作品紹介
公開年月 | 2017/03/18 |
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ジャンル | SF/アドベンチャー |
原作 | なし |
監督 | 神山健治 |
脚本 | 神山健治 |
製作 | 岩佐直樹、櫻井圭記 |
製作国 | 日本 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
2020年の岡山倉敷市、平凡な女子高生の森川ココネは、無口で無愛想な父親と二人暮らしをしている。
昼寝をする事だけが得意なココネは、居眠りをしては怒られる毎日だが、そんな彼女はある不思議な夢を繰り返し見るようになった。
そして、東京オリンピックを三日後に控えたある夏の日、突然父親が逮捕され、東京に連行されてしまう。
ココネは幼馴染みのモリオとともに事件解決する為に向かったが、その途中で自分が繰り返し見ていた夢の中に解決の糸口があると気づくのだった。
登場人物&出演者
【現実世界】
・森川心羽(声:高畑充希)
主人公。女子高生。普段は無口な父親の為に食事を作っている。学校ではよく居眠りをする。
高畑充希は代表作に『ドルフィンブルー/フジ、もういちど宇宙へ』、『怒り』があります。
小さい頃に「エンシェンと魔法のタブレット」の物語を父親のモモタローから聞かされる。
高校生最後の夏休みで将来をどうするか決めかねる中、モモタローが警察に捕まってしまう。
父親の無実を晴らすべくカギとなるタブレットを片手に、志島会長と会うべく東京へ。
最後は志島自動車で高いところが落ちるのをモモタローに助けられ、志島会長と和解した。
・佐渡モリオ(声:満島真之介)
ココネの幼馴染み。現在は東京の大学に通っている。夏休みになって帰省していた。
満島真之介は代表作に『風俗行ったら人生変わったwww』、『無限の住人』などがあります。
ココネの父親が警察に捕まったとして、心配で様子を見に来たら逃げる事になってしまう。
タブレットの中身を探っていると、モモタローと連絡が取れるSNSを発見してココネが使う。
夢の国では登場しておらず、その為にキャラクターではなく、モリオのまま登場している。
最後は高いところから落ちるココネを救出する手助けをし、志島会長と和解する光景を見た。
・森川モモタロー(声:江口洋介)
ココネの父親。自動車整備工場「森川モータース」をたった一人切り盛りする工業技術者。
江口洋介は代表作に『GOEMON』、『るろうに剣心』などがあります。
普段は無口で放っておけば食事もしないほど仕事熱心だが、報酬は気持ちだけを受け取る。
その為、何度もココネから注意されるが、それでも金銭ではなく気持ちだと主張する。
完全自動運転のオリジナルコードのデータがあるタブレットを所有し、渡辺が狙っていた。
最後は高いところから落ちるココネを救い、志島会長と再会し、娘のおかげで和解した。
・森川イクミ(声:清水理沙)
ココネの母親。志島自動車の創業者にして会長である志島一心の一人娘。すでに故人。
清水理沙は吹替の担当にアリアナ・グランデ、エミリア・クラークなどを務めています。
父親の跡を継ぐべく、アメリカの大学で学ぶと、将来を見据えて完全自動の自動車を熱望。
しかし、一心が頑なに古い考え方を押し通してしまい、それに呆れて会社を自ら辞める。
夢の国ではココネが自分だと思っていたエンシェンであり、モモタローに娘を託していた。
・渡辺一郎(声:古田新太)
志島自動車所属のヒゲ男。ココネが持つモモタローのタブレット端末を奪う為に来た。
古田新太は近年の出演作に『土竜の唄/香港狂騒曲』、『超高速!参勤交代/リターンズ』などがあります。
どんな手を使ってでもタブレットを奪おうと、警察すら利用しようとするあくどい人物。
部下を使ってココネをムリヤリ保護しようとするも失敗し、結局はタブレットを奪われる。
東京に帰ってからココネから再びタブレットを奪い返し、完全自動運転を手に入れてしまう。
最後はココネの活躍でまたも奪い返され、結局はその野望を打ち砕かれてしまう結果に。
・志島一心(声:高橋英樹)
志島自動車の創業者で会長。東京オリンピックの為に完全自動運転の車を出品しようとする。
高橋英樹は代表作に『男の紋章』シリーズ、『戦争と人間』などがあります。
裏では渡辺があくどい手段を使っている事を知らず、ただ完全自動運転の完成を急がせる。
