作品紹介
公開年月 | 2017/05/11 |
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ジャンル | SF/サスペンス |
原作 | なし |
監督 | クリスティアン・パスクファリエロ |
脚本 | クリスティアン・パスクファリエロ |
製作 | ジークフリート・カムル、ティム・オーバーヴェランド、ほか |
製作国 | ドイツ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
EXOとの最終決戦から57年後、一人の若い兵士SUM1が100日間の監視塔“ケルベロス”任務を命じられ、生まれて初めて地上に送り出される。
宇宙の暗闇から聞こえる不気味な咆哮、本部より飛び交う警戒情報にも関わらず、数週間経ってもEXOは一向に姿を現さない。
EXOの正体について詳しい情報を一切明かさない監視本部にSUM1は不信感を持ち、独自に調査すると驚愕の事実を知るのだった。
登場人物&出演者
・SUM1(演:イワン・リオン)
主人公。二等兵。地球外侵略者EXOを地上から100日間に渡って監視する任務に就く。
イワン・リオンは代表作に『ワイルド・ビル』、『ウェイストランド』などがあります。
起床して運動、シャワーを浴びて飯を食い、監視カメラを確認し、夜は目視で警戒をする。
このようなルーチンワークを100日間続けるが、娯楽はせいぜい一本のタバコだけ。
普通なら耐えられない退屈な毎日だが、主人公はその前に訓練を受けているので問題なし。
基本的に無表情だが、唯一の友達である白いネズミ・ドクとの会話時に笑顔を見せる。
前任者が引き上げた事に不信感を抱き、任務とは別に独自の調査をして真相を確かめる。
結論として任務はウソであり、支配層が限られた資源を独占する為に作り上げたと結論する。
しかし、本当にEXOが存在し、バリアーを破った事で人類の危機をもたらしてしまう。
・7Q7(演:アンドレ・ヘンニック)
MAC。監視塔ケルベロスが停電になり、UNUから点検と修理の為に派遣された。
アンドレ・ヘンニックは代表作に『ヒトラー/最後の12日間』、『パンドラム』があります。
過去にエクソと遭遇し、砂嵐によって気管支がダメになって機械を使って言葉を話している。
長らく孤独な任務をしていたSUM1が心の安らぎをもたらしたドクをケガさせる。
それが引き金となったSUM1の不信感が妄想に変わり、すべてがウソだと結論を導く。
エクソや現在の地下での生活にウソがない事を主張するも監禁されてしまう。
任務を放棄したSUM1によって解放されるが、EXOの襲撃で彼を助けるも犠牲になる。
感想
個人的な評価
本作は『パンドラム』の製作陣が集結して作った作品となります。
『パンドラム』について残念ながら、まったく記憶に乗っていない作品です。
ただ、そこまで面白い作品ではない事は記憶しており、そうなると少し期待値が低くなる。
しかも、本作は登場人物が限られていて、見えない敵をただ監視するだけの物語となる。
主人公は初めて地上に出てきたので、色素が薄く、当初は太陽も裸眼で見る事ができない。
それに訓練された兵士であり、任務が始まって数週間はロボットのようなルーチンワークを展開させています。
娯楽は一日に一本のタバコだけで、食事も粉を水で溶かした灰色のペースト状というモノ。
これを100日間も続ける上に、敵がどのような姿かまったく分かっていない。
どう考えても相当のストレスがかかるが、主人公は白いネズミを見つけて“ドク”と名前をつけて友達になってやり過ごす。
孤独で娯楽もなく、警戒と少ない情報しかない中での任務は確実に心を蝕んでいく。
当然のように主人公も心を病んでいき、ついに前任者がどうなったのか突き止めます。
それによって、主人公がやっている事が茶番だと結論つけて、自由の為に縛っていたバリヤーを無効化して警戒区域の外へ出てしまう。
ここから本作のネタバレになるが、実はEXOは本当に存在し、主人公が多大なストレスで勝手に妄想を展開させただけというオチ。
このオチについては予想できるような展開で、二者択一でEXOは本当にいる、EXOはおらず主人公の結論が正しいとなる。
前者は本作の流れでは自然な結果であり、EXOが出てきて主人公を殺せば物語は終わる。
これが後者になってしまうと、根深い問題となってしまい、本作は単なる序章で観ている側は呆れてしまうのです。
なので、必然的に前者の結末となるが、思っていたよりは上手く間を持たせていました。
こういう一人芝居で面白い作品だと『月に囚われた男』が最初に思い浮かびました。
『月に囚われた男』は普通に良作であり、オチもなかなか秀逸だったので、それの劣化版という感じがしました。
物語のほとんどを占めている主人公SUM1を演じたイワン・リオンは良かったと思う。
見た目からしていわゆるディストピアな近未来の人間で、感情はないように見えるが、ドクに話しかける時だけ表情豊かになったが。
個人的に予想していたよりは良かったけど、なんだか味のないガムを食ったような感じです。