作品紹介
公開年月 | 2007/11/22 |
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ジャンル | ホラー/サスペンス |
原作 | なし |
監督 | ウーヴェ・ボル |
脚本 | ウーヴェ・ボル |
製作 | ウーヴェ・ボル、ダニエル・クラーク、ほか |
製作国 | カナダ |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
アメリカ史上最悪の連続殺人鬼マックス・シードは電気椅子による死刑が実行されるが、彼の心臓は動き続けていた。
州法では三度刑を執行しても死ななかった場合、死刑囚は自由の身になるモノがあり、当然のように捜査官たちは許すはずもない。
そこで捜査官のビショップたちはシードの死を偽装し、生きたまま地中深く埋葬するが、それでも彼は死ななかった。
墓場から蘇ったシードは自分を葬った関係者たちを次々と惨殺し、ついに彼の魔手はビショップの妻と娘まで延びていた。
誘拐された妻と娘を救う為、ビショップはシードの隠れ家に向かい、そこで彼が遭遇したのは極限の恐怖、そして究極の選択だった。
登場人物&出演者
・ビショップ(演:マイケル・パレ)
・マックス・シード(演:ウィル・サンダーソン)
・ウォーデン・アーノルド・カルグローブ(演:ラルフ・モーラー)
・エミリー(演:ジョデル・フェルランド)
感想
個人的な評価
ウーヴェ・ボルはゴールデンラズベリー賞の常連であり、ついに第29回で『最悪監督賞』と『最悪功績賞』を受賞している。
ハリウッドでは伝説として語られるエド・ウッドの後継者であり、現在でもハイペースで駄作を生み出している。
B級映画を好む者たちはウーヴェ・ボルの話題は当たり前のように出るほど彼の存在は大きい。
特にゲーム原作の実写映画化が多く、世界でもゲームファンを敵に回す監督はウーヴェ・ボルしかいません。
あるエピソードではゲーム原作の映画を撮るのを止めさせる為に署名活動までするサイトも存在するぐらいです。
しかも、ウーヴェ・ボルは『ポスタル』という映画が公開するまで100万票集まったら映画監督から足を洗うというリップサービスをしている。
だが、そんな彼の発言を受け、ある会社が100万票集まったら署名した全員に無料のガムを配るという騒ぎにまで発展している。
とにかく、悪名高いウーヴェ・ボルがゲーム原作の実写映画を撮ると知った時には関係者は震え上がるでしょうね。
そんなウーヴェ・ボルは本作で珍しくオリジナルの企画として映画を撮っているようです。
だが、どこからどう見ても『13日の金曜日』のジェイソン・ボーヒーズであり、キャラクターの設定も被りまくっている。
その中で顕著なのが不死身の連続殺人鬼という設定だが、ジェイソン・ボーヒーズの設定とは比べ物にならないほど二番煎じとなっている。本作において主人公でシードの死を偽装した捜査官であるビショップを演じるのはマイケル・パレです。
オイラが最近鑑賞した『ストリート・オブ・ファイヤー』では主人公を演じて一躍人気スターになっていました。
しかし、最近ではB級映画、ウーヴェ・ボルが監督する作品に出演する常連になっています。
まあ、ウーヴェ・ボルの作品の特徴として、駄作なのは前提となっているが、なぜかメジャー級の俳優が出演する。
だけど、マイケル・パレに関しては『ストリート・オブ・ファイヤー』で完全燃焼していて下降線をたどっている俳優なのは否めない。
他にオイラが知っている俳優は『ユニバーサル・ソルジャー』や『スコーピオン・キング』に出演したラルフ・モーラー。
肉体派の俳優なので当然のようにアクションでしか活きない人物ですが、なぜか本作では演技派っぽい人物で彼の魅力を確実に殺していました。
それとちょっと驚きだったのが『サイレント・ヒル』で子役として強烈な印象を残したジョデル・フェルランドが出ていました。
子役の宿命に苦戦しているのだろうか、まさかウーヴェ・ボルの作品に出演するなんて汚点の何モノでもないとオイラは思いました。
物語は相変わらずウーヴェ・ボルが展開してくれる「つまらなさ」が全開であり、スリラーなのに緊張感がまったくないのは逆にスゴイ。
何よりテンポが非常に悪く、どうでもいい登場人物の動きを追うカメラのアングルが鑑賞する気力すら失せる効果がある。
それに冒頭で流れる犬に対する虐殺のシーンは本物であろう映像にグロテスク耐性のあるオイラでも気分を害しました。
これで殺人鬼の異常性を演出しているつもりだろうが、ただ単に不快感を与えるだけでなんの説得力がない。
もちろん、ツッコミどころが多いのはデフォルトなので割愛しますが、電気椅子で死なない男を生き埋めにして殺せると思った捜査官の頭の悪さに感服です。
ウーヴェ・ボルの作品は物好きじゃない限りは絶対に鑑賞しない方がいい。確実に後悔すると思いますので。