モモタローとの約束でイクミが出て行ってから一切の連絡を取っておらず、ココネを知らず。
外で気分転換していた時にココネと話すが、その時は彼女が孫である事も分からなかった。
最後はココネを助けたモモタローを見て、彼女が孫だと分かり、祖父として和解をした。
【夢の中の人々】
・エンシェン・ト・ハート(声:高畑充希)
夢の中のココネ。機械を信奉する国王である父親を持つ。自身は魔法使いとして生まれる。
機械技術を第一にするハートランドでは異端の存在として、ガラスの牢獄に幽閉される。
魔法の力に引き寄せられる「鬼」がやって来るが、唯一、対抗できるのが魔法の力である。
ハートランドを救おうとエンジンヘッドを動かすが、その時に高いところから落下をする。
最後はなんとかピーチが助けるも叶わず、そこでココネが自分ではなくイクミだと知る。
・ジョイ(声:釘宮理恵)
現実世界ではココネが持つぬいぐるみ。夢の中では一番の理解者で親友、助言を与える。
釘宮理恵は代表作に『灼眼のシャナ』シリーズ、『ゼロの使い魔』シリーズなどがあります。
エンシェンにとってかけがえのないパートナーであり、唯一魔法で会話をする事ができる。
常にエンシェンの傍にいるが、彼女がいなくなると、今度はココネの傍に付き添った。
・モリオ(声:満島真之介)
夢の中のモリオ。ハートランドではキャラクターとして登場しておらず、そのままで登場。
元々ハートランドにいなかったので、目が覚めたココネには一緒にいた記憶はない。
・ピーチ(声:江口洋介)
夢の中のモモタロー。田舎からハートランドにやって来た男。服には海賊の印を掲げる。
「鬼」に立ち向かった事で、エンシェンの目に止まって、助けになると思い仲間にする。
それ以来、エンシェンの魔法を完成させるべく協力し、時には腕っ節で彼女を助ける。
最後はエンジンヘッドから落ちそうになったエンシェンを助けるが、結局は落ちてしまう。
・ベワン(声:古田新太)
夢の中の渡辺。ハートランドの大臣にして異端審問官。エンシェンを敵視している。
実は魔法使いであり、ハートランドを破壊している「鬼」を作り出した張本人。
国王を出し抜いて自らその地位を欲しがるが、結局は見透かされて捕まってしまう。
最後は国を焼き尽くそうとするが、魔法によって自分自身も燃えて消え去った。
・ハートランド国王(声:高橋英樹)
エンシェンの父。エンシェンが持つ魔法の力を理解できず、ベワンに言われるまま幽閉した。
「鬼」の脅威にエンジンヘッドを作ったが、魔法の力がないと勝てないと後で知る事に。
エンシェンがいなくなってから魔法の力が必要だったと後悔しながら、「鬼」と戦っていた。
最後はココネといたジョイを見て、ベワンが裏切っていた事を知って彼を逮捕させた。
感想
個人的な評価
本作は神山健治が監督と脚本を務めたオリジナルのアニメ映画となります。
神山健治監督の代表作に『攻殻機動隊S.A.C』シリーズ、『東のエデン』シリーズがある。
特に『東のエデン』は原作も務めており、テレビアニメシリーズで監督や脚本なども務める。
本作はどうやら『君の名は』の影響による予告編で多くの人が「騙された」と憤慨した。
こういう残念な印象を持ってしまうのは悲しい限りだが、これを狙った製作側の意図が完全に裏目に出てしまった。
個人的にはかなり好きな部類の作品であり、現実とファンタジーを行き来する点は許容範囲であった。
大抵の場合、こういう二つの世界を共有する作品というのはグチャグチャになりそうだが、本作はなんとか地に足が付いていたと思う。
これでついて行けないとなれば、もうどうしようもないので、最初から観ない方がいいと思います。
やはり、本作はどれだけ物語に入っていくかによるところが大きく、あまり入っていかない人には厳しいかもしれません。
単純に鑑賞するだけならば、物足りないだろうけど、そこに独自の脳内補完をしていれば楽しめる作品だと思います。
これは完全に個人の裁量に依る部分が大きくなるので、一概に本作は面白いは言えません。
ただ、個人的には楽しめたし、色々と脳内補完ができたので、悪くない作品でした。
何より本作はエンドロールこそが本編であり、それまでの物語はこの為に用意されたのではないかと思えるほど完璧でした。
あんなに短い時間で、しかもセリフがないシーンだが、脳内補完でどんな物語か想像がついて感動もできると思わせる。
しかしながら、エンドロールが素晴らしかった分、本編のパワー不足が逆に目立ってしまったのは残念でならなかったです。