作品紹介
公開年月 | 2010/12/18 |
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ジャンル | 時代劇 |
原作 | 池宮彰一郎 『最後の忠臣蔵』 |
監督 | 杉田成道 |
脚本 | 田中陽造 |
製作 | 小岩井宏悦、服部洋、ほか |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
赤穂浪士の討ち入りから16年が経ち、すでに終わった事件と思われていたが、四十七士の中で切腹する事なく生き延びた男がいた。
その男は寺坂吉右衛門は大石内蔵助より「生き証人として討ち入りの真実を後世に伝え、浪士の遺族を援助せよ」との使命を受けていた。
遺族を捜して全国を渡り歩き、ついにその旅も終わりを迎えようとしていた時、討ち入り前夜に突如逃亡した旧友、瀬尾孫左右衛門と出会う。
固い絆で結ばれた二人は主君大石内蔵助の為に命を捧げようと命を誓い合ったはずだった。
登場人物&出演者
・寺坂吉右衛門(演:佐藤浩市)
・瀬尾孫左衛門(演:役所広司)
・可音(演:桜庭ななみ)
・茶屋修一郎(演:山本耕史)
・茅野きわ(演:風吹ジュン)
・奥野将監(演:田中邦衛)
・進藤長保(演:伊武雅刀)
・大石内蔵助(演:片岡仁左衛門)
感想
個人的な評価
この作品は池宮彰一郎の同名小説を基に作られています。
池宮彰一郎は元々脚本家として『十三人の刺客』などを手がけていました。
その後、1992年に小説『四十七人の刺客』を発表して以来、歴史小説家として活動していました。
だが、司馬遼太郎の作品と類似していた疑惑により活動を停止し、亡くなった現在では盗作問題で引き合いに出される事が多いです。
監督には『北の国から』シリーズの演出家として知られる杉田成道が務めています。
残念ながらオイラは『北の国から』は見てないので、どのような演出か分かりません。
どうやら「サムライ・シネマキャンペーン」と題して本作を含めた時代劇映画5作共同のキャンペーンが行われたようです。
更に本作はワーナーエンタテインメントジャパンのローカル・プロダクション本作的第1弾として製作されています。
ただ、当初は日米同時公開を予定していたが、英語版のタイトルに他の映画会社から異議が申請された為に延期していたようです。
最初は『THE LAST RONIN』の英語版タイトルだったが、最終的には『SAIGO NO CHUSHINGURA』に変更されました。
そんな吉右衛門の非難にも決して真相を語ろうとしない孫左右衛門は、裏切り者の汚名に耐えてでも生き延びなければならない使命があった。
それは内蔵助の隠し子、可音を密かに育て上げるモノで、ようやく彼女に縁談話が持ち上がり、孫左右衛門の使命もいよいよ終わりを迎えるのだった。
本作において主人公となるのは生き証人となった寺坂吉右衛門を演じた佐藤浩市、討ち入り前夜に逃亡した瀬尾孫左右衛門を演じた役所広司の二人となっています。
佐藤浩市と役所広司は邦画界を代表する演技派の俳優であり、様々なジャンルでも安定した実力を見せてくれています。
オイラは双方が共演した三谷幸喜監督の『THE有頂天ホテル』などで拝見していますが、なかなか楽しませる演技でした。
もちろん、両者が単独で主演した作品でも、やはり三谷幸喜の作品で拝見しています。
佐藤浩市は『ザ・マジックアワー』でのクドイ演技をする役者、役所広司は『笑の大学』で見せた検閲官がそれぞれ記憶に残っています。
それとヒロインとなる大石内蔵助の隠し子、可音を演じた桜庭ななみは名優二人にも負けないインパクトを残していました。
多少は演技に荒い部分があったとしても、演技よりも容姿や知名度などを優先する昨今、地力をつければかなり期待できる女優だと思います。
武士にとって散り際が美徳とされていた時代、一方は生き証人として、もう一方は裏切り者として生き延びた男たちの物語。
ただ、物語のほとんどは孫左右衛門と可音との関係性を描いていて、ちょっとばかり吉右衛門はオマケのように感じてしまいました。
さすがに力の入った作品だけに、現在のファンタジックな時代劇とは違い、しっかりとした内容で良質な時代劇だと感じました。
しかしながら、オイラは忠義を尽くす武士の生き様だけを描いていると思っていたが、内容のほとんどはラブストーリーのようなモノでした。
オイラはロマンスよりも武士の忠義だけを期待していた分、そこら辺はちょっと退屈に感じてしまいました。
ただ、可音を育てる為に協力したゆう役の安田成美に迫られても、敢えて断る武士の忠義というのは本当に大変なモノだなと思いました。
そして、最後に見せた瀬尾孫左右衛門の笑顔は武士としての使命を果たした男の印象的な顔でした。
本作は近年の時代劇映画としては良質な作品であり、観ても損はない内容だったと思います。