作品紹介
公開年月 | 2019/10/25 |
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ジャンル | アクション |
原作 | なし |
監督 | ジュリアン・ルクレルク |
脚本 | ジュリアン・ルクレルク、ジェレミー・ゲーズ |
製作 | エイミー・ブイジン、ジュリアン・マートン、ほか |
製作国 | フランス、ベルギー、イギリス領ヴァージン諸島 |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
南アフリカで要人警護を生業していたルカスは事故で妻を失い、娘とともに故郷のベルギーで新たな生活をスタートさせていた。
ルカスは職務中に暴力事件を起こした責任で失業するが、ストリップクラブの用心棒(バウンサー)として職を得る。
ところが、暴力事件の相手が政府高官の息子であり、ルカスは警察に弱みを握られて裏でストリップクラブのオーナーの動向を探る事になるのだった。
登場人物&出演者
・ルカス(演:ジャン=クロード・ヴァン・ダム)
主人公。ベルギーのナイトクラブで用心棒をしていた。暴力沙汰を起こしてクビになる。
ジャン=クロード・ヴァン・ダムは近年の出演作に『ネバー・ダイ/決意の弾丸』、『キックボクサー/ザ・リベンジ』などがあります。
同僚からストリップクラブの用心棒になるが、暴力沙汰をカモにされて潜入捜査をする事に。
命を張ってヤンの仕事をして信頼を持つが、マキシムに辞退を口にするも拒否されてしまう。
サラの為に仕方なくヤンの悪事をマキシムに暴露し、印刷所で偽造紙幣の製作を手伝う。
最後はマキシムのせいでヤンに撃たれるが、静かな怒りで全員を始末してサラの元へ帰った。
・サラ(演:アリス・バーセット)
ルカスの娘。南アフリカに住んでいたが、事故で母親を亡くしてベルギーに来ている。
アリス・バーセットは代表作に『Ma reum』などがあります。
ルカスとは非常に仲が良く、彼のやっている仕事に勘づいて質問するも深入りはしない。
ヤンがルカスを試す為に人質にされていたが、当人は気付かずにリサとお絵かきをしていた。
状況が危険になってくると、何かと協力してくれるオマールの家に泊まる事となった。
最後はヤンとマキシムを殺したルカスから電話が入り、帰ると言った彼を待つ事になる。
・オマール(演:カーリス)
ルカスとナイトクラブで用心棒をする大柄の黒人男性。ルカスとは同僚で友人でもある。
カーリスはミュージシャンで、映画の代表作に『Fastlife』、『Overdrive』などがあります。
暴力沙汰でルカスがクビになってしまうと、職を失った彼にストリップクラブの仕事を紹介。
ルカスだけじゃなくサラの身にも危険が及ぶと、責任を感じて全面的に彼の手伝いをする。
最後は危険な状況になってくると、ルカスの頼みでサラを預けて何かと彼の帰りを待つ。
・リサ・ザッケリーニ(演:スヴェヴァ・アルヴィティ)
イタリア人。過去に通貨偽造の罪で起訴された前科を持つ。ナイトクラブでは顔パス。
スヴェヴァ・アルヴィティは代表作に『チャットレディ/偽りの代償』、『ダリダ/あまい囁き』などがあります。
ヤンに偽造紙幣の腕を見込まれ、イタリアから連れて来られて彼の下で忠実に働いていた。
父親は印刷業を営んでいたが、死んでしまい残した借金を返す為に偽造紙幣に手を染めた。
ゲールトが目の前で死んでしまうと、激しく動揺するもルカスの言葉でなんとか踏み留まる。
最後は印刷所に踏み込んだマキシムに銃口を向けられ、抵抗もしないまま殺されてしまう。
・マキシム・ゼルーアル刑事(演:サミ・ブアジラ)
ベルギーの刑事。ヨーロッパ全体を巻き込んだ偽造紙幣の取引について捜査を展開している。
