レザーフェイス/悪魔のいけにえ VD-202

作品紹介

公開年月  2017/10/20
ジャンル  ホラー
原作  トビー・フーパー 『悪魔のいけにえ』(モチーフ)
監督  ジュリアン・モーリー、アレクサンドル・バスティロ
脚本  セス・M・シャーウッド
製作  クリスタ・キャンベル、ラティ・グロブマン、ほか
製作国  アメリカ
鑑賞方法  動画配信サービス

あらすじ

テキサスの田舎町に農場を構えるソーヤー家で5歳になる少年の誕生パーティが開かれた。
誕生日プレゼントにチェンソーを与えられると、少年はハートマン保安官の娘を殺して精神病院へ送られる。
10年後、少年は施設の仲間三人とともに看護師リジーを人質にとって脱走し、ハートマン保安官は執拗に追い詰めていくのだった。

登場人物&出演者

リジー/エリザベス・ホワイト(演:ヴァネッサ・グラッセ)
ゴーマン・ハウス青少年更生所に新任でやって来た看護師。以前から就職を希望していた。
ヴァネッサ・グラッセは代表作に『ロボシャーク vs ネイビーシールズ』、『アンツ・パニック/巨大蟻襲来』などがあります。
患者たちを救いたい気持ちでやって来るが、犯罪者予備軍の彼らは世間から隔離される。
ヴァーナの暴走で患者たちが暴れ回ると身を隠すも襲われ、ジャクソンに助けられていた。
アイクたちと強制的に旅をしてまたも逃げるが、捕まるとまたしてもジャクソンが助ける。
最後はなんとかジャクソンを説得しようとしたが、母親の事を話したら首を切られて死亡。

ジャクソン/ジェド(演:サム・ストライク)
ゴーマン・ハウス青少年更生所に収容される患者。リジーの挨拶に反応して話しかけた。
サム・ストライクは代表作に『Bonded by Blood 2』、『Monster Party』などがあります。
バドを庇ったリジーの優しさに感動して、ラング医師の部屋で行われる拷問を口にした。
アイクたちに捕まると一緒に旅をする事になり、襲われていたリジーを何度か助ける。
実はハートマン保安官の娘を殺したジェドであり、バドを殺されたせいで凶暴性が覚醒。
最後はヴァーナたちに保護されて傷ついた顔を縫われ、ハートマンとリジーを殺した。

バド(サム・コールマン)
ゴーマン・ハウス青少年更生所に収容される患者。双極性障害を持ち人と会話ができない。
サム・コールマンは代表作に『Lords of Chaos』などがあります。
アイクと揉めたせいで電気療法室に送られるが、ヴァーナの暴走に便乗して脱出する。
その際に恨みをずっと持っていたラング医師の部屋に行き、頭を窓に打ちつけて殺した。
見張り役を任されるもアイクに役立たずと言われ、ブチ切れると背後から襲って殺害した。
最後は逃げたリジーを追って警官に遭遇し、立ち向かうも頭を撃たれて死亡した。

クラリス(演:ジェシカ・マドセン)
ゴーマン・ハウス青少年更生所に収容される患者。シャワー室で女性患者を虐めていた。
ジェシカ・マドセンは本作が長編映画デビュー作となります。
そこにいたリジーが異変に気付いて注意されてしまい、捨て台詞を残して出て行った。
ヴァーナの暴走で所内が混乱すると、ずっと目をつけていた女性患者を絞殺して逃げ出す。
やって来たダイナーでは傍若無人な振る舞いをして銃を持った男を殺して暴れていた。
最後はハートマン保安官に捕まってしまい、彼を笑ってしまったせいで射殺された。

アイク/アイザック(演:ジェームズ・ブルーア)
ゴーマン・ハウス青少年更生所に収容される患者。他の患者とすぐに揉める短気な性格。
ジェームズ・ブルーアは代表作に『The Total Princess』、『ダンケルク』などがあります。
いつもように揉めていると、リジーが止めに入って彼女を襲おうとしてバドが止めた。
そのせいでバドとともに電気療法室に送られるが、ヴァーナの暴走に乗じて逃げ出した。
リジーとジャクソンを人質にして、助けてもらったバドを連れて家族に会おうとする。
最後は能無しと言われて見捨てられたバドに襲われると、抵抗もできず一方的に殺された。

