バロン、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

19世紀末のロンドン、家督を継いで貴族となり、愛する妻ジェーンとともに裕福な結婚生活を送るかつてのターザンであるジョン・クレイトン。
国政にも関わるジョンは、外交に協力する為、ジェーンを伴い故郷のコンゴを訪問する。
しかし、巧妙に仕組まれた罠によってジェーンは連れ去れてしまい、愛する妻を取り戻す為にジョンはすべてを捨ててターザンとしての眠れる野生を呼び覚ますのだった。

登場人物&出演者

ジョン・クレイトン/ターザン(演:アレクサンダー・スカルスガルド)
主人公。かつてジャングルで育ったターザン。今では貴族となって愛妻ジェーンと暮らす。
アレクサンダー・スカルスガルドは代表作に『バトルシップ』、『ギヴァー/記憶を注ぐ者』などがあります。
自分がターザンであった過去を忘れようとするが、運命には逆らえないと知って戻る事に。
ずっと悩んでいる感じであり、文明社会にいても異質な存在というのが漂っている。
アレクサンダー・スカルスガルドはターザンのイメージにピッタリだと言える。
ただ、あまりにも表情が乏しいので、これが狙いなのか、単純に元からそうなかの。
もう少しターザンとしてのキャラクターを際立たせてくれれば、もっと魅力的になっていただけにちょっと残念である。
あとは吹き替えの桐谷健太が典型的な素人吹き替えだったので萎えた部分もある。

ジェーン(演:マーゴット・ロビー)
ヒロイン。ターザンことジョン・クレイトンの妻。アフリカの大地で育った強い女性。
マーゴット・ロビーは代表作に『ウルフ・オブ・ウォールストリート』、『スーサイド・スクワッド』などがあります。
ジャングルの伝説になったターザンにも勝るとも劣らないほど原住民から慕われている。
すっかりと文明社会に溶け込んだターザンとは違い、ずっとアフリカに帰りたかった。
敵に捕まっても強気は変わらず、動物たちを大切に思う点でもターザンと似ている。

ジョージ・ワシントン・ウィリアムズ(演:サミュエル・L・ジャクソン)
アメリカ特使。ターザンとともにコンゴへ行く。射撃の腕は一流でどんな的も外さない。
サミュエル・L・ジャクソンは近年の出演作に『キングコング:髑髏島巨神』、『セル』などがあります。
南北戦争で大勢を殺し、その後、インディアン狩りに加わって言葉では言えない事をした。
博士と呼ばれる一方、超人的なターザンや原住民に付いて行くだけの運動能力を持つ。
ずっとシリアスなターザンとは違い、軽い感じでずっとしゃべっているムードメーカー。

レン・ロム(演:クリストフ・ヴァルツ)
レオポルド2世の側近。コンゴを武力で支配する為に作戦を立案する。総督に近い男。
クリストフ・ヴァルツは近年の出演作に『007/スペクター』、『ビッグ・アイズ』などがあります。
常にロザリオを持ち歩き、一見して品行方正な紳士に見えるが、実は冷酷な殺し屋である。
その目的はベルギーの支配下になるコンゴの総督のイスというモノであった。
意外にも戦闘能力は高いが、ターザンの前では不意打ちをするだけで精いっぱいでした。
クリストフ・ヴァルツが演じているから存在感が出ているが、キャラクターとしては弱い。

ムボンガ(演:ジャイモン・フンスー)
とある部族の首長。今回、ターザンを殺す為にレン・ロムと取引をしている。
ジャイモン・フンスーは近年の出演作に『ワイルド・スピード/SKY MISSION』、『セブンス・サン/魔使いの弟子』などがあります。
過去に一人息子が成人の通過儀礼にターザンのゴリラ家族を襲い、逆に殺されてしまう。
その恨みでターザンの命を奪おうとするが、彼の説得でレン・ロムが本当の敵だと理解する。

感想

個人的な評価

『ターザン』が最初に実写映画化されたのは1918年。
当時、原作者であるエドガー・ライス・バローズが実写映画化に奔走していたようです。
サイレント映画として『ターザン』が公開されたが、実際は原作者の意向を無視した形となってしまったようです。
しかし、映画は大ヒットし、主演を務めたエルモ・リンカーンは大スターになり、作品も100万ドルを突破しました。
本作のヒットを受けて、定期的に『ターザン』の実写映画が製作されるようになりました。
ただ、時代の流れもあって、次第に本数を減らし、2000年に入ってからアニメーション映画のみになってしまった。
そこで満を持して久しぶりとなる『ターザン』の実写映画となりました。
監督を務めるのはデヴィッド・イェーツで、『ハリー・ポッター』シリーズで知られる。
最新作では『ハリー・ポッター』の新たなシリーズでも監督を務めています。
とにかく、本作では新たな『ターザン』という位置づけの作品となっています。
生身でターザンを演じるアレクサンダー・スカルスガルドの肉体美、それにどこか過去を引きずっているような哀愁を漂わせている。
そこにジェーンを演じるマーゴット・ロビーの強くも美しい妻のバランスが絶妙である。
相棒的な存在を演じたサミュエル・L・ジャクソン、悪役のクリストフ・ヴァルツの実力者もきちんと物語を支えています。
本作は古き良き『ターザン』に敬意を表しつつも、現代的なCGを惜しげもなく劇中に取り入れています。
基本的に動物たちはCGであるが、本作では違和感がほとんどない完璧に近い造形です。
ゴリラはもちろん、特にターザンと久々に再会した幼馴染みのライオンたちとの友情を確かめ合うシーンは本物にしか見えなかった。
映像としては最高であり、ストーリーも悪くないし、出演者もハマっている。
だが、いつものように吹き替え版で鑑賞したが、やっぱり、配給会社ってクソだと思う。
主演のターザンに桐谷健太が起用されたけど、雰囲気としては分かるが、全体的に他と比べて抑揚がなくボリュームも小さい。
つまり、典型的な素人吹き替えであり、ターザンである前に桐谷健太が演じているターザンという印象が強かった。
結局、桐谷健太を起用したのは今が旬の俳優で興行収入を見込んだ計算なのだろう。
ちょっとだけ野性的なイメージがあるから、それをヒントに起用した可能性もあります。
大人たちの狙いはバッチリだが、作品の完成度を重視する側としては「マジで作品を貶めている」と思ってしまう。
クソみたいな吹き替えにあたると、いつも思う事だが、英語を習って映画を楽しみたいという気持ちにさせてくれます。