ワンダフル・ワールド RE-2429

作品紹介

公開年月  2015/02/06
ジャンル  SF/コメディ/ファンタジー
原作  なし
監督  テーム・ニッキ
脚本  テーム・ニッキ、ヤニ・ペーセー
製作  テーム・ニッキ、ヤニ・ペーセー
製作国  フィンランド
鑑賞方法  レンタルDVD

あらすじ

ミッラはアルコール中毒でゾンビになった両親と暮らす女の子。
そんな両親に嫌気が差し、恋人のアイモと同棲する為にコツコツと資金を貯めていた。
ある日、モテるミッラの浮気を心配したアイモは、素敵なカラダで彼女を虜にさせようとロボットスーツを調達する。
だが、アイモは勝手にミッラの貯金を使った事がバレてしまい、彼女は愛想を尽かせて出て行ってしまうのであった。

登場人物&出演者

アイモ(演:ヨエル・ヒルヴォネン)
主人公。何かとモテるミッラを振り向かせようと彼女の貯金をロボットスーツに使う。
ヨエル・ヒルヴォネンは代表作に『Kerron sinulle kaiken』などがあります。
自分に自信がなく、家を買う能力がない事に引け目を感じ、ミッラを失う恐怖を持つ。
ミッラを逃さないパワーさえあればいいという考えからパワードスーツを装着する。
最初は両腕だったが、次に両脚まで改造するも、ウソをついて借金したせいで別れる事に。
どん底まで落ちてしまい、傷つかない鉄の心臓を装着して感情をなくしてしまう。
それでもミッラが見捨てられず、本当の自分を取り戻して自信を持つ。

ミッラ(演:ミルカ・スオンパー)
ヒロイン。アルコール中毒でゾンビになった両親と一緒に暮らすがアイモとの同棲を考える。
ミルカ・スオンパーは本作が映画デビュー作となっています。
友人のシーリから夫の弟を紹介され、アイモと別れて結婚するように進言する。
いつものアイモが好きだったが、パワードスーツで変わってしまった彼に愛想を尽かす。
そのせいで飲めないアルコールを飲み、それによって両親と同じく一時的にゾンビと化す。
鉄の心臓を移植して変わってしまったアイモが飛び降り自殺を繰り返している事を知る。
やはり、アイモを愛していて、彼の心臓を装着すると、感情を取り戻す事になる。

アンパリ(演:テーム・ニエミネン)
アイモの親友。緑色のモヒカンが特徴。ゲイで街中はゲイで溢れていると主張している。
テーム・ニエミネンは本作が映画デビュー作となっています。
付き合っていた彼がバイセクシャルで失恋するも、アイモにはしっかりとアドバイスする。
ずっと自分がゲイだと主張していたが、ジムで出会った女性にひと目惚れしてしまう。

シーリ(演:パウリーナ・スオミネン)
ミッラの親友。結婚しているが、夫のヴェサは浮気しないほどモテない事に不満を持つ。
パウリーナ・スオミネンは本作が映画デビュー作となっています。
金持ちと結婚して庶民を見下すような態度だが、ミッラにとって親友である。

ギッタ(演:ミーナ・ペンティネン)
人だけをするスーパーヒロイン。空いた時間を見つけてミッラと会っている。
ミーナ・ペンティネンは短編映画『Perhepotretti』、『Peritty hitjaisuus』がある。
基本的にアイモとの関係について相談されるが、人助けを優先して飛び去っていく。

ユッカ・カスヴィ(演:オーリー・レイコネン)
パワードスーツのエクソ・アームを売っている。非正規の店で見るからに怪しい。
オーリー・レイコネンは代表作に『3 Simoa』、『Aikusten poika』などがあります。
純粋にパワーを求めるアイモに不格好なパワードスーツを取り付ける。
実は自身も鉄の心臓を移植していたが、ミッラによって心臓を移植されて人格者になる。

感想

個人的な評価

本作はフィンランドでティーン世代を中心に人気を博していたテレビドラマシリーズが原作。
残念ながら日本ではまったく知られていない作品で映画化された本作で初めて知った。
先にテレビドラマシリーズがあるので、世界観や設定が固まっているのは分かる。
タイトルが示すように本作はぶっ飛んだ展開が持ち味となっている。
基本的に普通の暮らしだが、そこにゾンビや未来旅行、パワードスーツが普通に出てくる。
明らかにおかしな点があるけど、それが普通になっている感じが伝わってくる。
ヒロインのミッラは美人だと言われているが、それはギャグなのだろうと思うほどブス。
トレードマークの真っ赤な髪の毛は合っているけど、決して美人ではありません。
そんなミッラの恋人であるアイモは上半身が大きいけど、筋肉の上に脂肪がある関取タイプ。
確かに胸板はスゴイけど、それと比べて貧弱な下半身は絵に描いたようなムキムキマン。
更に友人たちも個性豊かで、ゲイだがバイセクシャルを否定、モテない夫に不満を持つ女、超能力を持つスーパーヒロインなどなど。
なんとも言えないような詰め込んだ世界観だが、それが普通になっているのは面白いところ。
ただし、全体的に説明がまったくないので、そのまま受け入れるしかありません。
ミッラの両親はアルコールを飲む事でゾンビになるが、飲まなければ普通の人間になるとか。
普通にスーパーヒーローやヒロインが空を飛んで人助けを当たり前にやっているとか。
赤ん坊が何かの呪いにかかっていて、暴れているが特に何もしないとか。
この世界観を受け入れるかどうかで本作が楽しめるポイントになっていると思います。
根本的なところは自信のない彼が自信を手にしようと行動するが、それが逆効果になる。
それでも彼女は彼が好きで落ち込んでいる彼を助け、元の鞘に戻るという王道なパターン。
本作はテレビドラマシリーズを知っているなら楽しめるが、それ以外は条件付きとなる。