美女と野獣/2017年版とは?
村で変人の美女が森の城で暮らす孤独な野獣に囚われ、次第に惹かれ彼の呪いを解く物語。
信長さまの総評
人は見た目は良し悪しであらず、
内から溢れる「心の鏡」そのものじゃ。
サルも泣きおっていたわ。それ以上にあの寡黙な弥助が誰よりも泣いておったわ。
大男で無口な弥助が場をわきまえず泣いていたのは驚いたのう。
なぜかサルと抱き合っておったわ。ワシも……ワシはまったく感動しなかったがな。
ところで、お主ら、鏡で己の姿を見て満足しておるか?
ほとんどの者は「満足しておらん」と答えるじゃろうが……
勘違いも甚だしいわ!
人の見た目は内から溢れる現状の己なり。
容姿の良し悪しではなく、その者から溢れ出る心の豊かさじゃ。
どんなに着飾った者ではあっても、心が薄汚れておるとくすんで見えるわ。
この作品に登場する野獣こそが心の成長を魅せておる。
孤独となった愚か者は誰にも愛されない野獣に変えられ、目の前に救世主がいても信じられぬ心の貧しさを露呈しておったわ。
最後に心が通じた野獣は人間の姿に戻るのじゃが、それこそが真の姿であり、人を愛する事で己の闇を払う。魔女の呪いは心を映し出す鏡と言えるのじゃろう。
まあ、ワシは最初から野獣の男が教養のある者だと見抜いておったわ。はっは。
上に立つ者としての意見じゃが、この男だけでは国を治められるほどの実力はない。じゃが、この男には聡明な妻、有能な家臣が多くおり、心を改めた事で国も安定するじゃろう。
最後ももう一度、お主らに伝えておこう。
人の見た目は内から溢れる心の鏡じゃ。心が豊かな人間ほど魅力的なモノはないのじゃ。
だからワシの下に有能な家臣が集まる。それが上に立つ者の本懐なのじゃ。
さてさて、サルと弥助がまだ泣いておるが……いかんいかん。目にゴミが入ったわ。お蘭にちゃんと掃除させよう。もちろん、褒美も与えるがな。はっは。
以上、ワシの『美女と野獣/2017年版』についてのレビューじゃ。
もっと詳しいレビューは「脳内ミニシアター改」にある。
では、次回まで首を洗って待っておれ。さらばじゃ!