パトリック/戦慄病棟 VD-173

作品紹介

公開年月  2013/08/26
ジャンル  ホラー
原作  リチャード・フランクリン 『パトリック』
監督  マーク・ハートリー
脚本  ジャスティン・キング
製作  アントニー・I・ギネイン
製作国  オーストラリア
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

看護師が謎の失踪を遂げた郊外の不気味な精神病棟にキャシーが赴任する。
キャシーは昏睡状態の少年パトリックの世話をする担当となるが、彼の持つサイキックパワーで自分に好意を持っている事に気づく。
それがやがて病棟に惨劇をもたらす元凶になるとはキャシーも知る由もなかった。

登場人物&出演者

キャシー(演:シャーニ・ヴィンソン)
主人公。奇跡の研究を行っているロジェット・クリニックに興味を持ち雇われる事になる。
シャーニ・ヴィンソンは代表作に『サプライズ』、『ドラゴン・ブレイド』などがあります。
履歴書から非常に優秀だと師長が認め、ロジェット医師が医療の質問をしても即答する。
ロジェット医師のやっていたパトリックへの治療に疑問を持ち、それにより好意を持たれる。
ブライアンと一夜の関係を持つもパトリックが排除し、夫のエドも危険になって警告した。
最後はパトリックの思い通りに動くが、灯台点灯に合わせて注射を打ち、すべてを止めた。

ウィリアムス(演:ペータ・サージェント)
看護師。入ってきたキャシーの案内役として制服を着させると、病院の噂を口にする。
ペータ・サージェントは代表作に『エリア52』、『アイアン・スカイ』などがあります。
師長に対してアダ名をつけたり、病院の事情について話したり、院内の説明などをしていた。
近くのバーにいつもやって来るブライアンとは親しく、何度か彼の家に行っていた。
パトリックに操られて訪れたエドを誘導すると、院内にある冷凍庫に閉じ込めてしまう。
最後はキャシーの願いで意識を取り戻すが、エレベーターに押し潰されて死亡した。

・ブライアン(演:マーティン・クルーズ)
精神科医。現在は本業を離れて執筆とラジオの仕事をしている。ウィリアムと親密な仲。
マーティン・クルーズは代表作に『バイオハザード』、『DOA/デッド・オア・アライブ』などがあります。
バーで一度会ったキャシーに興味を持ち、別の日に外出していた彼女と再会して誘った。
その時にパトリックの超能力で無意識に彼女へツバを吐くが、謝罪の為に自宅を訪れる事に。
キャシーが院内で行われているロジェット医師の違法な治療を知り、圧力をかけていた。
最後はキャシーを連れ出そうと病院に向かうが、パトリックにより崖下に突き落とされ死亡。

エド(演:デイモン・ガモー)
キャシーの夫。名門の家で自分を含めて家族が全員優秀。出て行ったキャシーを追った。
デイモン・ガモーは代表作に『The Tracker』、『あまくない砂糖の話』などがあります。
ずっとキャシーに電話をかけていたが、無視されても諦めずに彼女の居場所を突き止める。
当初は危ないヤツだと思わせぶりな登場だが、実はキャシーがプレッシャーで出ただけ。
パトリックによって両手に火傷を負い、キャシーからの警告を聞いて彼女を助けようとする。
最後は病院を訪れるも冷凍庫に閉じ込められ、死体に殺される寸前でキャシーに助けられた。

フレイザー(演:クリス・フォーチュナ)
元々は寝たきりの患者。ロジェット医師の治療で覚醒し、毎晩灯台の明かりをつけている。
クリス・フォーチュナは代表作に『Any Questions for Ben?』、『Spin Out』があります。
目覚めてから無気力であったが、ロジェット医師の提案で決まった時間に灯台へ行く。
院内で唯一行動している患者だったが、パトリックの超能力に干渉されず自由に動いていた。
最後はパトリックの暴走を気にせず、灯台を点灯するべく向かい、キャシーの逆転に繋がる。

