作品紹介
公開年月 | 2016/11/11 |
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ジャンル | サスペンス |
原作 | なし |
監督 | ジム・オハンロン |
脚本 | レオン・F・バトラー |
製作 | ピッパ・クロス、イドリス・エルバ、ほか |
製作国 | イギリス |
鑑賞方法 | レンタルDVD |
あらすじ
大都会ロンドン、元ラグビー英国代表の主将だったマックスは、浮気が原因で妻のエミリーや子供と別居し、自分を見失っていた。
治安の悪いチクで生まれ育った青年のキングスリーは、元俳優のテレンスと出会い、麻薬組織から足を洗おうと決意し、中年の夫ジョージは愛する妻にも打ち明けていない秘密を持つ。
一見して何の接点もないはずの彼らだが、ある事件を気に運命が複雑に絡み合い、思いも寄らぬ事態が巻き起こるのだった。
登場人物&出演者
・マックス(演:イドリス・エルバ)
イギリスの元ラグビー代表チーム主将。世間で英雄だがすでに家庭は崩壊している。
イドリス・エルバは近年の出演作に『スター・トレック/BEYOND』、『ジャングル・ブック』などがあります。
浮気が原因で妻は写真家と不倫しており、自宅には電話しないと入れてもらえない状態に。
昔は遊びまくっていたが、引退して両親を亡くしてから本気で反省してヨリを戻したい。
エミリーとの関係が戻る矢先で、ジェイクのアルバムを見つけ、銃を片手に暴走してしまう。
裏切られたと思っていたが、エミリーの妊娠が自分の子供だと知って過ちに気づいて投降。
・エミリー(演:ジェマ・アータートン)
マックスの妻。夫の浮気が原因で不倫しているが、子供を引き取って上から目線で接する。
ジェマ・アータートンは近年の出演作に『ディストピア/パンドラの少女』、『ハッピーボイス・キラー』などがあります。
不倫相手のジェイクに言われ、昔やっていた女優に復帰するべくベテラン俳優に相談する。
反省していたマックスと、大学時代の恋人だったジェイクとの間で気持ちが揺れる。
ジェイクが二人の思い出のアルバムをプレゼントするが、すでに気持ちはマックスに傾く。
最後は勘違いしたマックスの暴走を食い止め、彼が戻ってくるまで子供たちと平穏に暮らす。
・キングスリー(演:フランツ・ドラメー)
街の若者。ヤクの売人。普段はスマホに世間に対する不満を言葉として録音している。
フランツ・ドラメーは代表作に『アタック・ザ・ブロック』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などがあります。
社会奉仕をしている時にテレンスと出会い、そこで人の温かさを初めて知っていく。
普段から録音している力強い言葉を賞賛したテレンスに演劇の推薦状を渡される。
しかし、仲間の一人がテレンスに暴行を加えて死んだ事で酷く悲しむも更生を心に決める。
最後はキッチリと後始末をつけ、新たなマトモな人生をスタートする為に歩き出した。
・テレンス(演:ケン・ストット)
ベテランの演劇俳優。8年ぶりに復帰したいエミリーを温かく出迎え、協力を惜しまない。
ケン・ストットは代表作に『シャロウ・グレイブ』、『ホビット』三部作などがあります。
社会奉仕をしていたキングスリーと同じ地区に住み、墓地で彼に手伝いをさせていた。
それがきっかけでキングスリーと友情を交わし、彼の言葉に対する才能を高く評価した。
夜遅く帰宅した時にキングスリーの仲間に襲われ、暴行を加えられヘッドホンを盗まれる。
報復しようとしたキングスリーを止めるが、結局暴行が原因の内出血で亡くなってしまう。
・ジョージ(演:チャーリー・クリード=マイルズ)
タクシードライバー。サッカーのコーチをしている。妻とともに子供を欲しがっている。
チャーリー・クリード=マイルズは代表作に『フィフス・エレメント』、『キング・アーサー』などがあります。
仕事が終わる直前に拾った客がおしゃべりだったせいで注意散漫となり女性を轢いてしまう。
事故だったとは言え、家族のある女性を殺した事で落ち込んで無気力な日々を送る。
妻のキャシーの励ましでなんとか立ち直り、遺族と話し、再びタクシーを再開させた。
キャシーのサプライズイベントで再び立ち上がって、前向きに生きるようになる。
・キャシー(演:カーストン・ウェアリング)
ジョージの妻。チャリティーイベントでマラソンをしている。子供を望んでいる。
カーストン・ウェアリングは代表作に『この自由な世界で』、『ヒットマン・レクイエム』などがあります。
子供がなかなかできない事にプレッシャーを感じて、養子を迎えようとするも問題が発覚。
夫が過去にフリーガンで逮捕されたせいで叶わず、そのせいで落ち込んでしまう。
その夫が交通事故を起こして落ち込んでいる時に励まし、以前よりも絆が深まっていった。
感想
個人的な評価
本作は世界各国の映画祭で話題となった『ブラック・スキャンダル』のスタッフが製作した最新作となります。
『ブラック・スキャンダル』については豪華な出演者以外は、見るべきところがなかった。
そんな本作は大々的にイドリス・エルバが映っているが、彼は主人公ではありません。
本作はいわゆる群像劇であって、三つのエピソードが同じロンドンを舞台に微妙な感じで絡み合いながら展開していきます。
黒人俳優で一番カッコいいと思っているイドリス・エルバは、マックスというイギリスで国民的スターだが家庭に問題がある。
国民的スターだからモテモテで浮気しまくり、ヤクをやりまくりだが、そんな彼に妻は嫌気が差して大学時代の恋人と不倫をする。
この時点で確かにマックスはダメ人間であるが、それを支えるべき妻も子供がいるのに昔の男と不倫している点でも同情の余地はない。
別のエピソードでは不良少年がヤクの売人をして、刑務所にも入った筋金入りのワルだが、社会奉仕を通じて明るい未来を見る。
まず、彼の家庭環境があまりにも平凡すぎて、なぜヤクの売人になったのか、説得力がまったくないのです。
それでたまたまベテラン俳優と出会って、幸運にも演劇のオーディションを受けるが、そのベテラン俳優はいい人すぎました。
最後は平凡なタクシードライバーが、妻と幸せに暮らすも、子供がなかなかできずに悩んでいるというエピソード。
後半になると子供の事は完全に忘れられ、彼が起こした交通事故がメインとなってしまい、その前の話しに意味はあまりなかった。
このように本作で繰り広げる話しは現実にありそうだが、細かく見ると納得のできない環境で非現実さが共存している。
そもそも『ブラック・スキャンダル』では淡々と物語が展開していたが、本作も同じスタッフだから手法は極めて似ています。
物事は淡々と進んでいき、普通の人間の暮らしを見せられても何も面白くありません。
良くあるような展開ばかりで、なぜか最後は丸く収まっているけど、なんだか全体的に腑に落ちないような終わり方でした。
それぞれのエピソードでは俳優たちの演技は悪くないと思うが、その土台にある脚本はあまり上手くないと感じました。
群像劇なので微妙に登場人物たちは接点があるけど、それぞれが語りたいテーマがバラバラすぎて散漫な印象を受けてしまう。
もっと複雑に絡み合うと思ったら、同じ地区に住んでいるからすれ違う程度の関係性で、別に群像劇にする必要性がなかったと思う。
てっきりイドリス・エルバが暴走した国民的スターをやって、その中で他の登場人物たちが絡み合うと思っていただけに残念です。