サミ・ブアジラは代表作に『彼女たちの時間』、『カレ・ブラン』などがあります。
暴力沙汰を起こしたルカスに注目し、暴行を取り消す代わりに捜査の協力を強要させる。
ルカスや彼の娘の命が危険に晒されても、そのまま潜入捜査を続けろと命令する性格の悪さ。
実はヤンの犯罪を取り締まるつもりはなく、仲間と彼の偽造紙幣を手に入れようとしていた。
最後は印刷所に踏み込みヤンを殺すが、ルカスの反撃を受けて仲間全員とともに殺された。
・ゲールト(演:ケヴィン・ヤンセンス)
ヤンの忠実な部下。ストリップクラブの責任者でルカスを用心棒として目利きした。
ケヴィン・ヤンセンスは代表作に『レスキューチーム/第40部隊』、『アルデンヌ』がある。
取引の為に邪魔な男を誘拐するべく、ルカスの娘を人質に取るも逆に脅されてしまう。
最もヤンに信頼されているが、男を誘拐する為の作戦を考えず無闇に突撃する頭の悪さ。
最後は誘拐した男を引き渡してブツを手にするが、銃撃戦の末に流れ弾で呆気なく死んだ。
・ヤン・デッカーズ(演:サム・ルーウィック)
オランダ人。ストリップクラブのオーナー。ルカスを新たな用心棒として雇っている。
サム・ルーウィックは代表作に『フィフス・シーズン/春の来ない村』、『夏をゆく人々』などがあります。
ヨーロッパ全体を巻き込んだ偽造紙幣の裏取引をして、20カ国から逮捕を望まれている。
オランダ人との取引に行き詰まっていて、人材不足からルカスを利用しようとサラを人質に。
ルカスの働きに心から信頼を置き、警察と繋がっている彼を一切疑わない純粋なバカなボス。
最後は印刷所で警察に踏み込まれルカスの正体を知って腹に弾丸を食らわせるが殺された。
感想
個人的な評価
本作は『インストーラー』や『フランス特殊部隊GIGN/エールフランス8969便ハイジャック事件』で知られるジュリアン・ルクレルクが監督を務めています。
ずっとアメリカを中心に活動しているジャン=クロード・ヴァン・ダムですが、今回は故郷であるベルギーを含めたヨーロッパの作品となります。
世界的に有名なアクション俳優であり、数多くの作品に出演しているヴァン・ダムだが、近年は様々なアプローチを試みています。
そんな中で本作はアメリカと違ったヨーロッパらしい暗い雰囲気で物語が展開し、決して激しいアクションはありません。
それに加え、ヴァン・ダムの代名詞でもある「飛び後ろ回し蹴り」は残念ながら本作では披露していません。
そもそも、本作では派手なアクションはほとんどなく、リアルな格闘を見せており、途中で疲れて休憩する場面もあったりします。
ヴァン・ダムはもうすぐ60歳を迎えるので、以前のような激しいアクションはできないが、ちゃんと自分のできる範囲を理解しています。
ちゃんとアクションの部分を自分で演じているだけじゃなく、キャラクターの等身大にあった格闘を魅せているのはとてもいい。
物語はずっと暗い雰囲気で進んでいて、ヴァン・ダムが笑顔を見せるシーンはほぼないが、これは非常に合っている感じた。
確かに何も考えずに楽しめるアクションもいいけど、このようなノワール的な作品はヴァン・ダムにハマっているような気がする。
ヴァン・ダムの作り出す表情や雰囲気は作品にマッチしていて、一人娘の為にどんな犠牲でも厭わない父親としての姿も似合っていました。
何より本作では安易なロマンスがなかったのは素晴らしく、その女性も犠牲になってしまう展開は世界観として間違っていなかったです。
いつものヴァンダミングアクションだと思っていたら、予想外の展開と静かながら引き込まれる構成はなかなか良かったです。
ただし、やっぱりヴァンダミングアクションを求めてしまう部分もあって、ここら辺のイメージとの違いで物足りなさを感じてしまったのも事実です。