マトロン(演:レイチェル・グリフィス)
看護師長。ウィリアムスからは「氷の女王」と呼ばれており、常に厳しい態度を取る。
レイチェル・グリフィスは代表作に『日蔭のふたり』、『ハクソー・リッジ』があります。
実はロジェット医師の娘であるが、公にしておらず、ウィリアムスが密かに耳打ちした。
パトリックに話しかけていたキャシーを快く思っておらず、それを注意を促した。
ロジェット医師のやっている研究を理解していたが、パトリックの暴走に疲れてしまう。
最後はパトリックの生命維持装置をブレーカーで止めるが、彼の超能力で逆に感電死する。

ロジェット医師(演:チャールズ・ダンス)
ロジェット・クリニックの院長。長期昏睡患者の研究しているが、上から結果を催促される。
チャールズ・ダンスは近年の出演作に『アンダーワールド/ブラッド・ウォーズ』、『愛の亡命』などがあります。
業績を上げるよう友人である委員長から言い渡されるが、焦りを持たずに受け流していた。
新たな看護師の面接をする厳しいマトロンと違い、キャシーの優秀さを買って雇う事に。
内心では焦っていて研究を完成させようとパトリックに治療を施すが、キャシーが反対する。
最後はパトリックが危険だとようやく気づき、殺そうとするが逆に殺されてしまう。

・パトリック(演:ジャクソン・ギャラガー)
ロジェット医師が特別に扱っている被験者。家族で事故に遭って一人だけ助かっている。
ジャクソン・ギャラガーは本作が長編映画デビュー作となります。
見た目は正常に見えるが、意識はなく、電気治療や投薬など様々な試みをしているらしい。
実は意識をずっと持っていて、好意的に接してくれたキャシーに横恋慕して暴走する。
超能力で他人の意識を支配してケガさせたり、パソコンを介して会話などをする。
最後はキャシーを自分のモノにしようとするが、結局は隙を突かれて殺されてしまう。

感想

個人的な評価

本作は1978年に公開されたリチャード・フランクリン監督の『パトリック』をリメイクした作品となっています。
「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2014」に出品されています。
監督であるマーク・ハートリーはオリジナル作品を取り上げたドキュメンタリー「マッド・ムービーズ/オーストラリア映画大暴走」が自らリメイクしています。
マーク・ハートリー監督はドキュメンタリー作品を多く手がけているが、映画としては本作が二作目となっています。
そのせいか、本作は全体的にホラーの演出が稚拙であり、特に音楽の使い方が「ヘタクソかよ」と思ってしまうほどクソすぎました。
途中で「あれ?アサイラムの作品?」と勘違いしてしまうほど、場面と音楽がまったく合っていないシーンが多かった。
更にホラー映画の撮り方を知らないのか、やたらと音で驚かす演出を多用していて、前半が特に顕著で飽きてしまうぐらいの回数でした。
あまりにも頭の悪い演出に辟易していたが、さすがに後半だと物語を終結させる為に幼稚な音の演出がなくなっていましたが。
基本的にホラー映画の撮り方を知らない人が作った作品なので、すべてに置いて物足りない上にズレた恐怖の演出でした。
そこになぜかSF要素を取り入れて、パトリックという裏主人公の超能力が段々とエスカレートしていきました。
物体を動かすのは分かるし、テレパシー的な要素も分かるけど、凍った死体を自在に動かすのは明らかにやり過ぎでした。
それにパトリックという裏主人公の動機が単純な偏愛だが、この事実を主人公に言うまでの回りくどい展開が意味不明すぎました。
素直に言ってしまえばいいのに、なぜ回りくどい言い方になっているのか、本作ではまったく効果的な演出ではなかった。
このように本作は不満しか残らない演出ばかりで、題材として面白そうなのに、監督が三流のせいで台無しにしてしまっている。
所詮ドキュメンタリーしか撮れない監督なので、この程度なのは逆に納得するような残念な作品でした。