ヴァーナ・ソーヤー/カーソン夫人(演:リリ・タイラー)
ソーヤー家の大黒柱。誕生日を迎えたジェドにチェンソーをプレゼントしていた。
リリ・タイラーは代表作に『パブリック・エネミーズ』、『死霊館』などがあります。
ハートマン保安官の娘を殺した息子たちが保護され、長年に渡って面会を希望していた。
ようやく裁判所の命令を手に入れてジェドとの面会に臨むも、ラング医師に拒否される。
その結果、トイレに行くフリをして所内を暴走して、患者たちを解放して混乱に陥れた。
最後はジェドを保護してチェーンソーを渡すと、本来彼が持っていた凶暴性が発揮された。

ソレルズ副保安官(演:フィン・ジョーンズ)
地元の若い副保安官。暴走するハートマン保安官を止める役目を担い、現場の状況を報告。
フィン・ジョーンズは代表作に『Sleeping Beauty』、『シアター・ナイトメア』がある。
ヴァーナのせいでゴーマン・ハウス青少年更生所がメチャクチャになって捜査していた。
アイクたちがダイナーで暴走した時も現場検証し、待機するハートマン保安官に報告する。
ハートマン保安官がクラリスを殺してしまうと、やり過ぎたとして引いてしまう。
最後は取引していたヴァーナから金を手にするが、結局は騙されて豚のエサにされた。

ハートマン保安官(演:スティーヴン・ドーフ)
地元の保安官。娘をソーヤー家に殺され、未成年者の保護という名目で子供を奪っていく。
スティーヴン・ドーフは近年の出演作に『ジャッカルズ』、『アメリカン・ヒーロー』などがあります。
ヴァーナの暴走でゴーマン・ハウス青少年更生所がメチャクチャになり、犯人を断定する。
ソレルズ副保安官が現場を調査している間、10年前に亡くした娘の写真を眺めていた。
ジャクソンの正体がジェドだと知っていて、ヴァーナの目の前で殺そうとするも失敗する。
最後はチェーンソーを手にしたジェドを挑発し、そのまま切り刻まれて死亡した。

感想

個人的な評価

本作は1974年にトビー・フーパー監督が手がけた『悪魔のいけにえ』をモチーフにした作品となっています。
正確にはリメイクやリブートではなく、殺人鬼レザーフェイスの幼少期から青年期を描いた前日譚です。
しかしながら、本作の設定は1974年版とはちょっと違っていて、正統な前日譚という感じがまったくなかったです。
基本的に本作はレザーフェイスとなる人物が分からない状態で進み、誰なのかを推測させるサスペンス調にもなっている。
ただ、レザーフェイスを知っている人ならば、一目瞭然で誰か分かるだろうし、変にミスリードしたら逆におかしくなってしまう。
ですが、本作はそれを安易にやってしまい、中途半端なミスリードをしている上に、明らかにムリのある人物がレザーフェイスというオチ。
確かにジャクソンは最初から怪しかったけど、そこになぜ巨漢で上手く会話ができないバドを置いたのか分からない。
これは製作側からのミスリードを誘う為の配置だろうけど、あまりにも安っぽいミスリードすぎて白けてしまう。
何よりレザーフェイスはバドというキャラクターをそのままにした感じなので、彼が違うという意味がちょっと分かりません。
ジャクソンは巨漢ではないし、普通に会話ができるし、当初はリジーを思いやるという普通っぽいところがあった。
それを真逆の存在であるレザーフェイスに墜とすギャップを狙ったが、こういう事をやるのは本当にダメだと思います。
素直にバドがレザーフェイスであって、最初から話が通じないならいいけど、元々は善人だったという設定はいらないです。
勧善懲悪とかではなく、レザーフェイスは純粋な殺人鬼であり、善悪を超越した存在だと思っているので、こういう小手先の設定は本当に気持ち悪い。
残念ながら本作は前日譚ではなく、トビー・フーパー監督が関わっていない粗悪な続編と同列のパラレルワールドだと感じました。
ここまでグチャグチャにこね回した『悪魔のいけにえ』に対して、トビー・フーパーはどう思っているのか知りたいところです。
個人的にはこの誕生秘話を描いた前日譚はあまり好きではなく、スプラッターシーンも微妙で期待したほどじゃなかった。