エンジェル・バトラー/戦闘無双 RE-2717

作品紹介

公開年月  2009/05/01
ジャンル  アクション/格闘技
原作  なし
監督  ション・シンシン
脚本  サニー・チャン
製作  ジョー・マ
製作国  香港、中国
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

広東の武術一家に育ったニエは、父親の無残な死のショックから立ち直れず退屈な警備員の仕事を続けながら失意の日々を送っていた。
ある日、偶然再会した幼馴染みのチョンにスカウトされ、香港へやって来た彼女は富豪ハーの妻のボディガードとして働き始める。
勤務の初日にハー夫妻が誘拐されてしまい、この事件をきっかけに彼女の元に次々と屈強なファイターが送り込まれていくのだった。

登場人物&出演者

・ニエ・イーイー(演:ジャン・ルーシャー)
主人公。広東の武術一家に育つ。一流の技を持ちながらも、今はしがない警備員をしている。
ジャン・ルーシャーは代表作に『イップマン/最終章』、『ラスト・シャンハイ』があります。
そこで偶然すぎる旧友との再会により、大富豪であるハーの元で奥さんのスーザンを護衛。
しかし、何者かによってスーザンが掠われ、ハー自身も行方不明になり責任を感じる。
実は賭博組織の罠であり、ハーこそがボスであって、半年前から目をつけられていたという。
最後は最強のファイターであるソンと対決して勝利し、ハーを殴ってその場を立ち去った。

チョン(演:サム・リー)
ハーの元で護衛を務めている。ニエの幼馴染みで「デブ君」と呼ばれるも今は痩せている。
サム・リーは代表作に『ワイルド・シティ』、『ピンポン』などがあります。
ニエの強さを誰よりも知っていて、ハーの奥さんの護衛としてピッタリだとスカウトした。
何よりも金に目がなく、ハーの護衛を務めているのはあくまで稼ぎがいいという理由。
実は賭博組織の一員であり、ニエをゲームに引き込んだ張本人だが、良心は残っていた。
最後はネット中継されるニエとソンの対決を見守り、現場に駆けつけるも無視された。

スーザン(演:ペギー・ツェン)
ハーの妻。モデル並みのスタイルと抜群の容姿を持ち、富豪の妻らしい立ち振る舞いをする。
ペギー・ツェンは代表作に『台北の朝、僕は恋をする』、『狼が羊に恋をするとき』がある。
ハーが打ち合わしていて、化粧室から戻ってくる時に謎の集団によって掠われてしまう。
最後は賭博組織の一員と判明するが、ニエの同意だと思っていたという天然な一面を見せる。

ベン(演:パワー・チャン)
ハーと高級レストランでビジネスの話しをしていた男。ずっと右目を引きつらせている。
パワー・チャンは代表作に『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ/天地風雲』などがあります。
チョンの言葉でニエが誘拐犯の首謀者だと勘違いされるが、実は潜入捜査官であった。
最後はニエによって解放されると、タイミングを見計らって警察官を引き連れてハーを逮捕。

ソン・リーシャン(演:ケイン・コスギ)
ハーの共同経営者。裏では高額を支払ってファイターを雇って戦わせる賭博組織を束ねる。
ケイン・コスギは近年の出演作に『テラフォーマーズ』、『鉄拳/Kazuya’s Revenge』などがあります。
実は賭博組織の最強ファイターであるが、組織自体の実権はすべてハーが握っていた。
最後はニエとの対決に負けるよう言われるが、普通に負けてしまい、情けをかけられた。

ハー(演:チョン・シウファイ)
大富豪。中国では名の知れた人物であり、多くの友人を持っているが誰一人信頼していない。
チョン・シウファイは代表作に『マッスルモンク』、『冷たい雨に撃て、約束の銃弾を』などがあります。
ベンと会合していた高級レストランで何者か襲われ、妻が掠われ、自身も行方不明となる。
その後、なんとか自力で追っ手を撒くと、ニエとチョンの前に現れて賭博組織の事を話した。
実は賭博組織のボスであり、ニエを騙す為にソンをボスに仕立てていただけだという。
最後はソンを倒したニエに取引を持ちかけるもボコボコにされ、ベンに逮捕されてしまう。

感想

個人的な評価

本作は香港のカンフー映画界の大スターとして知られるション・シンシンによる初監督長編作品となります。
ション・シンシン監督は俳優として『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズで知られています。
更に本作で注目するべきは主人公のニエを演じているジャン・ルーシャーでしょう。
ジャン・ルーシャーは少林寺に入門し、武術学校を経て北京体育学院で学んだという本物の武術家という点だろう。
同じようなタイプのカンフースターにはジェット・リーが特に有名であり、ジャン・ルーシャーもミシェル・ヨーに続く次世代アクション女優として期待されています。
本作で初めて知ったジャン・ルーシャーですが、なんだかタイのアクション女優であるジージャー・ヤーニンを思い出します。
パッと見だと二人は似たような感じだが、本作では圧倒的な運動量とアクションのキレ、更に武術で磨き上げられた技が凄まじかった。
ただ、演技の方はまだまだ勉強中という印象を受けるほど、ほとんど無表情か怒った表情しかなく、今後はそっちの方面も鍛えられるだろう。
なぜか強い主人公がいると、そこにくっつく口達者の相棒がいるけど、本作では「デブ君」と呼ばれるチョンを演じたサム・リーが務めていました。
ずっとアクションばかりで息をつくヒマもない中で、貴重な息抜きを与えてくるコミックリリーフとして活躍していました。
あとは日本でも有名なケイン・コスギも悪役として出ているが、結局は利用されるだけの立場でキャラクターとしては扱いが悪かったです。
クライマックスの戦いでジャン・ルーシャーと戦っているが、ちょっとばかり彼女との技術の差があったせいか、あまり盛り上がらなかったです。
ストーリーはほぼないようなモノであり、ほとんどがアクションをしているけど、残念ながら工夫は皆無と言っていいほどでした。
シチュエーションは確かに変えているけど、やっている事は同じであり、戦っている相手も結局合わせているから面白味がない。
同じくアクションが中心の作品にトニー・ジャーの『トム・ヤム・クン!』があるけど、こちらは相手が使う格闘技や武術がハッキリと差を付けていました。
その点では本作はあくまでジャン・ルーシャーの凄さを伝えるだけで、それ以外についてはオマケ程度の作品でした。