作品紹介
公開年月 | 2016/01/08 |
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ジャンル | ホラー/パニック |
原作 | なし |
監督 | フランチェスコ・ピコーネ |
脚本 | フランチェスコ・ピコーネ |
製作 | ウーヴェ・ボル、マルコ・リストーリ、ほか |
製作国 | イタリア |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
謎のウイルスが蔓延し、感染者は凶暴なゾンビへと変貌し、次々と人間を襲っていた。
夫と娘を失いながらも間一髪で逃げ出せたアリスは、途方に暮れている時、非感染者のスティーヴンと、妹を守りきれず悲しみに打ちひしがれるピーターと出会う。
安全な場所を求めて逃げ続けるが、希望のない日々に暮れる中、三人はウイルスに感染していない島へのフェリーがある事を知る。
信憑性に欠ける情報にピーターは否定的だが、妊娠していたアリスは安全な場所を求め、かすかな希望を抱いていた。
その一方、とある避難所では安全が確保されていたが、そこでは一人の女性が感染から救うキーパーソンとして隔離されていたのだった。
登場人物&出演者
・アリス(演:ロベルタ・スパルタ)
主人公。妊娠している事が分かった時、幼い娘は家に侵入したゾンビに食い殺されてしまう。
ロベルタ・スパルタは女優の他に、脚本家や映画プロデューサーとしても活躍しています。
娘の無残な姿を見てショックを受けるも、編み針を手にして外へ出て行きます。
でも、危険な街中をなぜ編み針だけで出たのか分からず、普通なら包丁を持って行くはず。
ショックで錯乱していたように見えなかったし、何よりタイミング良くスティーブンが登場。
結局、最後までかすり傷すら負わない
・スティーヴン(演:マリウス・ビザウ)
街中でゾンビに襲われそうになったアリスを助けた。武器はリボルバーのみ。
マリウス・ビザウは12作に出演し、主にテレビドラマなどで活躍しています。
感染者がいない島を知って、すぐに希望を見出して行こうとするもピーターに止められる。
止められた事で急に考えが変わって、なぜか信憑性がないと希望を抱くアリスを止める。
当然ながらアリスとはいい感じになっていき、色ボケしたせいで基本的な危機感を忘れる。
・ルーカー隊長(演:アーロン・スティールストラ)
とある避難所を仕切る隊長。右目辺りに傷があて、感染から救う女性を匿っている。
アーロン・スティールストラは俳優の他に作曲、脚本家、映画プロデューサーとしても活躍しています。
登場した時から「オレ様」という雰囲気が全開であり、完全なる権力者という立場。
色々と拷問とか言っている割に、良くしゃべるから威厳がまったく感じられない。
仕舞いには逃がしてしまった感染を救う女性を一度捕まえるも、アリスによって簡単に手放すという小物感がでていた。
それに弱者をいたぶるのが好きで、性格の悪さと器の小ささがにじみ出ていました。
・女囚人(演:デジレ・ジョルゲッティ)
アリスとは関係ないところでいきなり登場する。何かの実験台にされている様子が映る。
デジレ・ジョルゲッティは11作に出演し、本作が長編映画三作目となっています。
どうやら感染者には見向きもされず、彼女自体がウイルスに免疫があるらしい。
明確に設定を見せていないので、予測の範囲だが、彼女を実験体にワクチンを作るつもりだったのかもしれない。
・ハルク(演:クラウディオ・カミッリ)
ルーカー隊長の片腕。隊長と違ってほとんどしゃべらず、唯一のセリフが「ハルク・スマッシュ」だけだった。
クラウディオ・カミッリは21作に出演し、テレビドラマや短編映画で活躍しています。
愛用の木製バットで人を殴り殺すが、最後の方で隊長によって足を撃たれ、そのまま足止めとしてゾンビのエサになる。
・ベン(演:デヴィッド・ホワイト)
ルーカー隊長とハルクとともに女囚人を探していた。妻と娘が避難所で暮らしている。
デヴィッド・ホワイトは22作に出演し、脚本家としても活躍しています。
結局、彼によって女囚人が解放されてしまい、その罰として隊長によって片足を切断され、ハルクによって木製バットで撲殺される。
・ピーター(演:マイケル・シーガル)
スティーヴンとアリスとともに旅をしていた。妹がゾンビに襲われて絶望していた。
マイケル・シーガルは代表作に『忌み嫌われる家』、『インプリンズン/修道女の悪夢』などがあります。
感染者のいない島があるというラジオを発見してスティーヴンとアリスに聞かせるが、なぜか真っ先に否定する謎の行動を取る。
感想
個人的な評価
ゾンビ映画は無限の可能性を持つジャンルであるが、本作は王道的な作品である。
タイトルから連想する有名なドラマ『ウォーキング・デッド』からいくらか設定を拝借しているようです。
まず、主人公のアリスは妊娠しているが、これは『ウォーキング・デッド』にもあった。
次にアリスを助けるスティーヴンだが、ヒゲ面はどう見ても『ウォーキング・デッド』の主人公を意識している。
更に本作はゾンビ映画を片っ端からパクっているような印象も見受ける。
主人公の名前がアリスというのは『バイオハザード』シリーズを彷彿とさせます。
感染者がいない島というのも『ドーン・オブ・ザ・デッド』から来ている。
なんだかツギハギのような印象を受ける本作はオリジナルの設定として女囚人が登場する。
何の前触れもなく、アリスとは無関係なところで突然登場するのでワケが分からない。
何かの実験台にされているのは分かるが、明確な説明がないまま物語は終わります。
状況からして、彼女はウイルスに免疫を持っていて、ゾンビには捕食されない。
結局、その実験はまったく説明されないまま物語が終わるので、完全にこの設定は手に余ってしまったのだろう。
本作は真面目にずっとシリアスな感じで展開していくが、まったく面白くないです。
見たようなシーンがツギハギとなっているので、既視感たっぷりで盛り上がる部分もない。
何より四ヶ月も逃亡しているのに、全員の服装が小綺麗で乗っている車はワックスをかけているようにキレイなのです。
一番の致命的なところは、本作に独自のエンターテイメント性がないという点であろう。
そして、本作がつまらない要因が一つ、制作にウーヴェ・ボルが名を連ねています。
伝説的なクソ映画製造器であるウーヴェ・ボルが関わっているなら、ある意味、納得のできる作品でした。