ザ・ブリザード VD-26

作品紹介

公開年月  2016/01/29
ジャンル  パニック/ドラマ/アドベンチャー
原作 マイケル・J・トーギアス、ケイシー・シャーマン 『The Finest Hours』
監督  クレイグ・ギレスピー
脚本  スコット・シルヴァー、ポール・タマシー、エリック・ジョンソン
製作  ジム・ウィテカー、ドロシー・オーフィエロ
製作国  アメリカ
鑑賞方法  配信動画サービス

あらすじ

猛烈な吹雪と高波に襲われた巨大タンカーが難破し、船体は真っ二つに折れて船首側はすぐに沈没してしまう。
一方、船尾側もいつ沈没してもおかしくない状態の中、乗組員たちは懸命に沈没を食い止めて救助を待っていた。
やがて、若き沿岸警備隊員バーニーと三人の仲間たちが、自らの危険を顧みず小型救助艇での救助か救助活動を行う。
恐ろしい高波に立ち向かい、コンパスを失いながらも、タンカーを目指して救助艇を進めるバーニーたちであった。

登場人物&出演者

バーニー(演:クリス・パイン)
主人公。沿岸警備隊員。規則に厳しい。ミリアムとの初デートでは戸惑っていた。
クリス・パインは近年の出演作には『スター・トレック/BEYOND』、『イントゥ・ザ・ウッズ』などがあります。
ミリアムとは三ヶ月付き合って結婚を申し込まれるが、なぜか最初は断ってしまう。
でも、ミリアムを見て結婚を決意するという優柔不断な一面を見せている。
演じているクリス・パインは熱血のイメージがあるけど、冒頭では自信がない感じ。

ミリアム(演:ホリデイ・グレインジャー)
ヒロイン。数週間前からバーニーと会話をしていて、それで彼に惚れている。
ホリデイ・グレインジャーは代表作にテレビドラマ『ボルジア家/愛と欲望の教皇一族』などがあります。
気が強くて、自分からバーニーに結婚を申し込み、救助に向かった時にもクラフに迫る。
当時としては珍しく強気な女性で、優柔不断なバーニーを引っ張るだけの説得力があった。

リッチー(演:ベン・フォスター)
沿岸警備隊員。結婚の許可を求めるバーニーをからかい、彼が失敗した過去を口にする。
ベン・フォスターは近年の出演作には『インフェルノ』、『ウォークラフト』があります。
大型タンカーの救助に向かう一人として名乗り上げ、頑張るバーニーを見ていただけ。

フィッツ(演:カイル・ガルナー)
沿岸警備隊員。機関士。体調の悪いガスローの代役で救助へ向かう一人として名乗り上げる。
カイル・ガルナーは主にテレビドラマや映画などで活躍している。
小型の救助艇を必死に直している姿が印象に残る程度の活躍でした。

マスキー(演:ジョン・マガロ)
水兵。ブリザードが過ぎ去るまで沿岸警備隊の事務所で待機していた。
ジョン・マガロは32作に出演し、主にテレビドラマや映画で活躍する。
誰も救助に名乗り上げない中、警備隊でもない彼は当然のように名乗り上げた。

メル・ガスロー(演:ボー・ナップ)
沿岸警備隊員。機関士。バーニーとは親友のような関係。救助の際に体調を崩して残る。
ボー・ナップは25作に出演し、映画を中心に短編やテレビ映画でも活躍する。
自信がないバーニーを励ます大切な友人であり、グラフを怒鳴りつけるミリアムを抑える。

クラフ(演:エリック・バナ)
外部から来たバーニーの上司。沿岸警備隊の隊員から余所者という事で軽視されている。
エリック・バナは近年の出演作には『NY心霊捜査官』、『ローン・サバイバー』がある。
地元の人間ではないから判断が甘く、そのせいでバーニーたちが窮地に陥る事になる。

レイ・シーバート(演:ケイシー・アフレック)
タンカーの乗組員。一等機関士。取り残された乗組員の中でタンカーの構造をよく知る人物。
ケイシー・アフレックは近年の出演作には『インターステラー』、『ファーナス/訣別の朝』などがあります。
乗組員から信用されていないが、リーダーを失った彼らに生き残る決断をしていく。

ブラウン(演:マイケル・レイモンド=ジェームズ)
タンカーの乗組員。タンカーが沈没寸前だと知って、救命ボートで脱出を考える。
マイケル・レイモンド=ジェームズは主にテレビドラマや映画で活躍する。
シーバートのやり方に当初から反対しているが、終盤では存在が消えてしまう。

感想

個人的な評価
本作は1952年に起きたアメリカ沿岸警備隊によるT2タンカー・SSペンドルトン号の救出劇を実写映画化している。
監督はオーストラリア出身のクレイグ・ガレスピーが務めています。
やはり、本作は実話をベースにしているので、映画的な派手さは遭難以外はほとんどない。
特に遭難しているタンカーの場面、沿岸警備隊のチャタム支局の場面では静と動を描く。
海難事故の映画は数多くあって、その中でも本作はそれなりの迫力をみせています。
鋼鉄製のタンカーを真っ二つにする高波の威力を申し分なく演出している。
その一方でチャタム支局では静かな雰囲気だが、やって来たミリアムによって一変する。
特に彼女が「連れ戻して」としつこくクラフに食い下がる場面が印象的でした。
更に救助へ向かったバーニーたちが遭遇する高波を抜けるシーンも迫力があった。
しかしながら、荒唐無稽とも思えるような救出劇は映画向きだと言える。
ただ、それを感じさせない登場人物たちの終始落ち着いた演技は雰囲気に合っていない。
基本的に実話をベースにした作品はゴールに向かって構築させる物語が多い。
本作も明確なゴールがあるので、それに向かって真っ直ぐに進むだけです。
だから難しい事をやらず、救出した時も、帰る時も予想通りの展開をみせてくれる。
登場人物が多いせいで個性があまりないけど、その中でミリアムだけは突出した。
悪い意味で目立っていたミリアムだが、なぜか後半ではウソのように黙っていました。
やはり、途中から監督は彼女の存在がウザイと分かったのだろう。
それにしても、助かりたいという意志が伝わってこない作品も珍しい。